懐かしい昭和の情景を追って

過去に撮影したネガをフィルムスキャナーで電子化しています。蒸気機関車、古い町並み、茅葺民家を投稿します。

茅葺き民家 両中門造り

2012年03月08日 | 茅葺き民家
撮影 秋田県

玄関部が本屋から突き出しているのを中門造りという。
両サイドに付き出ているのを両中門という。
上から見るとコの字に見える。片方だけ出ているL型を片中門という。
ほとんどが前に中門があるが後ろに中門のある家もある後中門
中門が建物の中央からでているのもある。これは平安時代の寝殿造りや武家屋敷の主殿造りが民家にも普及したものと思われる。

茅葺き民家は気候、風土、産業、階層、豊かさ、土地の広さなどによりいろいろな形がある。
言い換えると民家の数だけ形がちがう。
大別しても同じ県でも10種類も違うことがある。

中門造りは寒い雪国に多い、新潟、山形、秋田でみられる。青森も玄関に小屋根の付いた家多い。
外から帰り玄関を開け土間で雪を払い雨具を掛ける。それからガラス戸、障子戸を開けて廊下に入る。
二重の戸になっている。部屋に寒気が入るのを防ぐため、また土間には農具や道具の置き場にもなっていてここで作業もする。

中門の二階部に窓があるこれを「すす窓」と呼ばれていて、若者の寝室や物置になっている。
すす窓の茅葺きは曲線がなんとも言えない。職人の心意気を感じる。
職人も高齢化しているのでいつまでこんな茅葺きが見られるか心配である。




すす窓