児童虐待への対応する機関の一つに児童相談所(子ども家庭センター)があります。
1990年度から統計を取っていますが、毎年増加しています。2021年度の対応件数は、20万件を超えました。
ただし、最近でいえば、新型コロナウイルスの感染が拡大して、外出の自粛や臨時休校が影響して,虐待が表に出ず潜在していることも考えられます。
20万件の約6割は「心理的虐待」が占めます。これは、子どもへの暴言や子どもの前で配偶者に暴力を振るう、いわゆる「面前DV」などが該当します。次に「身体的虐待」が続きます。
児童相談所への相談でいちばん多いのは、警察からで約半数を占めます。それ以外には学校からの「通告」や近隣の人からの「通告」となります。
では、子ども本人からの相談は全体の1%ほどしかありません。
子どもといっても.乳幼児本人が児童相談所に相談はできないのは当然ですが、小学校中学年以上の子どもなら、直接相談を持ち込むことは無理ではない年齢です。
しかしながら、見知らぬ機関に相談するのはハードルが高いですし、相談の内容が保護者に知られたり、学校に知られたりすることが困るということで、まわりの人に虐待を受けているという事実を伝えられないという難しさがあります。
しかし、子どもが意思表明できることは、子どもの権利条約にも定められていることです。
それをサポートする取り組みは、自治体が先取りをしています。子どもの人権を守るために第三者機関を設置し、社会福祉士や心理士が福祉の分野から相談にあたるようにしている場合があります。
また、虐待で苦しむ子どもの声を受けとめて代弁者になる人を「アドボカシー」といいますが、その人を確保している自治体もあります。
しかしそもそも、子どもからの相談はたいへんセンシティブなものが多く、それを聞き適切に関係機関と連携して解決につなげていくのは難しく、高いスキルが必要になります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます