その昔の「旅情」という映画はロッサノ・ブラッツイ扮するムラーノ島の
ガラス工芸店の店主と、アメリカからきたキャサリン・ヘップバーン扮
する独身女性の一夏の恋の物語でした。この映画の印象や、昔ムラ
ーノ島にガラス職人が閉じ込められて、せっせとガラス工芸品をつくっ
ていたというお話やらで興味を掻き立てられ、その上ガラスやビーズが
好きな私は、ヴェネツィアに行ったらぜひ訪れたいと思っていた島でした。
念願かなって、サンマルコ・ザッカリアという水上バス停からたった20分、
直行でムラーノ島に着きました。観光客は多いものの、ヴェネツィア本島
とは違って、静かな落ち着いた、ロマンチックな良い雰囲気の島です。ロッ
サナ・ブラッツィのように情熱的で、ちょっといいかげんな感じの(でも真面
目さも持ち合わせている違いない?)イタリア男がそこの角から現れそうな。
上陸するとガラスのオブジェが出迎えてくれました。ガラスのショップと
レストランと教会しかない島です。少し蒸し暑いものの、日が射しつつも
降っていた天気雨も上がり、気持よく島内を散策しました。
アクセサリー類やグラスに混じって、ガラス製の洒落た時計が売られていました。
でも、持ち帰るのが大変そうなので、可愛い腕時計を購入。腕時計を
持っていかなかった娘が着けて、旅行が終わるまで重宝しました。
カーニバルでも有名なヴェネツイア、様々な仮面を売るお店もたくさんあります。
小さな運河沿いのレストランのテラス席で、イカスミのスパゲティと
ピッツア・マルゲリータ(いかにも観光客って感じ)を食べて、
、
さて、そろそろ本島に戻ろうかと余裕しゃくしゃくで水上バスの乗り場に向か
った方向音痴の二人は、ムラーノ島の奥深くへ行く反対向きのバスに乗り、あ
わてて乗り換えたものの、行きの直行バスとは大違い、これがどうも各駅停車
のようで、2、3分走っちゃ停まり、走っちゃ停まりで、集合時間に遅れそうに
なり、こわもての運転手さんに最短時間で帰れる方法をたずねたりして、なん
とかほんのちょっとの遅刻で帰り着きました。水上バスに急行と各停があるな
んてねえ、今回は、ちゃんと調べておかなかったこちらの杜撰さが失敗のもと
でした。でもまあ、スリリングで楽しかった!