横浜市中区の山手町地区内の丘陵地帯に整備されている「港の見える丘公園」の緑地帯を散策していきます。北端部から南側へ向かって伸びている階段を登って行きます。
階段を登った上にあるのが「フランス山」と呼ばれている丘陵地帯です。ここの丘陵地帯は「フランス領事館」の建物があったことから名付けられています。
花壇などが周囲に整備されている遊歩道を南側へ向かって歩いて行きます。
しばらく歩くと、前方に「フランス領事館」の建物の跡地が見えてきました。建物の跡地の周囲は、鬱蒼とした木々に囲まれていました。
江戸時代末期の1863年(文久2年)6月から1875年(明治8年)3月まで、フランス海兵隊がこの山に駐屯していた経緯があります。その後は海兵隊は撤退し、跡地にフランスの領事館が建設されることになりました。
1894年(明治27年)にフランス人建築家サルダの設計により領事館と領事官邸が建設されます。この時に作られた領事館は、関東大震災で倒壊し、1930年(昭和5年)にスイス人建築家ヒンデルの設計で再建されています。
2代目の領事館の建物も1947年に火事で焼失してしまい、現在残っている領事館の遺構は、2代目領事館の建物の1階部分となっています。
領事館跡地前から振り返って北側方向(元町方向)を撮影しました。この日は意外と暖かかったのですが、公園内は人通りはそんなに多くはありませんでした。
跡地の脇には、揚水式の風車が設置されていました。当時のフランス山には上水道設備が無かったらしく、この風車で水をくみ上げていました。
フランス領事館の跡地周辺では、花壇の植えかえ作業が行われていました。
フランス領事館の跡地のそばを通り抜けて、南側へ向かって道なりに歩いて行きます。この先に、横浜港を見渡すことができる展望台があるはずです。
散策道の真ん中には「レンガ造り井戸遺構」と呼ばれる井戸跡が設置されていました。明治時代中期のフランス領事館時代に整備された井戸のようです。
そばには説明板が設置してありました。
レンガ造り井戸遺構の全景です。2004年2月に保存整備されたらしく、レンガも新しいままです。
港の見える丘公園の丘陵地帯の東側に広がっている「新山下町一丁目地区」の低地帯に降りることができる階段やスロープも整備されています。
この丘陵地帯の標高は、20~30メートル前後でしょうか。
しばらく南へ向かって歩くと、横浜港を眺望できる展望台が見えてきました。