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「ほらみて」 高崎乃理子
何もかもいやになる
暗い迷路でひとり
泣くのにもつかれて
「もうどうなってもいい」
と思うようなこと
だれにでもある
そんなこと
でも
ほら 見て
光を求めて
土に深く根をはりながら
向きを変える
ビルの影の
ささやかな草を
卵を生むために
命そのもののように輝きながら
激しい急流を登っていく
魚の姿を
自分も自然の一部だと思えばいい
生きていく
強い力と知恵を
にぶらせてはいけない
そう思うから
ほら見て
自然の営みを
そして感じて
自分の中の素朴な力を
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困難なことやつらいことに直面していても、見る視点を変えてみたら、見えてくるものがあります。
また、人も自然の一部であるという思いは、私が幼い頃から能勢の自然の中で大きくなってきたので、とくに強く共感するのかもしれません。
自然の中に浸ると、大自然の営みと同化して、自分の悩みや苦悩が小さく見えてきます。
夏休みの機会を利用して、しばし自然の中に身を置く時間をつくってみてはいかがでしょうか。