さて唱歌の「こいのぼり」の歌詞を思い出してみましょう。
やねよりたかい こいのぼり
おおきいまごいは おとうさん
ちいさいひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
おおきいまごいは おとうさん
ちいさいひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
まごい(真鯉)=お父さん
ひごい(緋鯉)=こどもたち
なぜお母さんは出てこないのと、私は小学生の頃、疑問をもちながらもうたっていたのを思い出します。
歌詞にお母さんが出てこないのは、おそらく当時のジェンダーバイアスを色濃く反映していたからだと思われます。
唱歌「こいのぼり」は、今からおよそ100年前の1920年代に発表されました。
第二次世界大戦前で、日本の家では家父長制度が幅をきかせていました。
父親が家族に対して、絶対的な権力をもっていた時代であり、5月の節句なので子どもは歌詞に取り込みますが、母親を盛り込む視点はなかったのでしょう。
おそらく当時としてはら違和感なく人びとに受け入れられていたのでしょう。
ただし、昭和時代には、家族の中でのお母さんの存在の大きさが広く認識されるようになりました。
そこで、音楽之友社が昭和57年に発行した小学校の音楽の教科書には、2番の歌詞として、あ母さんが出てきます。
やねよりたかい こいのぼり
おおきいひごいは おかあさん
ちいさいまごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
時代とともに、歌詞も変わってくるのです。
ただ、この歌詞にも男子は黒色、女子は赤色というステレオタイプ的考え方が透けて見えてきます。
いま販売されているこいのばりは、多様性尊重の流れを受け、写真のようにブルーやピンクも加わり、いろいろな色のカラフルなものに変わってきています。
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