波乱万丈 乳がん転移ライフ!

39歳で乳がん ステージⅢ告知。術後1年経たずに肝臓、骨に転移。そこから始まる長い転移ライフ!

「仕掛けに乗るよりも仕掛ける側になれ」~ヤフーCSOの安宅和人氏の講演を聴いて

2020-02-14 21:43:24 | 感動の出来事(講演)
私の会社では、「マイデー」という名の誕生日休暇を誕生日前後の1ヶ月内で取ることが出来ます。
毎年2月上旬に息子の学校で「創立記念講演会」があるため、最近はそれに合わせて休みを取っています。

中高校生向けの講演なのですが、希望する保護者も参加でき、保護者にも人気のある講演・・・
毎回、なかなか話を聴く機会のない貴重な方の話を聴けるので、息子よりも私の方が楽しみにしているのですが、
今回は、慶応大学環境情報学部教授兼ヤフー(株)CSO(チーフストラテジーオフィサー)の安宅和人氏でした。

東大大学院で生物化学を修めた後、イェール大学大学院に留学し、脳神経科学のPh.D(博士号)を取得。
米国大手コンサルティングファームである「マッキンゼー」を経て、2001年の911同時多発テロを期に帰国。
上記以外にも、慶應義塾SFC研究所副所長、データサイエンティスト協会理事、内閣府の公職を複数兼任。

経歴を並べるだけで相当凄い方であることは一目瞭然ですが、専門は「データサイエンス」・・・
これからのデータサイエンスとAIの時代の先頭を走り、社会に提言する第一人者であることは間違いありません。
華麗な経歴から取っつきにくい人かと思いきや、大変面白い型破りな方で、最後まで話に引き込まれました。

さすがにヤフー(株)の戦略部門のトップだけあって、最初に見せられたのはドライブレコーダーの画像・・・
車が走行中に急にブザーが鳴り響き、斜め前方で車同士がぶつかって事故が起きる。
また、別の場面で車の走行中にブザーが鳴ると、横をすり抜けて行ったバイクが他の車に衝突する。

次に見せられた画像は、人混みの中を歩く一人の男性の色が変わり、カメラがずっとその姿を追っていく・・・

前者は、「ビッグデータ×AI」によって、事故の起きやすい状況を瞬時に察知できることの実証画像で、
後者は、歩き方の癖などから、指名手配者を群衆の中から簡単に見つけ出すことが出来ることの実証画像・・・

ちょうど今、家入レオが主題歌を歌っていることから、2年前に続き「絶対零度」というドラマを観ているのですが、
「ビッグデータ×AI」によって、犯罪を計画している人を見つけ出して未然に防ぐという近未来的な内容・・・

2年前はまだ現実感を持てなかったのですが、今は「近い将来に現実にあり得る」と感じながら観ています。
今回の講演を聴きながら、このドラマの設定は「近い将来本当に現実になる」可能性が高いと、確信させられました。

彼は、「ビッグデータ×AI」が社会に大変革をもたらし、10年後には現在の企業の1/3はなくなると・・・
18~19世紀にかけて起こった「産業革命」に匹敵する「情報産業革命」がこれから起きる、と断言されました。

中国では、あらゆる交差点の四つ角毎に10個もの監視カメラが設置されるほどの監視社会になっていますが、
「ビッグデータ×AI」の研究への投資額も半端ではなく、国家が主導してあらゆるデータ吸い上げています。

犯罪防止以外に反体制派を見つけ排除する目的もありますが、データを通じた世界覇権が最終目的で、
「情報産業革命」により、中国が経済的にアメリカを抜いて世界のトップになることは間違いないだろうとのこと・・・

ちょうど翌日の新聞に、中国が新型肺炎の感染経路割り出しに、監視システムを利用していることが出ていました。
何と、感染者の過去の移動経路、滞在場所や滞在時間、電話の通話記録など全ての行動が把握出来るそうです。

スマホ決済で誰がいつ何を購入したかの把握は勿論のこと、中国の監視社会としての実態は恐ろしく、
米国が中国最大の通信機メーカーであるファーウェイ社の製品を排除しようとするのもリスク管理上当然かと・・・

そして、「情報産業革命」の真っ只中を生きることになる今の学生にとって大事なことは、データそのものではなく、
「体験」「気づき」「発信」・・・という、やりたいことを実体験し、感じたことを伝えることなんだという話でした。

