ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

Everything

2007年04月27日 | 名曲


 1998年にデビューしたMISIAは、5オクターブという驚異的な広音域を持つ、実力派シンガーです。
 彼女は、子供の頃に通っていた教会でゴスペルに触れたことがきっかけで音楽に目覚め、黒人のヴォイス・トレーナーに師事して基礎を作ったそうです。デビューしてからは、日本人離れした圧倒的なヴォーカル・パワーとパフォーマンスでたちまち人気をさらい、ヒット曲も次々と生み出します。彼女の成功は、「女性R&Bブーム」の火つけ役となりました。


 MISIAが2000年に第7弾のシングルとして発表したのが、フジテレビ系のドラマ「やまとなでしこ」の主題曲である「Everything」です。
 根強い人気を獲得していたMISIAが、高視聴率を誇る人気ドラマの主題曲を歌ったことがミリオン・セラーの大ヒットにつながり、チャートでも1位に輝きました。


     


 数多いMISIAのヒット曲の中で、ぼくが一番好きなのが、この「Everything」です。
 実は何年か前に、あるライヴで「Everything」を演奏することになり、それまでMISIAの曲をほとんど聴いたことのなかったぼくは、徹底的にこの曲を聴いて、ベースのパートを完全コピーしようとしたのです。そして何度も何度も聴いているうちに、すっかりこの曲がお気に入りになってしまった、というわけです。


 MISIAの歌声って、ソウルフルで表情がありますよね。高音部を歌っても声が痩せないし、もちろん歌そのものも非常に素晴らしいと思います。
 部屋で「Everything」を聴いていると、そのパワフルな声に感化されて、知らず知らずのうちにCDと一緒になってついアツく歌ってしまうんです。
 

    


 「Everything」は7分40秒を超える大曲です。
 ストリングスがルバートで流れるイントロが雰囲気を高めます。ストリングスは、こういったバラードにはつきもので、この曲でも全編にわたってストリングスが効果的に使われています。
 安定感と不安定感を行き来するようなコード進行に乗って、起伏に富んだ美しいメロディが歌われます。ゴスペル風のコーラスがとても優しい。
 ゆったりとした16ビートを叩き出すドラムスが曲全体にメリハリをつけています。また、歌に寄り添うようにうねるベースは、コード感を支えながらとてもメロディックに歌っています。
 後半、転調してからのハイ・トーン・ヴォイスは、さらに冴え渡ってゆきます。


      
     MISIA『MARVELOUS』  


 彼女の歌は女性たちからも厚い支持を受けていて、今や「Everything」は、女性が歌うカラオケの、熱唱系ソングの定番にもなっているといってもいいでしょう。
 また、結婚式で歌われることも多いようです。でも、人によっては、「これは片思いの歌だ」と解釈する場合もあるらしいのですが、さていったい本当のところはどうなんでしょうか。


[歌 詞] 


Everything/エヴリシング
  ■歌
    MISIA
  ■シングル・リリース
    2000年10月25日
  ■作詞
    MISIA
  ■作曲
    松本俊明
  ■編曲
    冨田恵一
  ■チャート最高位
    2000年オリコン週間チャート  1位(計4週 2000.11/6, 11/13, 11/20, 12/4) 
    2000年オリコン年間チャート  14位
    2001年オリコン年間チャート  12位
  ■CDシングル売上
    187万8千枚(その他 アナログ盤3千枚)
  ■収録アルバム
    MARVELOUS (2001年)


コメント (4)
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