一昨年、レオン・ラッセルの来日公演がありましたね。9年ぶりの来日だったそうです。レオンも、今ではもう65歳・・・。そういえば、1970年代に活躍したロック・ミュージシャン、次々と「60の大台」を越しているんですね。時の流れの早さを感じてしまいます。
レオンと言えば、スワンプ・ロックの、いえいえアメリカン・ロック界の大立者として有名です。出身地はオクラホマ州ロートンか~、ふむふむ・・・。そういえば、元タイガースのバース選手の故郷も同じくロートンじゃなかったっけ?
長髪に長いヒゲ、テンガロン・ハットがトレード・マークのレオンは、多くの名曲を生み出していることでも知られています。なかでも、カーペンターズやジョージ・ベンソンが大ヒットさせた「マスカレード」、あまりにも有名ですね。
「マスカレード」と並ぶレオンの名曲が、この「ソング・フォー・ユー」です。この曲もカーペンターズがカヴァーしていることで有名です。
印象的なピアノのルバートで始まるこの曲、絞り出すようなレオンの歌声が哀愁を漂わせるバラードです。ピアノとフレンチ・ホルンのみのシンプルな伴奏は、より切なく、そしてホロ苦い。
「今までいろんな所を歩き、歌も歌ってきたけれど、今はこの歌をあなたに捧げたい」という歌詞がまた泣かせますね。
「あなたに捧げる歌」、歌ってもらったこと、ありますか。
ぼくは、歌ったことがあっただろうか・・・。
【ソング・フォー・ユー】
今までいろんな所を歩いてきた
歌も歌ったが リズムが狂っていたこともあった
1万人が見守る中、ステージで愛を演じてきたけれど
今はふたりきり この歌をあなたに捧げたい
あなたの目には 私がどう映るのだろう
辛くあたったこともあるけれど わかってほしい
あなたより大切な人は ほかにはいない
今はふたりきり この歌をあなたに捧げたい
あなたは真実の意味を教えてくれた 何も犠牲にすることなく
あなたが現れた時 最初は隠れてしまった私だけれど
今はもう大丈夫
私の言うことがよくわからなかったら メロディに耳を傾けて
そこに愛を隠しておいたから
あなたへの愛に 場所も時間もない
生涯の友として あなたを愛する
私の一生が終わった時 思い出してほしい
あなたと私ふたりきり この歌をあなたに捧げたこと
◆ソング・フォー・ユー/A Song for You
■発表
1970年5月
■収録アルバム
レオン・ラッセル/Leon Russell
■作詞・作曲・歌
レオン・ラッセル/Leon Russell
■プロデュース
レオン・ラッセル、デニー・コーデル/Leon Russell, Denny Cordell