少し前、バラエティ番組にリリーと言う歌手が出ていた、女房と「え~随分おばさんになっちゃったね、まあ自分のことは棚に上げてだけど」と話したのだが彼女の歌がどうしても出てこない、確か黒い衣装でアンニュイな雰囲気で歌っていたはずなんだが、申し訳ないがその印象とはあまりに違う、数日たって朝珈琲を入れていたら突然思い出した、確か「私は泣いています」と言う曲だった気がする、「私は泣いています、ベッドの上で、」と言う失恋歌だったと思うがこの歌は好きだった、一時はこんな雰囲気の歌が結構売れた、こういう事は結構ある、歌手を覚えていて歌が出てこない、歌が出ても歌手の名前が出て来ない、諦めて忘れていると突然思い出す、「ベッドで泣いてると涙が耳に入るよ」と言う歌は誰の歌だったか、いわゆる一発屋(といったら怒られるかも知れないがこの歌でしか思い出せない)言う歌手は結構居るな、自分の年齢からすると親の時代の歌だと思うが良く思い出す歌も多い、そんな中でも「上海帰りのリル」と言う歌がとても印象的に残っている、誰が何時ごろ歌った歌かわからないがあえて調べる事はしていない、と言うのはこの曲を好きになったのはかなり後の事で定番の「懐かしのメロディー」の中でトランペットのソロで聴いた時の印象がすばらしくシルエットの波止場と街灯をバックに演奏された場面とその音が素晴らしかった為で、原曲も確かに昔ラジオで聞いた筈だがトランペットの哀愁的な音にまさしくぴったりと合っていた、
ニニロッソのトランペットが未だそんなに売れていない頃だったと思うがそれからトランペットの演奏が好きになった、当事カーステレオは大きな「エイトパック」と言うカセットで大きな入れ物を幾つも車においていた、主に映画音楽が多かったのだが海外のプレイヤーが日本の曲を演奏するものが幾つかあった、当時流行りはテナーサックスでサムテイラーが一番売れていた、彼より少し地味だったプレイヤーに「ジョージオールド」と言う人が居て「ジョージオールドインジャパン」と言うカセットの中で気に入っていたのは「上海ブルース」だった、別に上海に憧れていたのではない、大体元歌は知らなかった、その他に幾つか入っていたが覚えていないのだが、「夜霧余今夜も有難う」も入っていたか、
日本の歌を外人が歌うと言うのもオリジナルより味のある物が多い、五木の子守唄をヘレンメリルが歌ったものも歌詞の内容を理解して歌っているんだなと言う様な素晴らしさだった、リーモーガンだったか「月の砂漠」をモダンジャズにしたものも素晴らしかったが直ぐ近くの「猩々寺の狸囃子」を歌ったアーサーミラーも随分味がある、今日本の歌謡曲と言ってはいけないかJ-popが海外の歌手が歌ったと言う話は余り聞かないな