今日は欲しい本があったので、少し街まで出てみました。商店街やモールなどはクリスマス一色の賑やかさです。歩いているこちらもちょっとばかりウキウキしてきました。あちこちでサンタ・クロースの格好をした店員さんも見られて、雰囲気に花を添えていました。
サンタ・クロースといえば、4世紀頃の東ローマ帝国の司祭、聖ニコラウスの伝説に由来するんだそうです。
ある真夜中、ニコラウスは貧乏なため三人の娘を嫁がせることができない家の煙突から金貨を投げ込みます。ちょうどその時、暖炉には靴下が下げられていて、金貨はその中に入りました。その金貨のおかげで娘たちは身売りをせずに済んだといいます。靴下の中にプレゼントを入れる習慣も、この故事に倣ったものです。
さて、昨日は比較的新らしめのクリスマス・ソングを羅列していったので、今日は少し伝統的なクリスマス・ポピュラー・ソングを挙げてみたいと思います。
きよしこの夜
(Silent Night)
■作詞…ヨゼフ・モール ■作曲…フランツ・グルーバー ■1818年
1818年12月25日に、オーストリアの聖ニコラウス教会で初演されて以来、不朽の賛美歌として世界中で歌われています。これまでに300以上の言語に翻訳されているそうです。
聖ニコラウス教会ではちょうどこの時期にオルガンが壊れていたために、作詞したモールはこの曲をギターで伴奏しようと思い立ち、その案をグルーバーに相談しました。グルーバーは、最初は「教会に来る人がギター伴奏を気に入るとは思えない」と断りましたが、モールの熱心な説得に折れ、12月24日の一晩中かかって作曲したのがこの曲だということです。
ホワイト・クリスマス
(White Christmas)
■作詞・作曲…アーヴィング・バーリン ■1942年
現代のクリスマス・ソングの中で最も人気のある曲といえば、真っ先に名があがるであろう名曲です。白い雪のクリスマスへの憧れをロマンティックに描いたこの曲は、「アメリカのシューベルト」とも言われるアーヴィング・バーリンが、1942年の映画「ホリデイ・イン」のために書いたもので、同年度のアカデミー賞映画主題歌賞を受賞しました。映画はビング・クロスビーとフレッド・アステアの二大スターが共演したロマンス・コメディです。歌は映画の中でビング・クロスビーが歌い、ミリオン・セラーとなりましたが、さらに毎年のようにクリスマス時期になるとチャートに入り、1968年にはセールス累計が3000万枚を突破するという記録を作っています。
【大意】私は雪のクリスマスを夢見る クリスマス・ツリーは光り輝き 子供達はソリの鈴に耳をすます 私は雪のクリスマスを思い、クリスマス・カードを書く
サンタ・クロースがやって来る
(Here Comes Santa Claus)
■作詞・作曲…ジーン・オートリー&オークリー・ハードマン ■1947年
ジーン・オートリーは「歌うカウボーイ」として人気のあったカントリー&ウエスタンの歌手です。彼自身のレコードが1947年12月にミリオン・セラーとなる大ヒットを記録しました。童謡風の楽しい魅力があり、子供たちが特に喜んで歌うクリスマス・ソングです。
【大意】サンタ・クロースがやって来るよ トナカイのソリでまっしぐら ソリの鈴は鳴り、子供達は歌い、すべてが楽しく明るい
ママがサンタにキッスした
(I Saw Mammy Kissing Santa Claus)
■作詞・作曲…トミー・コナー ■1952年
小さな子供たちにとってクリスマスの最大の楽しみはサンタさんが持ってきてくれる素敵なプレゼントでしょう。そのサンタさんの存在をとても大切に信じているのがその子供たちでもあります。この曲はある意味その子供の夢を壊すものですが、歌詞がとてもユーモラス。クリスマス・ソングの中でぼくが一番好きな歌詞です。当時11歳の少年ジミー・ボイドのレコードが1952年11月から大ヒット、ミリオン・セラーを記録しました。
【大意】僕はママがサンタさんにキスしているのを見ちゃった ママは僕が早く寝てしまったと思ったんだ サンタさんの笑い声はパパに似ていたよ 僕はママがサンタをくすぐるのを見たんだ 昨夜のことさ
ジングル・ベル
(Jingle Bells)
■作詞・作曲…J.S.ピアポント ■1857年
