今日は、昨日見た映画の感想を。
めっちゃ、ウルウル来てしまいました、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」。
■『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』予告編
世界的なベストセラー小説の映画化です。
物語はというと。
9.11同時多発テロで、最愛の父親・トーマスを亡くした、少年オスカーの絶望からの再生の物語。
10歳のオスカーは、父の死を受け入れられないまま、1年が経過したある日、父のクローゼットを開けてみます。
その際に、クローゼットの中に入っていた花瓶を割ってしまうのですが。
その花瓶の中に、隠されるように入っていた1本の鍵を見付けます。
全く何か分からない、見覚えのない鍵。
どこの鍵なのかも、当然分かりません。
でも、この鍵に合う鍵穴を見付ければ、きっと、父に近づけるハズ。
そこには、父が遺したメッセージがあるハズ。
そう思ったオスカーは、その鍵に合う鍵穴を探すため、ニューヨーク中を駆け回る冒険に出ます。
それは、生前の父とよく遊んだ、「調査探検ゲーム」のようでもありました・・・。
胸がギュッと締め付けられるような、切なさや哀しさ、寂しさを感じる物語なんだけど、ラストにむけて、ジワリジワリと感動して。
最後は、心温まる気持ちになる・・・そんな作品でした。
主人公のオスカーは、10歳なんだけど、物凄く頭の良い少年。
その所為か、少し独特な感性を持っていたり、感受性が鋭かったり、また、人との付き合い方が苦手なのですよね。
結果は「不確定」とのことだったけど、アスペルガーの診断を受けたこともあった・・・ということなので。
きっと、頭が良い分、頭脳と心のバランスが巧くとれていない・・・そんな感じの少年なのですよね。
実際、学校でも、友達とか居なさそうでしたし。
そんな彼が、唯一、一番心を開いていたのが、父親。
父は、オスカーを子供扱いせずに、対等な一人の人間として接してくれていたし。
また、父がオスカーと一緒に遊んでいた「調査探検ゲーム」というのは、遊びながら、オスカー自身に苦手なものを克服させつつ、頭の良いオスカーの知的好奇心を満足させる、特別なものだったのですよね。
だからこそ、9.11に父親が巻き込まれ、亡くなってしまったことは、オスカーにとって、耐えられないくらいの絶望だったと思います。
しかも、遺体すら見つからず、カラッポの棺を埋葬する・・・というお葬式。
大好きなお父さんが、そんな風に居なくなって、遺体すらないのに。
それを現実として受け容れるには、オスカーには本当に辛いことだったでしょう。
受け容れられる訳がないですよね。
元々、誰にでも心を開くタイプの子供ではなかったオスカーは、ますます、自分の殻に閉じこもり。
そんな息子と、どう接して良いのか、悩む母親。
そんな感じで、時が止まったかのように1年が過ぎ。
父のクローゼットを触っていたオスカーは、ウッカリ、クローゼットの中にあった花瓶を割っちゃうのですよね。
すると、その中から出てきたのは、1枚の小さな封筒。
その封筒の片隅には「ブラック」と書かれています。
そして、その中身は、1つの鍵。
探索ゲームをしてくれた父。
きっと、この鍵に、何か父のメッセージがあるハズだ・・・と、その鍵に合う、鍵穴を探し始めるオスカー。
物語は、そんなオスカーの、鍵穴探しの冒険であり、その冒険は、1年前に亡くなった父との距離を埋めるための道のりでもあったのです。
で、とにかく、主人公の少年の演技が素晴らしすぎる!!!!!!
