★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

映画『TIME/タイム』

2012年03月19日 | 映画鑑賞記
この間、見に行った映画の感想を♪

『TIME/タイム』、いかにもアメリカ映画っ!つていう感じの、気軽に楽しめるエンターテイメント作品でした。


■映画『TIME/タイム』予告編



科学技術が進歩したことにより、老化現象を解決した近未来。
人間は、25才で成長が止まると余命はあと1年という社会が構築されていました。
そして、その世界では、時間は通貨。
つまり、26才を過ぎてからの寿命は、お金を稼ぐことと同じ感じで、自分で稼いで貯めなくてはいけない・・・。

とはいえ、貯蓄=たくさんの時間を持つ、富裕層は寿命を気にすることなく、殆ど永遠に使い命を生きています。

その一方で、貧しい人々は寿命を延ばすためにあくせく働き続けなければならならず、どんなに働いても、時間を溜めることが出来ない社会になっていました。

スラムゾーンで暮らす、主人公の貧しい青年のウィルは、酒場で絡まれていた裕福な男を助けます。
その男は、若い外見とは裏腹に、もうかなりの長い年月を生きていて、更にまだ、余命を100年以上持っています。
そんな彼は、ウィルに、

「この世界の時間は、誰かによって奪われている。だから、貧しい者は、いつまで経っても貧しいままでしかいられないんだ」

と、教えます。

そして、ウィルが眠っている間に、自分の手持ちの100年をウィルの体内時計に移し、

「私の時間を無駄にするな」

と書き置きを残し、自らは、タイムアウト(=死)を選ぶのでした。


この世界の理不尽さを調べるため、裕福な男から貰った100年を手に、裕福ゾーンへ乗り込むウィル。

しかし、いきなり100年という大金を手にしたことで、殺人を疑われ、警察に追われる身になるのでした。

そして、逃亡しながらも、ウィルが辿り着いた、時間社会の真実とは・・・・。



まさに、「タイム イズ マネー」な物語。

物語の舞台は、未来世界。
その世界では、人間の成長は25才でストップ。
その代わり、そこからの寿命は、人によって様々。

貧乏人の平均は23時間。
裕福な人は・・・・何百年。

なぜなら、その世界では、時間がお金・・・つまり通貨として扱われているから。

今のこの世の中でも、裕福な人には、貯金がた~~くさんあるじゃないですか?
それと同じで、裕福な人には、貯金=時間がた~~~~くさんあって。
25才という若々しい姿のまま、何百年という、まるで永遠のような人生を歩んでいける訳なんです。


一方。

貧乏な人は、時間=自分の余命を、日々の生活費用に当てて、ギリギリの時間しか持っていません。
働いても、日払いで貰える僅かな時間で余命を繋いで生きている・・・っていう、ギリギリな生活。
もちろん、色々な支払い等で、手持ちの時間がゼロになったら、タイムアウト・・・すなわち、死。

その死に方は、突然、心臓が止まるという感じで。
「デスノート」に名前を書かれた人が死ぬ時を思い出しちゃいました。

この、時間=通貨のシステムって。
現代の世に例えるなら、イコカとかのICカード、プリペイドカードを思えば想像し易いかな。
この世界だと、プリペイドカードがお金だけど。

映画の世界では、それが体内に埋め込まれてて。
お金の代わりに時間を使ったり、チャージしたり。
そして、残金が0になったら死。

物語として、凄く面白い発想だなぁと思います。

でも。
それは、凄く理不尽な世界。

例えば、今の世なら、例え貧乏でも、一生懸命働けば、貯蓄だった出来る。
お金持ちになるのも夢じゃないかもしれない。
少なくとも、「可能性」はゼロではない。

がしかし、映画で描かれている世界では、貧乏人は、どうしても、お金=時間が貯められない仕組みになっているのですよ。

物価が上がれば、税金も上がる。
貧乏人は貧乏から抜けられないシステム。

それはなぜなのか?

母親がタイムアウトになって死亡した主人公の青年が、その理不尽さを調べるため、たまたま手にした100年分の時間を手に、裕福ゾーンに乗り込む訳ですが・・・。

見れば見るほど、不思議というか変な世界。

っていうか、最初に主人公が暮らしていたスラムゾーンは、今の世界とそんなに見た目は変わらないのですが。
裕福ゾーンは、未来世界っぽい感じでしたよね。
車のデザインや、ホテルなどのメイドさんの服装も。
いかにも未来的なデザインで、オシャレでした。

・・・って!

それは良いとして。

25才以上年を取らないわけですから。

娘も、お母さんも、お祖母ちゃんも、みんなみんな若い!!!!!
今流行の美魔女ですか?(笑)

っていうか、お年寄り(外見的な意味で)が居ません。
まさに、若者しか居ない・・・という世界。
まあ、実際には、100才以上の人も多いんでしょうが、外見が25才のまだからねぇ(^^;;
100才になっても、見た目は25才!

・・・女性としては、嬉しい・・・・・・・?

