★ベルの徒然なるままに★

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映画『ドラゴン・タトゥーの女』

2012年03月05日 | 映画鑑賞記
今日は、土曜日に見に行った『ドラゴン・タトゥーの女』の感想を。

この作品、スウェーデン版の映画が公開されたときも、気になっていたのですが、見れなくって。

原作も、世界的大ベストセラー小説ということで、ミステリやサスペンス好きとしては、非常に気になる作品でした。

なので、ハリウッドリメイク版公開!と分かったときは、「絶対、行く行く(*><*)」と思っていたのですが。

R15ということが分かり、どうしようかな~と、ちょっと見るのを躊躇ったりもしてましたです。

でもでも、見て良かったです!!

■映画『ドラゴン・タトゥーの女』予告編



物語は、というと。
敏腕ジャーナリストのミカエル・ブルムクヴィストは、ある大物実業家のスキャンダルを暴く記事を書いたために、名誉毀損で訴えられます。
そして、その裁判で敗訴し、職も財産も失います。

が、そんな彼の身辺調査をする謎の女が居ました。
タトゥーを入れ、体のあちこちにピアスをした、奇抜な外見の女、リスベット。
彼女は、警備会社の調査員で、とある富豪の依頼を受け、ミカエルが信頼に足る有能な人物か、調べていたのでした。
そして、彼女の調査報告によれば、ミカエルは信頼に足る人物だ・・・と。

やがて、ミカエルの元に、1本の仕事依頼の電話が掛かってきます。

依頼人は、リスベットに彼の身辺調査をさせていた大富豪・ヘンリック。

突然の仕事依頼に戸惑いながらも、ヘンリックの呼び出しに応じ、スウェーデン北部のある島を訪れるミカエル。

そして、彼は、ヘンリックから、ある事件について、真相を調査して欲しいと頼まれます。

その内容とは。

今から40年前、その富豪一族が住む島から忽然と消えた、当時16歳だった姪のハリエットについて。
おそらく、彼女は、一族の何か秘密を知り、その為に、一族の内の誰かの手によって殺され、遺体は遺棄されたのだろう・・・と。

だから、誰が犯人なのか、突き止めて欲しい・・・と。

こうして、40年前の少女失踪事件を調査するために、島に住み始めたミカエル。

けれども、調査は思うように進まず、彼は助手を求めます。
そして、ミカエルが、助手に指名したのは、自分のことをハッキングしてまで調査していたという謎の天才ハッカー。

そう、そのハッカーこそ、リスベットでした。

こうして、ミカエルとリスベットは、コンビを組み、40年前の事件を調査するわけですが。

真相に近付こうとすればするほど、2人の身にも危険が迫り。

やがて、ミカエルは命を狙われるようになるのでした・・・・・・。

それでも、調査を続け、辿り着いた真相とは!?




この映画の原作は、世界的にベストセラーのスウェーデンのミステリ小説ですよね。
そして、何年か前、スウェーデン版で映画化されたり、ドラマ化されたりもています。
で。
その作品の、ハリウッドリメイク版。

因みに、私は、原作小説もスウェーデン版の映画も、未読・未鑑賞で、いきなり、このハリウッド版から見ましたです。



色々と過激なお話なので、好き好きは別れるでしょうが、私は、冒頭からメチヤクチャ物語に引き込まれて。
凄く面白かったです!!

2時間35分と、かなり長めの作品ではありましたが、映画世界に引き込まれていた所為か、そんな長さは全然感じなかったです。


で。
主人公のジャーナリスト・ミカエルが、大富豪から、40年前の怪事件の真相の調査を依頼されるわけですね。
その40年前の事件というのは・・・。
富豪一族が住む、孤島で起こった16歳の少女・ハリエットの失踪事件。
美しく聡明だったハリエットは、一族の「何か」を知り、その為に、おそらく殺されただろう・・・と。勿論、未だに、遺体も見つかっていない・・・。

そして、その犯人は、一族の中に居る。

ミカエルには、40年前にハリエットを殺した犯人を突き止めて欲しい、と。

そんな訳で、40年前の少女失踪事件の調査が始まるわけですが。

私、あまり前知識無く見たのですよ。
でも、なんとなく知っていた印象としては、主人公のミカエルと、天才ハッカーで、奇抜なファッションをしたドラゴンのタトゥーを持つ女性・リスベットの2人が、40年前の事件に挑む・・・って感じだったのですよね~。
実際、あらすじとかにも、そう書いてあったし。

がしかし!