天才児の役なので、難しい内容の台詞は勿論、息つく間もないほどの、長~~~~~~~い台詞をまくし立てたりするんですが。
抱えきれない現実をどうすれば良いのか、自分でも分からない。
そんなどうしようもない雑多な感情を持てあまし、迸る。
時に、癇癪を起こしたようにまくし立てる、オスカーの台詞の数々は、凄く真に迫っていました。
そして。
オスカーにとって、彼を取り巻く社会環境には、苦手な物、怖い物がたくさんあるのですよね。
電車やバスなどの公共交通機関も怖くて乗れない。
橋も怖いから渡れない。
うるさい音も苦手。
などなど。
そして、そんな彼を取り巻く「怖い物」に対して、時として、パニックを起こしてしまうことも。
だから、彼は、心を落ち着かせるために、常に、タンバリンをカチャカチャ鳴らしながら、歩いています。
本来なら、怖いから避けていた、色々なもの。
でも、なんとしても、お父さんの遺した鍵の秘密を知りたい一心で、その怖い物の中に飛び込んでいくのですよね。
一生懸命、タンバリンを鳴らしながら。
その姿が、物凄く切なかったです。
本当に、お父さんのことを知りたい・・・その思いが、それほど強かったんだなぁ~って。
でもね。
彼は、気付いていないようだったけど。
そうやって鍵穴探しをしている内に、少しずつ、彼は成長していっているのですよね。
怖かった橋だって渡れるようになった。
他人ともいっぱいお話出来た。
地下鉄などの公共交通機関も乗れるようになった。
最初は、防毒マスクを被って乗っていた地下鉄も。
いつのまにか、防毒マスクを取っても平気になってたし。
本人は気付いていないようだったけど。
ちゃんと成長して、苦手な物を克服しつつある。
それは、お父さんが生きていたときに、オスカーのために用意してくれた、「調査探検ゲーム」のようでした。
がしかし。
鍵穴探しにのめり込む一方で、母親との関係は、ますます悪化の一途を辿ります。
「死んだのがママだったらよかったのに!!」
とまで、母親に向かって言うのですから。
それは、いくらなんでも、酷い。
もちろん、本心じゃないんだろうけど。
自分でも、どうしようも出来ない気持ちが爆発しただけなんだろうけど。
でも、お母さんはショックだよね・・・。
ここらへんのやりとりは、本当に、見てて哀しくなりました。
だって。
まさか、自分の大切な人が、突然この世を去るなんて・・・普通、誰も想像して生きてないもん。
ましてや、オスカーの場合、9.11という、非常に理不尽な死で父を亡くした訳で。
遺体すらないのに、カラッポの棺を埋葬して埋葬してのお葬式。
受け容れろっていうほうが、難しいよね。
そして、お母さんだって、最愛の伴侶を亡くしたんだもの。
お母さんも辛い。
受け容れたくない悲しみだけど、でも、それが「現実」な訳で。
辛すぎる現実とどう向き合えばいいのか。
お母さんも、凄く悩んでいると思う。
そんな母親を見ているオスカーも、また、苦しいだろうし。
本当に、理不尽な死によって奪われた命と、残された者達の苦しみって大きいと思いました。
そして。
オスカーにとっては、あの留守番電話。
彼は、「あの瞬間」に電話を掛けてきた父の声を聞いていたのですよね・・・。
でも、それを誰にも聞かせなかった。
そう、母親にも。
ずっと、自分だけの胸にしまっておいて。どれほど、苦しかったか。
母親に聞かせなかったのは、彼の母を想う心でもあったと思います。
でも、大きすぎる秘密に押しつぶされそうだったんだなぁと考えると、涙が止まらない。
で。
鍵は、結局は、オスカーと父とを繋ぐものではなかったわけですが・・・。
でも、他人のために、大いに役立つものではあったのですよね。
オスカーが、他人とその父親の絆を繋ぐ、架け橋になった訳で。
だから、オスカーの鍵穴探しの冒険は、無駄では無かったハズです。
探索を通して、いっぱい成長もしましたし。
そして。
意外な所で、お母さんも大きく関わっていたとは!
