キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

雨上がりのムラーノ島

2012-06-21 14:25:34 | 旅行
           

           その昔の「旅情」という映画はロッサノ・ブラッツイ扮するムラーノ島

           ガラス工芸店の店主と、アメリカからきたキャサリン・ヘップバーン扮

           する独身女性の一夏の恋の物語でした。この映画の印象や、昔ムラ

           ーノ島にガラス職人が閉じ込められて、せっせとガラス工芸品をつくっ

           ていたというお話やらで興味を掻き立てられ、その上ガラスやビーズが

           好きな私は、ヴェネツィアに行ったらぜひ訪れたいと思っていた島でした。

           

           念願かなって、サンマルコ・ザッカリアという水上バス停からたった20分、

           直行でムラーノ島に着きました。観光客は多いものの、ヴェネツィア本島

           とは違って、静かな落ち着いた、ロマンチックな良い雰囲気の島です。ロッ

           サナ・ブラッツィのように情熱的で、ちょっといいかげんな感じの(でも真面

           目さも持ち合わせている違いない?)イタリア男がそこの角から現れそうな。

           
          

           上陸するとガラスのオブジェが出迎えてくれました。ガラスのショップと

           レストランと教会しかない島です。少し蒸し暑いものの、日が射しつつも

           降っていた天気雨も上がり、気持よく島内を散策しました。

                

       アクセサリー類やグラスに混じって、ガラス製の洒落た時計が売られていました。

          

           でも、持ち帰るのが大変そうなので、可愛い腕時計を購入。腕時計を

           持っていかなかった娘が着けて、旅行が終わるまで重宝しました。

          

        カーニバルでも有名なヴェネツイア、様々な仮面を売るお店もたくさんあります。

          

          小さな運河沿いのレストランのテラス席で、イカスミのスパゲティと

          ピッツア・マルゲリータ(いかにも観光客って感じ)を食べて、

          

          さて、そろそろ本島に戻ろうかと余裕しゃくしゃくで水上バスの乗り場に向か

          った方向音痴の二人は、ムラーノ島の奥深くへ行く反対向きのバスに乗り、あ

          わてて乗り換えたものの、行きの直行バスとは大違い、これがどうも各駅停車

          のようで、2、3分走っちゃ停まり、走っちゃ停まりで、集合時間に遅れそうに

          なり、こわもての運転手さんに最短時間で帰れる方法をたずねたりして、なん

          とかほんのちょっとの遅刻で帰り着きました。水上バスに急行と各停があるな

          んてねえ、今回は、ちゃんと調べておかなかったこちらの杜撰さが失敗のもと

          でした。でもまあ、スリリングで楽しかった! 
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ヴェネツィアの昼下がり

2012-06-20 15:02:22 | 地球
            

          塩野七生の「海の都の物語」や「緋色のヴェネツィア」、トーマス・マンやビ

          スコンティの「ベニスに死す」それからメンデルスゾーンの「ベニスの舟歌」で

          憧れていたヴェネツイアを初めて訪れました。ヴェネツィアの守護聖人聖マ

          ルコの象徴である有翼の獅子があちこちで出迎えてくれます。828年に二人

          のヴェネツィア人がアフリカのアレキサンドリアの寺院から聖マルコの遺骸

          をこっそり持ちだし、イスラム教徒の忌み嫌う豚肉の中に隠してヴェネツィ

          アに持ち帰ったのだそうで、その時から聖マルコがヴェネツィアの守護聖人

          になったんですって。つまりは盗んできたわけです。「でもまあ、いいっか」

          っていうイタリアらしい(愛すべき?)適当さを初めて感じたエピソードです。

            

        イスラムの影響を受けたサン・マルコ寺院やドゥカーレ宮殿の威容には

        やはり圧倒されました。

            

               

        海運都市ヴェネツィアにあちこちから運ばれてきた色違いの大理石でできた

        大きな柱や、建物の外にまで極彩色と金箔で描かれた宗教画が圧巻です。

            

        ヴェネツィア本島には、自動車はおろか自転車も入れないので、移動はヴァ

        ポレットと呼ばれる水上バスか水上タクシー。道路いっぱいの車を見慣れ

        た目には、なかなか面白い光景です。このヴァポレットが運河や海を頻繁

        に行き交っているので、不便ということはないのですが、システムも運転も

        かなり大雑把であらっぽい。岸壁にガンガンぶつけるわ、水しぶきを上げ

        て飛ばすわ。タダ乗りしている人もかなりいそう。イタリアの適当さを、ニ

        度目に垣間見たのがこのヴァポレットでした。

            

