東京都中央卸売市場築地市場の、築地から豊洲への移転計画「豊洲新市場」
築地市場の、築地から豊洲地区への移転計画が2015年度を目途に計画が進められています。現在の築地市場は東京ドーム5個分にあたる23ヘクタールの敷地の規模を有し、ここで連日、水産物や青果などの取引が実施されています。築地市場が、取り扱い数量の拡大(2005年に2140トンで日本最高)により施設が手狭になったことや1935年(昭和10年)開場の施設の老朽化や違法駐車増加、銀座などに近い築地という立地条件の良さの他目的への利用価値の観点から、道路条件や駐車スペースなど2012年をめどに東京都江東区の東京ガスの工場跡地の豊洲新市場への移転が検討されていました。
その後、2015年度を目途に移転を進めるという流れになってきています。移転先の場所が、もともと東京ガスの施設があったことから、国の環境基準を大きく上回る有害物質(鉛・ヒ素・六価クロム・シアン・水銀・ベンゼン)の6種類が国の環境基準を超えており、土壌汚染対策工事が実施されているためです。
新しい「豊洲新市場」の概要
新しく建設されることになる豊洲新市場の特徴は以下の6点です。
1.他市場への転配送施設を設置するなど、首都圏のハブ機能を確立する。
2.搬入から搬出までの一貫した物流システムを確立するなど、取引・物流両面の効率化を図る。
3.高度な衛生管理、よりよい品質管理が可能となる施設整備や体制づくりを行うなど、安全・安心の市場づくりを行う。
4.買い回りの利便性の向上及び商品や取引情報の提供など、顧客サービスを充実する。
5.環境負荷の低減、省エネ・省資源を実現する。
6.賑わいゾーンの設置や魅力ある都市景観に配慮するなど、まちづくりに貢献する市場とする。
新市場内には、既存の築地市場内での壮観なマグロのせり、新鮮な食材を味わえる飲食施設の伝統を引き継いだ「千客万来施設」が設けられることになります。2014年2月19日、豊洲新市場の本体施設に隣接する「千客万来施設事業」の事業予定者として、喜代村と大和ハウス工業を選定したとプレス発表がなされました。
豊洲新市場の配置図です。新しく建設された2本の道路を挟んで、3ブロックの区画に分けられていて「水産仲卸売場棟」「水産卸売場棟」「青果棟」となっています。千客万来施設棟部分は、水産仲卸売場棟に隣接して設けられることになります。
豊洲新市場内に併設される商業施設「千客万来施設事業」の完成予想図を、東京都中央卸売市場のホームページから拝借しました。東京の新しい新名所、観光名所になりそうですね。
約140店舗を擁する「"豊洲"場外市場」等が整備されることになります。
豊洲新市場まさかの入札不調、大手がそろって辞退 2013/11/20 ケンプラッツ
千客万来施設事業事業予定者の決定について 東京中央卸売市場
勝鬨橋の左岸側(晴海ふ頭側)から撮影した築地市場の全景です。手前を流れているのは隅田川です。
お台場・フジテレビ本社ビルの展望台「はちたま」から見下ろして撮影した、豊洲新市場の敷地となる場所です。
豊洲新市場の敷地の地図です。ゆりかもめの「市場前駅」は既に完成しています。