♪自分的名盤名曲201
ブライアン・ブロンバーグは、ウッド・ベースはもちろん、エレクトリック・ベース、フレットレス・ベースなど、あらゆるベースを弾きこなす、超絶テクニックを誇るベーシストです。
ぼくがブライアンの名を知ったのは、リー・リトナーのライヴに彼が客演したDVDを見たか、オムニバス・アルバムに入っていた彼の演奏を聴いたかのどちらだったか、とにかく強烈な衝撃を受けたのを覚えています。というわけで、この「Wood」がリリースされたというニュースを知った時、すぐショップへ飛んで行ってCDを手に入れたんです。
CDの帯には「私はこのアルバムを聴いて三日間、ひざを抱えてしまいました(都内在住、某ベーシスト)」というキャッチ・コピーが印刷されていましたが、聴いてみた結果からいうと、まさに自分がそのコピー通りになりかけてしまったほど物凄いプレイが聴かれました。

収録されているのは、ピアノ、ドラムスを加えたトリオ編成で録音されたものが5曲、ピアノとのデュオが2曲、ベースだけのソロ演奏によるものが4曲の計11曲です。
ピアノのランディ・ウォルドマンはロサンゼルスの腕利きセッション・マンで、数多くの映画音楽の録音にも参加しています。ドラムのデヴィッド・ブロンバーグはブライアンの弟。アンサンブルの要として基本に徹したタイトなドラミングを披露しています。
ブライアンは、このアルバムでは、タイトル通りウッド・ベースの演奏に徹していますが、コード奏法、ダブル・ノート、タッピング、ハーモニクス奏法など、エレクトリック・ベースにも通じるテクニックを多用、縦横無尽に弾きまくっています。
ベーシストのリーダー・アルバムだからでしょうか、音はベースがかなり前へ出てきています。楽器自体もよく鳴っているようで、木のきしみ・香りまで漂ってくるような感じです。
基本的にピアノがリードを取っている時はバッキングに徹していますが、いざベース・ソロになるや、鬼神も裸足で逃げ出すんではないか、というほどの物凄いプレイの連続です。
といって、曲の成立自体を侵すようなことはしておらず、ハーモニーも重視しながら、ベーシストがリーダーであることはしっかりと主張しています。
トリオ演奏の曲ではすべてベース・ソロ・パートがたっぷり取られています。一番凄いのは「スピーク・ロウ」。アップ・テンポで演奏しているぶん、ソロが最も劇的で、聴きながら身が凍りつくようでした。1曲目の「ザ・サーガ・オブ・ハリソン・クラブフェザーズ」のイントロにおける雰囲気たっぷりなソロも聴きもの。また「ドルフィン・ダンス」では、ハーモニーをも重視しながらグルーヴィーに弾いています。

ピアノとのデュオでは、ピアノとのバランス、間合いをうまく計りながら曲を引っ張っていってます。「酒とバラの日々」は、アレンジとして転調で味付けしながら、とてもエモーショナルな演奏を繰り広げています。
完全ソロで演奏しているのはビートルズの「カム・トゥゲザー」、マイルス・デイヴィスの「オール・ブルース」、16ビートに編曲した「星条旗」、「フリーダム・ジャズ・ダンス」です。これらでは、インプロヴィゼイションはもちろんのこと、ビート、ハーモニー、メロディーを自在にコントロールし、ベース・ソロとは思えない重厚な、そしてアグレッシヴなプレイを存分に聴かせてくれます。例えていうなら、カミソリのような切れ味のする、よく歌うプレイ、ですね。
ちなみに日本盤CDのライナーでは、11曲目のは「星条旗よ永遠なれ」となっていますが、これは正しくはアメリカ国歌の「星条旗」だと思われます。
全編を通じて聴くと、ウッド・ベースの低音の魅力を充分に味わえると思います。超絶技巧のソロはもちろん、バックに回った時に刻む4ビートのグルーヴ感もたまりません。
あ~、CD聴きながら記事を書いてたら、ブライアンの他の作品も聴きたくなってきました。今夜はブライアンの演奏に浸ることにします。
■ウッド/Wood
■リリース
2001年
■プロデュース
ブライアン・ブロンバーグ/Brian Bromberg
■録音メンバー
ブライアン・ブロンバーグ/Brian Bromberg(bass)
ランディ・ウォルドマン/Randy Waldman(piano ①②④⑤⑦⑧⑩)
デヴィッド・ブロンバーグ/David Bromberg(drums ①②⑤⑦⑧)
■収録曲
① ザ・サーガ・オブ・ハリソン・クラブフェザーズ/The Saga of Harrison Crabfeathers (Steve Kuhn)
② ドルフィン・ダンス/Dolphin Dance (Herbie Hancock)
③ カム・トゥゲザー/Come Together (John Lennon / Paul McCartney)
④ グッドバイ/Goodbye (Brian Bromberg)
⑤ スピーク・ロウ/Speak Low (Kurt Weil)
⑥ フリーダム・ジャズ・ダンス/Freedom Jazz Dance (Eddie Harris)
⑦ アイ・ラヴ・ユー/I Love You (Cole Porter)
⑧ ストレート・ノー・チェイサー/Straight No Chaser (Thelonious Monk)
⑨ オール・ブルース/All Blues (Miles Davis)
⑩ 酒とバラの日々/The Days of Wine and Roses (Johnny Mercer / Henry Mancini)
⑪ 星条旗よ永遠なれ/Star Spangled Banner (John Stafford Smith)
Brian Bromberg 「All Blues」(Intro solo)
ブライアン・ブロンバーグは、ウッド・ベースはもちろん、エレクトリック・ベース、フレットレス・ベースなど、あらゆるベースを弾きこなす、超絶テクニックを誇るベーシストです。
ぼくがブライアンの名を知ったのは、リー・リトナーのライヴに彼が客演したDVDを見たか、オムニバス・アルバムに入っていた彼の演奏を聴いたかのどちらだったか、とにかく強烈な衝撃を受けたのを覚えています。というわけで、この「Wood」がリリースされたというニュースを知った時、すぐショップへ飛んで行ってCDを手に入れたんです。
CDの帯には「私はこのアルバムを聴いて三日間、ひざを抱えてしまいました(都内在住、某ベーシスト)」というキャッチ・コピーが印刷されていましたが、聴いてみた結果からいうと、まさに自分がそのコピー通りになりかけてしまったほど物凄いプレイが聴かれました。