ボストンの音楽家、ピアポントが、日曜学校の生徒のために作った歌です。作曲の2年後にこの題がつけられたそうです。当時のボストンでは、冬になるとスポーツとして一頭立ての馬ソリ競走が盛んに行われていました。この曲はそうした情景がヒントになって生まれたもので、もともとはクリスマスとは関係なかったようです。1943年にビング・クロスビーとアンドリュー・シスターズの共演盤がミリオン・セラーになり、クリスマス・ソングとして定着しました。
【大意】鈴が鳴る、鈴が鳴る 馬ソリに乗るのはなんて楽しいんだろう 鈴が鳴れば心もはずむ ソリに乗って歌う今宵はなんて楽しいんだろう
赤鼻のトナカイ
(Rudolph, The Red-Nosed Reindeer)
■作詞・作曲…ジョニー・マークス ■1949年
この曲もたいへん面白い童話風の内容を持っていて、今ではすっかりクリスマスのホーム・ソング、童謡のようなかたちで広く愛好されています。1949年11月からジーン・オートリーのレコードがヒット、これもミリオン・セラーになりました。
【大意】ルドルフは赤鼻のトナカイだ 彼の鼻はとてもよく光る 他のトナカイは彼の鼻を笑い、仲間に入れてやらなかった ある霧の深いクリスマス・イヴにサンタがやってきて、『ルドルフよ、今夜お前の光る鼻で私の道案内をしておくれ』と言った ルドルフは大喜び 彼は歴史にその名を残した
サンタが街にやってくる
(Santa Claus Is Comin' To Town)
■作詞…ヘイヴン・ガレスピー ■作曲…フレッド・クーツ ■1934年
ドイツではサンタ・クロースは双子で、ひとりは良い子にプレゼントを持ってきますが、もうひとりは悪い子にお仕置きをするんだそうです。この曲はそんな内容を盛り込んだ童謡風の楽しい曲です。
【大意】外を見てごらん 泣いたりふくれっ面をしてはいけないよ そのわけはサンタが街にやって来るからだ サンタはどの子が悪くてどの子が良い子かちゃんとリストを作っている サンタはお前が眠っている時に来てくれるけれど、起きていると来てくれないよ
リトル・ドラマー・ボーイ
(The Little Drummer Boy)
■作詞・作曲…ハリー・シメオン、キャスリーン・デイヴィス&ヘンリー・オノレイティ ■1958年
ハリー・シメオンは編曲者兼合唱団指揮者です。彼の合唱団のレコードが、1958年から62年までの毎年12月にヒット・チャートに入り、ミリオン・セラーになっています。
【大意】新しい王キリストの誕生をお祝いしてみんなが贈り物をさしあげました でもぼくは貧しい少年、何もさしあげるものがありません そこでぼくはドラムを叩いてあげました すると王様はたいへん喜んで、ぼくとぼくのドラムをご覧になり、ニッコリ笑ってくださいました
メリー・リトル・クリスマス
(Have Yourself A Merry Little Christmas)
■作詞・作曲…ヒュー・マーティン&ラルフ・ブレイン ■1943年
1944年、映画「セントルイスで逢いましょう」で、主演のジュディ・ガーランドが歌いましたが、これがいつの間にかクリスマスの愛唱歌になりました。1963年にはフランク・シナトラが歌って話題になっています。美しいバラードです。
【大意】あなたも楽しいクリスマスを 心を明るく持ちなさい 今こそ悩みは消え去ります クリスマスの季節を朗らかに あの幸せだった日々 私たちの誠実な友が再び私たちと一緒なのです 一番高い枝に輝く星を飾って あなたも素敵なクリスマスを
クリスマス・ソング
(The Christmas Song)
■作詞・作曲…メル・トーメ&ロバート・ウェルス ■1946年
「ホワイト・クリスマス」と並んでぼくが最も好きなクリスマス・ソングです。リリカルで美しいメロディーを持っていて、バラード風に歌われることが多いようですね。ナット・キング・コールが1946年に歌って以来、クリスマス・シーズンの定番曲となりました。
【大意】暖炉にはぜる栗 鼻を凍らせる霜 クリスマス・キャロルのコーラスが歌われる 子供達はなかなか眠ることができない サンタ・クロースがソリにおもちゃを載せているのを知っているから 私は『メリー・クリスマス』という素朴な言葉を子供からお年寄りまで申し上げたいのです
皆さんにとって良きクリスマスがやって来ますように。どうぞ楽しい時をお過ごしください。
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