そうですよね~(^^;
いきなり、小さな子が訪ねてきても、そうそう、皆が皆、親切に対応してくれるとは限りませんものね。
事前に母親が訪ねて行ってて、ちゃんと事情を説明してくれていたからこそ・・・オスカーも、鍵穴探しの探索が出来た訳で。
そう思うと、行動を共にしていた訳ではないけど、オスカーもお母さんも、一緒に、鍵の秘密を探す旅をしていた・・・と言えますね。
それは、とても、心温まる感動でした。
死んでしまったお父さんは、もう帰ってこないけど。
あの「鍵」は、母と子を、そして、お祖母ちゃんチの間借人ことお祖父ちゃんを繋ぐ「鍵」だったんだと思います。
だから、やっぱり、あの鍵は、お父さんからのメッセージ。
天国からの贈り物だったのではないかなぁと。
そして。
ラストで、ついに、お父さんのメッセージを見付けるオスカー。
怖くて乗れなかったブランコを高々と漕ぎ上げる、彼の表情はとても穏やかでしたね。
それを見ていると、彼は、もう大丈夫だなぁって安心できました。
悲しみは消えなくても、でも、彼はもう乗り越えられるって思いました。
天国からのお父さんの「調査探検ゲーム」は、成功したのかな・・・と。
そうそう。
この物語のタイトルでもある、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」。
これの意味するところは、何だったのか?
あくまで、私なりの考えですが。
オスカーにとって、彼を取り巻く社会は、色々と怖い物だらけだったのですよね。
公共交通機関も、橋も、大きな騒音も、走っている物も、お年寄りも。
そんな煩くて怖い物だらけの「外の世界」を、オスカーは、どこか自分と切り離して、捉えていたんだと思います。
自分には関係ない、なるべく関わり合いたくない・・・と。
でも、鍵穴探しの探索に出ることで、彼は、その煩くて怖い環境に飛び出して行く訳で。
沢山の人と出会ったり、沢山の物を見たりしていく内に、その、今まで、自分とは壁を隔てて存在していた「彼を取り巻く様々な環境」が、実は、自分ととても近いところにあるものだった。・・・それをオスカー自身が認識出来たんだじゃないかなぁ~って。
そして、それは、亡き父・トーマスが、「調査探検ゲーム」を通して、オスカーに教えたかったことでもあったのかな?って。
私はそう感じました。
めっちゃ、ウルウル来てしまいました、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」。
■『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』予告編
世界的なベストセラー小説の映画化です。
物語はというと。
9.11同時多発テロで、最愛の父親・トーマスを亡くした、少年オスカーの絶望からの再生の物語。
10歳のオスカーは、父の死を受け入れられないまま、1年が経過したある日、父のクローゼットを開けてみます。
その際に、クローゼットの中に入っていた花瓶を割ってしまうのですが。
その花瓶の中に、隠されるように入っていた1本の鍵を見付けます。
全く何か分からない、見覚えのない鍵。
どこの鍵なのかも、当然分かりません。
でも、この鍵に合う鍵穴を見付ければ、きっと、父に近づけるハズ。
そこには、父が遺したメッセージがあるハズ。
そう思ったオスカーは、その鍵に合う鍵穴を探すため、ニューヨーク中を駆け回る冒険に出ます。
それは、生前の父とよく遊んだ、「調査探検ゲーム」のようでもありました・・・。
胸がギュッと締め付けられるような、切なさや哀しさ、寂しさを感じる物語なんだけど、ラストにむけて、ジワリジワリと感動して。
最後は、心温まる気持ちになる・・・そんな作品でした。
主人公のオスカーは、10歳なんだけど、物凄く頭の良い少年。
その所為か、少し独特な感性を持っていたり、感受性が鋭かったり、また、人との付き合い方が苦手なのですよね。
結果は「不確定」とのことだったけど、アスペルガーの診断を受けたこともあった・・・ということなので。