いやいや、やっぱ、不気味です。

そういえば。

よく予告編で見たシーン。

主人公と女の人が走ってきてて。
ちょうど出逢う直前で女の人がタイムアウトになって死亡・・・というシーンなんだけど。
私、女の人が若いから、てっきり、主人公の恋人だと思っていたら・・・なんと、お母さんだったとは!!??

ショーゲキでしたっ。

50才だけど、25才の外見のお母さん。
見た目年齢は、息子と変わらない・・・・。

うん、やっぱり、変な世界だよね。


で。

スラムゾーンでは、皆、1日分の命を稼いで、必死なその日暮らし。
裕福ゾーンでは、何百年もある余命。
余程、危険なことをしない限り、死ぬことはないので、永遠の命。ほとんど不死。

その為、裕福ゾーン全体を覆うのは、なんとも言えない「倦怠感」。

そりゃね。

無限に時間があるならね~。
何も、今、一生懸命に生きんでも~~って思うわな。


そんな中で出逢う主人公と、富豪の娘。

彼女もまた、裕福ゾーンで倦怠感を持てあましてて。

「倦怠感がイヤ。スリルのある生き方がしたい!!」

なんて言ってましたが。

その割には、スラムゾーンに出て、時間強盗に遭い、自分の手持ちが30分になってたら、大慌てで焦りまくり。
そんな姿は、仕方ないとはいえ、貧富の差や、時間・命の本当の意味を知らなかったんだろうなぁ~って。
ちょっと呆れちゃいましたが。

てか。

25才を向かえると、体内時計が起動し、余命のカウントダウンが始まるわけですが。

スラムで生まれた主人公は、日々の生活費のことなどを考え、切迫した状況で、「その時」を向かえた・・・と言ってました。

一方、富豪の娘のヒロインは、違うのですよね。

「その瞬間」を向かえたとき、「真っ先に鏡を見た。皆、そうするでしょ?そして、もうずっと、この顔が変わることはないんだ、この顔のままで生きていくんだと思った」

って言ってたのも、貧乏か裕福かで、すごく対極的。

余命のカウントダウンが始まり、「死」を意識した主人公。

でも、ヒロインの「ずっとこのまま顔が変わらない」というのは、永遠の生を意味していますものね。


そんな彼女ですが、自分の父親が築いた、理不尽なシステムに「???」と思い、主人公と共に義賊のようなことをし始める訳です。

銀行を襲って、時間を奪っては、貧しい人にばらまく。


ここら辺は、見ていてスカッとしました。


でもでもでも。

君たち、それで良いの????

なんつーか・・・・。
もっと、その理不尽なシステムを、根本的に変える革命みたいなのを起こすのかな?と思っていたら。
ネズミ小僧みたいなやり方で対抗する訳ですか???
それは、手っ取り早くはあるけど、あまり賢くないぞ????
と。


結局。
一部の人が不死であるために必要な時間を、貧乏人から搾取してる訳ですよね。
だから、貧乏人は、いつまで経っても貧乏人のまま。

一部の裕福層が不死になるには、大勢の人が死ななくてはならない。

確かに、おかしすぎるシステム。
腹立たしいです。

でもね。

ヒロインのパパが言ってたように、2人のあのやり方は、1世代、2世代というスパンでは有効でも、また、3世代、4世代・・・と時を経る内に誰かが台頭してきて、同じようなシステムを作り上げる・・・。だから、根本的な解決にはならない・・・とね。

私もそう思った。

2人のやってることは、今は良くても、次世代、次々世代まで保たないような気がする。

もっと、根本的に社会のシステムを作り替えないといけないんじゃないかなぁ~って。

なので、ラストシーンは、わたし的には「???」と疑問でした。

あの変な社会が、改善されると良いんだけど・・・ね。

やっぱり、人間は不死じゃいけない。


医学が進歩し、人が25才以上老化しなくなったからこそ、あんな、時間が通貨というシステムが出来上がったんだろうけど。
やっぱり、人間が年を取らないというのは良くないと思いましたね。

不老不死。

それは、限りある命を持つ人間にとって、永遠の憧れ。歴史を鑑みても、それが窺えるエピソードはたくさんありますよね。

でも、それは、あくまで憧れであって、「幻想」で置いておいた良いのですよね。

命に終わりがあるからこそ、人間は「人」で居られる。

そう思いました。

永遠に生きる人間なんて、やっぱり、お化けかロボットになっちゃうよ・・・。
もし、あの世界がずっとずっと、何千年も続いていたら。
沢山の余命を持つ裕福ゾーンの人達は、人らしい感情すら無くしていたのでは?と思います。


とはいえ。

時間を大切にしよう!と思わせてくれる物語ではありました(^^;;

とにかく、物語設定の発想が凄く面白い!!!!
気軽に楽しめるエンターテイメント映画でした。


そして。

わたし的には、ヒロインのアマンダ・セイフライドが大好きなので、実に目の保養な映画でした。

彼女、今、一番大好きな女優さんです。

「マンマ・ミーア」の時は、天使のような清純さで。
「クロエ」の時は、妖艶でサイコな娼婦で。
「赤ずきん」ではミステリアスな女の子で。

役柄によって、全部雰囲気が違うのが凄いです(*><*)

これからも、大注目の女優さんだなぁ。