最後にもう一つ別の動画が流されましたが、大勢の人が座ってくつろいでいる海外の芝生公園の風景でした。
その中の一人の学生が上半身裸になって立ち上がり、両手を挙げて前後に振る変なダンスを始めました。

最初は笑って見ていた周りの人も学生が楽しそうにやっているのを見て、その内に一人二人と一緒に踊り出し、
ついには大勢の人が一緒になって壮大に踊り始めました。

彼のメッセージは、「大変革の時代には、仕掛けに乗るよりも仕掛ける側になった方が得るものが大きい」
「自分が好きなことをやってみて、面白いと思うことを発信していけば、仕掛けるチャンスが生まれる」と・・・

「自分の好きなことをやっていい」と言われ、これから社会に出ていく学生達は自信を持ったと思いますが、
社会人経験の長い私も、「息子が手を離れたら、もう守るものもないので自由に面白いことをやっていこう」
・・・そう確信できた楽しい講義でした。

2020年2月14日


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「ディズニーの魔法」~カリスマトレーナーと言われた方から学ぶ人の育て方

2019-03-29 23:02:38 | 感動の出来事(講演)
ついに東京では桜が満開となりました。毎年のことながら、やっぱり浮き浮きします。

学生にとっても今は春休み真っ只中で、ディズニーランドもシーも毎日人で溢れていることかと思います。
去年までディズニーで遊び尽くしてきた息子は、もうすっかり飽きたようですが・・・

ディズニーでいつも思うのは、スタッフの活き活きとした姿と明るい笑顔、そして気持ちの良い対応・・・
アトラクションやショーを盛り上げるスタッフばかりではなく、パーク内の全てのスタッフが皆楽しそうに働いている。

だからこそ、本当に夢の国だと思えるし、やっぱり楽しいし、また行きたくなるんですよね。
ディズニーで働くスタッフは全員「キャスト」と呼ばれ、今や世界一とも称される夢の国の舞台の一員です。

先日、10万人以上のディズニーの「キャスト」を育てたカリスマトレーナーで、現在は大学で講師をしながら、
人材育成コンサルタントとして活躍する櫻井恵里子さんと言う方の講義を受ける機会がありました。

さすが夢の国の大勢のキャストを育成された方だけあって、大変魅力的な方で話も面白く、
随所に飽きさせない工夫がされていて本当に楽しい時間を過ごせました。

ほとんどがアルバイトとして採用されるごく普通のスタッフが、いかに「キャスト」として成長していくのか・・・
その過程の一端に触れることが出来、「人を育てる」と言うことを真剣に考えさせられたひとときでした。

元々、人に夢を売る仕事に就く人を採用するため、ホスピタリティ力のある人が採用されるのは当然ですが、
キャストとして表舞台にデビューするまでの研修はたったの3日・・・

実は、表舞台にデビューしてからが大事で、OJTを受けながらどんどん「キャスト」として変化し成長していく。
そして、驚いたことにそこに「マニュアル」は存在しないのだそうです。

当然のことながら各アトラクションの「手順書」はありますが、それはサービスマニュアルとは異なり、
「SCSE(安全、礼儀、ショー、効率)」という行動基準と、「ゲストにハピネスを提供する」という理念があるだけ。

但し、身だしなみに関しては徹底した決まりがあり、二人一組でお互いにチェックし合うようですが・・・

マニュアルがない代わりに、一流の「キャスト」に育てるためには、基本となる「魔法の教え方」があるのだそうです。
その3つの特徴は、「ゴールを見せる」「感動を体験させる」「行動を見守る」・・・

その具体的な説明やエピソードを聞いて、お仕着せや決められたことに盲目的に従うのではなく、
人が育つのは「自分で考え、自分で気づき、自分の判断で行動する」ことなんだと思いました。

そうすることで、人はやりがいを感じ、モチベーションを持ち、喜びを感じて成長していくんですよね。

興味深い話の中で、特に印象に残ったのがご自身の5歳の娘さんについての話でした。
平日は大学で教え、休日も色々なところに研修講師で呼ばれるため、娘さんとの時間が取れないのが悩み・・・

