秋の野辺に一輪咲くアザミってどこか寂しい風情ですが、昔は堅固な山
城だったのに、今は影さえ残らず、人家もなく、人っ子一人いない城跡
に咲くアザミには一層の寂しさを感じました。
ここは群馬県吾妻郡にある岩櫃城跡です。15世紀初めに築城された古い
お城ですが、戦国時代に信州上田の真田氏が武田氏の家臣となり、この
城を任された時代がありました。落ち目の武田勝頼に岩櫃城にのがれる
よう真田氏が進言したのに叶わず、勝頼は討ち死にしてしまいました。
2016年のNHK大河ドラマが真田幸村に決まったので、この岩櫃城も登場
することになり、この幟が立っているというわけです。
今では紫苑の花が咲くばかりですが、昔は真田十勇士もこの辺りを闊歩
していたのかもしれません。
近くの小さな岩櫃神社の周りにはコスモスが乱れ咲き、ふと見上げると
十月桜が咲いていました。