映画が始まって、多分、1時間以上は、この2人、別々で描かれていました。
お互い、関わり合いのない他人として、ね。

1人で、現場の島に渡り、調査をするミカエル。
そして、ストックホルムで過酷な生活をしているリスベット。

2人が、全然、会いそうな雰囲気もなく、どんどん話が進んでいくので、

「いつになったら、この2人が一緒に調査するの???」

と思いましたです(笑)

うん。
2人が出逢い、共に調査に乗り出すまでが長い!!!!

でもでも。

一見、40年前の事件とは全然関係ないリスベットを長く描くのって。この作品のヒロインであるリズベットを知る上で、なくてはならない描写なのだろうなぁと思いました。


で。

40年前の事件についてはね。
一族、み~~んな怪しい感じで。

てか、映画の雰囲気が怖い! 怖すぎる!!

私、スウェーデンって国のことをよく知らないのですが。
映像の印象では、なんというか、雪深くて、空も常に曇天で。とにかく、暗くて寒そう。

特に、事件の舞台となった、一族の住む孤島というのが、とにかく、陰鬱な雰囲気なのですよ。

そして、そんな陰鬱な島を舞台に、40年前、富豪一族の間に何が起こったのか?

なぜ16歳の少女が殺されなければならなかったのか・・・?

おどろおどろし~~~い雰囲気が、ギュンギュンでしたね。

また、ただ、エピソードを淡々と描くのではなくて。
独特な映像効果もあって、余計に怖い!


でもでも。

何か根拠がある訳ではなかったのですが。
事件の真相は、映画の中盤くらいで、
「もしかしたら、そうかな~?」
と思った、その通りの結末でした(^^;

ミカエルが調査でロンドンに飛んだとき、なんとなく、そんな気がしたのですよね。

あと、彼が壁に貼ってた、一族の調査資料を見たときも。なんか、そんな気が。

そして、犯人に関しても、ネタバレになるので言えませんが、「ある証言」をした時に、

「これって、嘘ちゃう??」

とピンと来ました。

何か推理の根拠があった訳ではないのですが。
その証言と、40年前の写真で「ハリエットが見た物」を考えると、

「もしかして????」

と、勘で思っただけなのですが。

映画自体は、ミステリ(推理)というよりは、サスペンスですね。

原作は、世界的に大人気で評価の高いミステリということなので、もしかしたら、小説だと、筋道立てて推理できたりするのかな?
気になりますね。
機会があったら、是非、読んでみたいです。

映画は、サスペンスだけど、ちょっと展開にご都合主義を感じたのは、私だけかな?

つーか。
40年前の資料や証言が、そうポンポン、見つかっていくかなぁ?みたいな(^^;

40年って長いですよ?
40年前っていうと、結構な「昔」のハズ。
写真や資料、欲しい証言とかも、そうは、簡単に入手出来なさそうな気がする。

もしかしたら、原作では、そういうのが、ジワリジワリと分かってくる~~とかあるのかなぁとも想像するのですが。
映画では、結構、ポンポンと分かって行ってた。

なので、テンポは良いんだけど。
ご都合主義は否めなかったかな~。

と。

40年前の事件に関しての私の感想は、そんな感じ。

でも、この映画の魅力は、なんといっても、ヒロイン・リスベットだと思います。

物語の中盤から、ミカエルの助手として、事件調査に参加するわけですが。
もう、これが、超有能なんですよ!!!!

体の至る所にピアスをしてタトゥーもある。眉も剃ってて無いし。
そんな独特で奇抜な外見&ファッションで、凄く異質な感じというか、一見、怖~い感じの女性なのですよね。

でも、物凄く惹かれるものがあるんですっ。

彼女の人柄? 強さ? 頭の良さ?

とにかく、人の心を鷲掴みにして離さない魅力がある!!

