キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

白萩

2012-10-01 09:28:35 | 季節の花々
          

          鶴ヶ岡八幡宮のすぐ近く、小町に"宝戒寺”というお寺があります。

          こじんまりしたお寺です。鎌倉幕府は高時の時に新田義貞に責められ

          一族郎党800人この近くの東勝寺で自刃し、滅びたのだそうです。近くに

          「腹切りやぐら」なる痛ましい史跡もあります。そのお陰で鎌倉の街自体

          は無傷で次の支配者に受け継がれたとか。ただ、あまりにも哀れに思っ

          た後醍醐天皇が、北条一族の菩提を弔うために、足利尊氏に命じて、

          北条氏の屋敷後に宝戒寺を建立したのだそうです。その後醍醐天皇も

          尊氏の謀反に遭い、逃れた先の吉野で憤死します。諸行無常ですね。

          

          宝戒寺は白萩のお寺として有名です。訪れてみるとほんとうに境内

          一面に、あふれんばかりに白萩が咲いていました。

          

          とは言え、小さな地味な花です。もっと色の濃い花や、桜のような華

          やかさはありません。でも、何とも言えず密やかな気品があります。

          

          純白の可愛い花です。萩は秋の七草の一つで、しかも白は白秋とい

          う言葉もあるように、秋を表す色です。まさに秋の精のような花です。

          

          ピンクの花が混じっている枝もあり、かわいらしい風情です。「萩の月」

          という銘菓がありますが、萩をお団子や薄と一緒にお月様にお供えする

          風習もあるそうです。でも今年の中秋の名月は大型台風が通り過ぎ、大

          荒れになりました。今日の十六夜の月はきっときれいに見えるでしょう。
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