きっと、頭が良い分、頭脳と心のバランスが巧くとれていない・・・そんな感じの少年なのですよね。
実際、学校でも、友達とか居なさそうでしたし。
そんな彼が、唯一、一番心を開いていたのが、父親。
父は、オスカーを子供扱いせずに、対等な一人の人間として接してくれていたし。
また、父がオスカーと一緒に遊んでいた「調査探検ゲーム」というのは、遊びながら、オスカー自身に苦手なものを克服させつつ、頭の良いオスカーの知的好奇心を満足させる、特別なものだったのですよね。
だからこそ、9.11に父親が巻き込まれ、亡くなってしまったことは、オスカーにとって、耐えられないくらいの絶望だったと思います。
しかも、遺体すら見つからず、カラッポの棺を埋葬する・・・というお葬式。
大好きなお父さんが、そんな風に居なくなって、遺体すらないのに。
それを現実として受け容れるには、オスカーには本当に辛いことだったでしょう。
受け容れられる訳がないですよね。
元々、誰にでも心を開くタイプの子供ではなかったオスカーは、ますます、自分の殻に閉じこもり。
そんな息子と、どう接して良いのか、悩む母親。
そんな感じで、時が止まったかのように1年が過ぎ。
父のクローゼットを触っていたオスカーは、ウッカリ、クローゼットの中にあった花瓶を割っちゃうのですよね。
すると、その中から出てきたのは、1枚の小さな封筒。
その封筒の片隅には「ブラック」と書かれています。
そして、その中身は、1つの鍵。
探索ゲームをしてくれた父。
きっと、この鍵に、何か父のメッセージがあるハズだ・・・と、その鍵に合う、鍵穴を探し始めるオスカー。
物語は、そんなオスカーの、鍵穴探しの冒険であり、その冒険は、1年前に亡くなった父との距離を埋めるための道のりでもあったのです。
で、とにかく、主人公の少年の演技が素晴らしすぎる!!!!!!
天才児の役なので、難しい内容の台詞は勿論、息つく間もないほどの、長~~~~~~~い台詞をまくし立てたりするんですが。
抱えきれない現実をどうすれば良いのか、自分でも分からない。
そんなどうしようもない雑多な感情を持てあまし、迸る。
時に、癇癪を起こしたようにまくし立てる、オスカーの台詞の数々は、凄く真に迫っていました。
そして。
オスカーにとって、彼を取り巻く社会環境には、苦手な物、怖い物がたくさんあるのですよね。
電車やバスなどの公共交通機関も怖くて乗れない。
橋も怖いから渡れない。
うるさい音も苦手。
などなど。
そして、そんな彼を取り巻く「怖い物」に対して、時として、パニックを起こしてしまうことも。
だから、彼は、心を落ち着かせるために、常に、タンバリンをカチャカチャ鳴らしながら、歩いています。
本来なら、怖いから避けていた、色々なもの。
でも、なんとしても、お父さんの遺した鍵の秘密を知りたい一心で、その怖い物の中に飛び込んでいくのですよね。
一生懸命、タンバリンを鳴らしながら。
その姿が、物凄く切なかったです。
本当に、お父さんのことを知りたい・・・その思いが、それほど強かったんだなぁ~って。
でもね。
彼は、気付いていないようだったけど。
そうやって鍵穴探しをしている内に、少しずつ、彼は成長していっているのですよね。
怖かった橋だって渡れるようになった。
他人ともいっぱいお話出来た。
地下鉄などの公共交通機関も乗れるようになった。
最初は、防毒マスクを被って乗っていた地下鉄も。
いつのまにか、防毒マスクを取っても平気になってたし。
本人は気付いていないようだったけど。
ちゃんと成長して、苦手な物を克服しつつある。
それは、お父さんが生きていたときに、オスカーのために用意してくれた、「調査探検ゲーム」のようでした。
がしかし。
鍵穴探しにのめり込む一方で、母親との関係は、ますます悪化の一途を辿ります。
「死んだのがママだったらよかったのに!!」
とまで、母親に向かって言うのですから。
それは、いくらなんでも、酷い。
もちろん、本心じゃないんだろうけど。
自分でも、どうしようも出来ない気持ちが爆発しただけなんだろうけど。