複雑な環境の元、育ってきた彼女は、23歳なのに、後見人が居るのですよ。
で、現在の後見人が病気で倒れて入院してしまった為に、新たな後見人というのが付くわけですが。

この新しい後見人っていうのが、もう、とんでもないゲス野郎で(怒)

彼女は、ソイツに、考えられないような、酷い性暴力を受けるんです。

あのレイプシーンは、ちょっと、直視できなかった(>_<)
あんまりに、酷すぎる・・・。

でも。

本来なら、ショックのあまり心が壊れて、立ち直れないであろうほど、心も身体も陵辱されるリズベットなんだけど。
もちろん、凄く傷付いてるんだけど、でも、それで終わらせないのがリスベットの強さなんです。

泣き寝入るのではなく、その事実は事実として受け容れ、自分の中で、一度リセットして、次のステップに出る。
その類い希な、頭の良さを活かして。

まあ、早い話が、「仕返し」する訳だけど。
単なる復讐ではなくて、もう二度と、自分にあんなマネ出来ないようにし、尚かつ、後見人として利用できるようにする・・・というやり方。

まあ、暴力的な仕返しではあるけどね。

でも、あれが彼女のやり方なんだと思いました。

例えば、仮に、裁判とかで訴えを起こしたとしても。
アウトローな彼女は、社会から信用して貰えない、返って不利になる。それが自分でも分かってるのでしょう。

それに、映画の印象だけだけど、なんとなく、女性が虐げられてるっぽい社会というかお国柄を感じたし。

だから、社会のシステムは頼らない。
自分の力のみで決着を付ける!

それが、リスベット流の解決なんだと思いました。

暴力的なシーンではありましたが、わたし的には、後見人に対して、

「ザマぁ見ろっっ!!!!!!」

って感じがしました。心の中で、リスベットよ、よくやった!と拍手喝采っ。

だって、後見人には同情の余地ナッシングだったんだもの。
人の弱みにつけ込んで、女性を玩具みたいに弄ぶようなクソ野郎は、

【私はレイプ魔のブタ野郎です】

っていう入れ墨を、一生しょって生きていけってんだ(`皿´)
当然の報い!!!


・・・と、暴力的な面を持つ彼女なんだけど、とにかく、格好いいんです。

ミカエルから、助手になってくれと頼まれたとき、すんなり引き受けたのも、もしかしたら、16歳の少女が被害者っていうのに、何か思うところがあったからなのではないかなぁと思いました。
映画では、詳細は語られなかったけど。
リスベットも、幼い頃、父親を焼き殺そうとした・・・っていう過去があるとのことですし。
彼女自身、女性と言うことで、何か、虐げられるような幼少期を体験していたのではないかなぁ~と。

もちろん、かつての調査対象だったミカエルに興味を持ったっていうのも大きいでしょうが。

アウトローな彼女だけど、彼女なりの「正義感」っていうのがあって。
とにかく、それが素敵なんです。
そして、凄く有能だし。
頭の良い女性は、大好きです。

で。

彼女が助手になってから、40年前の事件の捜査も、ポンポンと展開しています。
そして、真相が明かされるにつれ、色々と猟奇的(--;

前知識無く見ていたので、ラスト、ミカエルが犯人に捕まったシーンも、ごっつぅ怖かったよ(>_<)
リスベットが助けてくれて良かったね、ミカエル。


共に、事件を調査し、命の危機も切り抜け。
きっと、2人の間には、口には出さないけど、信頼関係というか、絆も生まれてたと思う。

ハードなラブシーン(モザイク有り)もあったしね(笑)

でも、それだけに、ラストシーンは切なかったなぁ。
何も、あんな終わり方しなくても・・・(;;)

2作目以降も登場するリスベットですし。
今後の、ミカエルとの関係、気になるなぁ。


あっ。

私、↑↑↑↑で、「リスベットは強い」って書いたけど。でも、弱くもあるんだと思う。
つか、本当は、凄く繊細で弱い子のかもしれないなぁって。
でも、繊細で弱かったら、世の中、生きていけない。
だから、無理してでも強くあろうとしている。

彼女の強さは、弱さの裏返しのような気がして。

ミカエルに惹かれたのも、彼の紳士的な所や、父性に魅力を感じたからではないかな?

ラストの、あの切ないシーンで、リスベットの「か弱い部分」を垣間見たような気がしました。




全体的に、とても面白いサスペンス作品でした。

ただ、暴力シーンや、レイプシーン、過激な濡れ場があるので、ダメな人はダメかもしれないですね。
そして、リスベットを好きか嫌いかで、この作品の印象も変わるのではないでしょうか?

賛否両論、極端になりそうなので、安易にオススメは出来ない難しい作品ではありますが。

私は、凄く好きでした!
面白かったです!!