そんな娘さんに「お母さんの仕事が忙しくて、ゆっくり相手してあげられなくてゴメンね」と言うと、
「お母さんが楽しそうに仕事をしているのが好き。私もお母さんみたいに働きたい。」と言うのだそうです。

お母さんの活き活きと働く姿が、自然と娘さんを育て成長させてもいるんですね。
子供は親の背中を見て育つ・・・これも子育ての「魔法の教え方」と言えそうです。

2019年3月29日


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「『私たち』と『あなたたち』」そして「Z世代」~安井明彦さんの講演で心に残った言葉

2018-11-30 23:58:14 | 感動の出来事(講演)
アッピア夫です。

今年もとうとう残り1ヶ月・・・
今年は病気と共に自分の身体と向き合った1年となりましたが、まだまだこの状態のまま年を越しそうです。

今日は息子の学校で行われた安井明彦さんの講演会に参加して来ました。

安井明彦さんは、みずほ総合研究所の欧米調査部長をされている方で、
米国の政治経済の調査・分析の専門家として、マスコミでも良くお見かけする著名な方です。

講演のタイトルは「トランプ大統領から学ぶこと」・・・

予測不可能なトランプ大統領の言動や政策に世界中が振り回されている感がありますが、
そのトランプ大統領から学べることもあり、そこから時代の変化を読み解く・・・と言うものでした。

最後まで飽きることなく興味深く面白い話を聴けましたが、
その中でも特に心に残った言葉が・・・「『私たち』と『あなたたち』」そして「Z世代」

トランプ大統領の支持率は、過去4人の米国大統領の中でも突出して支持率が低いものの、
上がり下がりがほとんどなく40%前後で常に安定しているというのが大きな特徴・・・

その統計から見えるのが、トランプ大統領を支持する人と支持しない人が明確に分かれていると言うこと。
トランプ大統領支持(不支持)の「私たち」と不支持(支持)の「あなたたち」・・・

「人種のるつぼ」と言われ、多種多様な人種・価値観を許容し、世界の覇権国として君臨して来た米国
人種などに関係なく活力のある国で、多くの人が成功を実現してきた象徴が・・・「アメリカンドリーム」

今の高齢者世代が親であった時代に、子供が親の所得を超えた割合が収入に関係なく100%近かったのに対し、
アラフォー世代が親の現代の子供が親の所得を超えた割合は、低所得層でも70%、中堅層は何と50%以下・・・

私の世代は、映画・音楽・ファッションなど欧米のカルチャーや豊かさに憧れて育った世代ですが、
確かに今は「アメリカンドリーム」と言う言葉自体あまり聞かれなくなりました。

そして、米国繁栄の中心的存在であった白人層もついに人口の半分を下回ると共に混迷感が漂い始め、
「アメリカンドリーム」が本当の夢となってしまった今は、国内の様々な分野で分断が起きています。

また政治面だけではなく、これまで大らかに許容されて来た人種や宗教や価値観を含めて、
何かにつけて「『私たち』と『あなたたち』」・・・と区別する空気を感じるようになって来たようです。

そして、その米国の覇権に対抗する国として、「自由と民主主義」とは異なる価値観を持つ中国の台頭・・・
もう既にこの二大国の覇権争いの時代に突入したと言えそうです。

これまでの米国では、これからの社会や政治を変えうる存在として注目されて来たのが「ミレニアル世代」・・・

今の20歳代前半~30歳代後半ですが、その投票率の低さがトランプ大統領当選に影響したと言われるほど、
政治への関心が低い傾向が強いようです。

そうした中、銃規制の大規模な集会を全米各地でツアー開催し、銃規制の運動を盛り上げているのが、
まさに自分達が銃乱射の標的とされている全米の高校生・・・

10代で今はまだ選挙権すら持たないこの世代が、今現在の米国では「Z世代」と呼ばれ、
この世代の意識の高さがこれからの米国を変えうる存在と言われ、大いに期待されているようです。

「Z世代」は正に息子たちの世代ですが、この「Z世代」が社会人になる頃には、
日本でも海外旅行者や外国人労働者がもっと増え、超高齢化社会など時代は加速度的に変化しているはずです。

これからは何かと混迷を極める時代となりそうですが、それを担うℤ世代が活躍する時代が楽しみでもあります。
その頃はきっと自分もまだ仕事をしているんだろうな・・・

2018年11月30日


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