でも、お母さんはショックだよね・・・。
ここらへんのやりとりは、本当に、見てて哀しくなりました。
だって。
まさか、自分の大切な人が、突然この世を去るなんて・・・普通、誰も想像して生きてないもん。
ましてや、オスカーの場合、9.11という、非常に理不尽な死で父を亡くした訳で。
遺体すらないのに、カラッポの棺を埋葬して埋葬してのお葬式。
受け容れろっていうほうが、難しいよね。
そして、お母さんだって、最愛の伴侶を亡くしたんだもの。
お母さんも辛い。
受け容れたくない悲しみだけど、でも、それが「現実」な訳で。
辛すぎる現実とどう向き合えばいいのか。
お母さんも、凄く悩んでいると思う。
そんな母親を見ているオスカーも、また、苦しいだろうし。
本当に、理不尽な死によって奪われた命と、残された者達の苦しみって大きいと思いました。
そして。
オスカーにとっては、あの留守番電話。
彼は、「あの瞬間」に電話を掛けてきた父の声を聞いていたのですよね・・・。
でも、それを誰にも聞かせなかった。
そう、母親にも。
ずっと、自分だけの胸にしまっておいて。どれほど、苦しかったか。
母親に聞かせなかったのは、彼の母を想う心でもあったと思います。
でも、大きすぎる秘密に押しつぶされそうだったんだなぁと考えると、涙が止まらない。
で。
鍵は、結局は、オスカーと父とを繋ぐものではなかったわけですが・・・。
でも、他人のために、大いに役立つものではあったのですよね。
オスカーが、他人とその父親の絆を繋ぐ、架け橋になった訳で。
だから、オスカーの鍵穴探しの冒険は、無駄では無かったハズです。
探索を通して、いっぱい成長もしましたし。
そして。
意外な所で、お母さんも大きく関わっていたとは!
そうですよね~(^^;
いきなり、小さな子が訪ねてきても、そうそう、皆が皆、親切に対応してくれるとは限りませんものね。
事前に母親が訪ねて行ってて、ちゃんと事情を説明してくれていたからこそ・・・オスカーも、鍵穴探しの探索が出来た訳で。
そう思うと、行動を共にしていた訳ではないけど、オスカーもお母さんも、一緒に、鍵の秘密を探す旅をしていた・・・と言えますね。
それは、とても、心温まる感動でした。
死んでしまったお父さんは、もう帰ってこないけど。
あの「鍵」は、母と子を、そして、お祖母ちゃんチの間借人ことお祖父ちゃんを繋ぐ「鍵」だったんだと思います。
だから、やっぱり、あの鍵は、お父さんからのメッセージ。
天国からの贈り物だったのではないかなぁと。
そして。
ラストで、ついに、お父さんのメッセージを見付けるオスカー。
怖くて乗れなかったブランコを高々と漕ぎ上げる、彼の表情はとても穏やかでしたね。
それを見ていると、彼は、もう大丈夫だなぁって安心できました。
悲しみは消えなくても、でも、彼はもう乗り越えられるって思いました。
天国からのお父さんの「調査探検ゲーム」は、成功したのかな・・・と。
そうそう。
この物語のタイトルでもある、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」。
これの意味するところは、何だったのか?
あくまで、私なりの考えですが。
オスカーにとって、彼を取り巻く社会は、色々と怖い物だらけだったのですよね。
公共交通機関も、橋も、大きな騒音も、走っている物も、お年寄りも。
そんな煩くて怖い物だらけの「外の世界」を、オスカーは、どこか自分と切り離して、捉えていたんだと思います。
自分には関係ない、なるべく関わり合いたくない・・・と。
でも、鍵穴探しの探索に出ることで、彼は、その煩くて怖い環境に飛び出して行く訳で。
沢山の人と出会ったり、沢山の物を見たりしていく内に、その、今まで、自分とは壁を隔てて存在していた「彼を取り巻く様々な環境」が、実は、自分ととても近いところにあるものだった。・・・それをオスカー自身が認識出来たんだじゃないかなぁ~って。
そして、それは、亡き父・トーマスが、「調査探検ゲーム」を通して、オスカーに教えたかったことでもあったのかな?って。
私はそう感じました。