        溜め息橋の下を行くゴンドラ。ゴンドラはもう観光用にしか使われていない

        ようです。溜め息橋はドゥカーレ宮殿と古い牢獄をつないでいて、牢獄に連

        れて行かれる罪人が、外を見て溜め息をついたのでそう呼ばれるようになった

        たとか。今は観光名所で、ここもサン・マルコ広場も笑い声がさざめいてい

        ますが、その昔は血なまぐさい権力闘争が繰り広げられていたのでしょうね。   
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ドーハの夜明け

2012-06-19 18:22:45 | 地球
           

       今、台風4号が近づいて、わがふるさと奈良の吉野あたりは暴風雨が荒れ狂って

       いるようですが、一週間前イタリアに行く途中トランジットで立ち寄ったカタールの
 
       首都ドーハは、まさに中東、飛行場が砂漠か、砂漠が飛行場か、未完成の空港を

       ヴェネツィアへの乗り継ぎのために、延々バスでつれまわされました。ここには台

       風なんて来たことなんてないんでしょうね。沙漠に昇る朝日が砂の向こうに霞んで

       きれいでした。

          

       まだ早朝ですが、建物の外に出ると40度以上の熱波がおそってきます。お水は

       必需品。もちろん生水は飲めないようです。アラビア文字のラベルのペットボトル

       ですが、原産地はと見ると、どうもイギリスのハイランド地方のようでした。

          

       白亜の建物に、Welcome to Dohaと書かれた聖火台のようなモニュメント。旅心を

       そそられます。

          

       空港内は近代的で空調が効いていて快適。いかにもオイルマネーで潤沢という

       感じです。全身を覆う黒い衣装の婦人たち(持っているバッグや靴はいかにも高

       価そうなブランド品ですが)や、アラビアのロレンスで見たような白い衣装の男

       性たち。異国情緒満点でした。

          

       ドーハまで日本から10時間。また機上の人となり、イスラムの法に基づいて

       作られた機内食を食べつつ、ヴェネツィアに向かいました。

          

           あと5時間の空の旅です。長い!
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立てば芍薬

2012-06-05 16:24:20 | 季節の花々
           

           九州はもう梅雨入りしたとか。いよいよ雨のシーズンです。

           

           きれいに咲いていた牡丹や芍薬も、もうそろそろ終わりです。

           

             大輪の牡丹はほんとに見応えがありました。

           

           それにひきかえ今が盛りの百合の清楚なこと。立てば芍薬、座れば牡丹、

           歩く姿は百合の花。甲乙つけがたい美しさです。そして今度は紫陽花の

           季節です。つぎつぎと華麗な花々が目を楽しませてくれます。



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万緑

2012-06-03 16:20:14 | 季節
           

           万緑の中や吾子の歯生え初むる      中村草田男

          明るい緑の中の小さなツボスミレ。見ていると、こんな句が浮かんできました。

          そういえば、一歳を過ぎた孫娘にも、白いかわいい歯が生えてきています。

           

          ものみなが若々しい緑に萌える季節です。一年のうちで一番いい季節かも。

           

          数年前、今頃の季節に行ったオーストリアの田舎の景色を思い出しました。

          緑の畑や牧場が広がる美しい景色でした。所属する女声合唱団とヴィーゼ

          ルブルクという小さな町の音楽学校との合唱交流で訪れたのですが、その

          合唱団も、指導されていた先生のご病気でこの間解散になりました。さびし

          い限りです。実力も気力も並ではない先生なのに、病気は残酷なものです。

           

          この間、お別れに先生をお訪ねしたら「オーストリアは楽しかったわね」と

          おっしゃっていました。上の景色を見ながら、ドナウ川を下る船の中で、ロ

          ーレライをみんなで歌ったことなど思い出します。でもローレライってライン

          川の歌でしたよね。まあ、もう数年前のことだし、同じドイツ語圏の川だし

          よしとしてもらいましょう。  
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この頃のなっちゃん

2012-06-02 09:08:50 | 季節
            

            グミが赤く色づく季節です。もうすぐ梅雨入りかな?台風もそろそろ

            日本を狙い始めているよう。季節は巡っていきます。


            

            蒸し暑くなってきたので、はやくも、なっちゃんはグダグダ・モード。


            

                 一日中、ダラダラ過ごしています。

            

            でもね、この頃午後になると鳴る雷がとっても怖いなっちゃんです。

            特に一人でいるときは、怖くて怖くて。だれか家の人が帰るまで、

            玄関の土間に降りてパニクッています。
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