台風が、わが故郷紀伊半島南部に大打撃をもたらし、のろのろと
去って行きました。元々大台ケ原の麓の雨の多い所ですが、今
回はまさに想定外の1000ミリ(1メートル!)を遥かに超える雨量
だったようです。避難するところまではいかなかったようですが、
弟一家と母もかなり怖い思いをしたようです。小さい頃に遭った
伊勢湾台風の怖い思い出が蘇りました。毎年秋になると何度か
やってくるありがたくないお客です。今年はもうこれでお終いにし
てほしいところですが、自然現象は如何ともしがたいですね。ま
してや異常気象のこの頃です。
けれどもまあ、人生悲喜こもごも(なんて、今回被害に遭っていな
いから言えるのですが)。猛暑が去って、秋の気配がし始めたの
はありがたい。いつも今頃万葉集のあの美しい歌を思い出します。
君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く 額田王
いとしい人を待っていると、秋の風にふと動く簾、「あの方がい
らっしゃったのかしら?」女性の揺れ動く心の動きを、心にくい
までに表したすてきな歌です。
野辺見れば撫子の花咲きにけりわが待つ秋は近づくらしも
万葉集には作者不詳のこんな歌もあります。秋の七草の一つでも
あるなでしこ。英語名は文字通り"pink"。ピンクのなでしこ満開。
なでしこジャパン、昨日はオーストラリアに勝利!!