収録されているのは、ピアノ、ドラムスを加えたトリオ編成で録音されたものが5曲、ピアノとのデュオが2曲、ベースだけのソロ演奏によるものが4曲の計11曲です。
ピアノのランディ・ウォルドマンはロサンゼルスの腕利きセッション・マンで、数多くの映画音楽の録音にも参加しています。ドラムのデヴィッド・ブロンバーグはブライアンの弟。アンサンブルの要として基本に徹したタイトなドラミングを披露しています。
ブライアンは、このアルバムでは、タイトル通りウッド・ベースの演奏に徹していますが、コード奏法、ダブル・ノート、タッピング、ハーモニクス奏法など、エレクトリック・ベースにも通じるテクニックを多用、縦横無尽に弾きまくっています。
ベーシストのリーダー・アルバムだからでしょうか、音はベースがかなり前へ出てきています。楽器自体もよく鳴っているようで、木のきしみ・香りまで漂ってくるような感じです。
基本的にピアノがリードを取っている時はバッキングに徹していますが、いざベース・ソロになるや、鬼神も裸足で逃げ出すんではないか、というほどの物凄いプレイの連続です。
といって、曲の成立自体を侵すようなことはしておらず、ハーモニーも重視しながら、ベーシストがリーダーであることはしっかりと主張しています。
トリオ演奏の曲ではすべてベース・ソロ・パートがたっぷり取られています。一番凄いのは「スピーク・ロウ」。アップ・テンポで演奏しているぶん、ソロが最も劇的で、聴きながら身が凍りつくようでした。1曲目の「ザ・サーガ・オブ・ハリソン・クラブフェザーズ」のイントロにおける雰囲気たっぷりなソロも聴きもの。また「ドルフィン・ダンス」では、ハーモニーをも重視しながらグルーヴィーに弾いています。

ピアノとのデュオでは、ピアノとのバランス、間合いをうまく計りながら曲を引っ張っていってます。「酒とバラの日々」は、アレンジとして転調で味付けしながら、とてもエモーショナルな演奏を繰り広げています。
完全ソロで演奏しているのはビートルズの「カム・トゥゲザー」、マイルス・デイヴィスの「オール・ブルース」、16ビートに編曲した「星条旗」、「フリーダム・ジャズ・ダンス」です。これらでは、インプロヴィゼイションはもちろんのこと、ビート、ハーモニー、メロディーを自在にコントロールし、ベース・ソロとは思えない重厚な、そしてアグレッシヴなプレイを存分に聴かせてくれます。例えていうなら、カミソリのような切れ味のする、よく歌うプレイ、ですね。
ちなみに日本盤CDのライナーでは、11曲目のは「星条旗よ永遠なれ」となっていますが、これは正しくはアメリカ国歌の「星条旗」だと思われます。
全編を通じて聴くと、ウッド・ベースの低音の魅力を充分に味わえると思います。超絶技巧のソロはもちろん、バックに回った時に刻む4ビートのグルーヴ感もたまりません。
あ~、CD聴きながら記事を書いてたら、ブライアンの他の作品も聴きたくなってきました。今夜はブライアンの演奏に浸ることにします。
■ウッド/Wood
■リリース
2001年
■プロデュース
ブライアン・ブロンバーグ/Brian Bromberg
■録音メンバー
ブライアン・ブロンバーグ/Brian Bromberg(bass)
ランディ・ウォルドマン/Randy Waldman(piano ①②④⑤⑦⑧⑩)
デヴィッド・ブロンバーグ/David Bromberg(drums ①②⑤⑦⑧)
■収録曲
① ザ・サーガ・オブ・ハリソン・クラブフェザーズ/The Saga of Harrison Crabfeathers (Steve Kuhn)
② ドルフィン・ダンス/Dolphin Dance (Herbie Hancock)
③ カム・トゥゲザー/Come Together (John Lennon / Paul McCartney)
④ グッドバイ/Goodbye (Brian Bromberg)
⑤ スピーク・ロウ/Speak Low (Kurt Weil)
⑥ フリーダム・ジャズ・ダンス/Freedom Jazz Dance (Eddie Harris)
⑦ アイ・ラヴ・ユー/I Love You (Cole Porter)
⑧ ストレート・ノー・チェイサー/Straight No Chaser (Thelonious Monk)
⑨ オール・ブルース/All Blues (Miles Davis)
⑩ 酒とバラの日々/The Days of Wine and Roses (Johnny Mercer / Henry Mancini)
⑪ 星条旗よ永遠なれ/Star Spangled Banner (John Stafford Smith)
