NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

馬禿からの眺望。(10月17日)

2010年10月19日 | 間伐
今年から町内自治会役員の一つである中野生産森林組合役員になりました。
役員は中野各町内から一人ずつ選ばれます。
役員といっても新人は単なる作業員です。
そして今日は管理地のある鍋山で月1回の作業日でした。
午前中は、今年から役員になった新人は枝打ち機の使い方の研修でした。
下の写真が枝打ち機です。

ガソリンエンジンで斜めになった車輪と縦に取り付けたチェンソーを駆動し、ゆっくり回転し登りながら枝を払っていきます。
ところが、これがまったく非実用的な機械でした。
先ず、重過ぎます。
移動取付に3人の力が必要です。
林道から離れた所でも急斜面でも使い物になりません。
おまけに取り付けられる木の太さがかなり限定されてしまいます。
太くても細くても車輪がうまく駆動しません。
斜めになったり、扁平になったりしている木にも通用しません。
あきれてしまいました。
これを開発した人物はまったく現場を知らなかったのでしょう。

午後からは、午前中から馬禿で眺望を塞いでいる木の伐採にかかっているチームに合流しました。
馬禿は、かつては麓から見ると馬の形をした崩壊地でしたが、植生が回復し回りの松やヒノキが大きくなって今ではその姿が隠れてしまっています。
そこで今回は上からの眺望を塞いでいる木を切ることになったのです。
しかし支障木の中には10m程の赤松や五葉松やヒノキが混じっています。
ところが作業に来ているほとんどの役員は、私も役員になって初めて知ったのですが、山主でもなく山での作業の経験もほとんどありませんので、チェンソーの扱い方を知りません。
そこで見かねて大きな木の伐採を買って出ました。
作業中は、皆の視線を痛いほど感じました。
私の行動は、他の皆さんにはかなり異質に写ったようです。
中野生産森林組合は、内部から見るとなかなか面白い組織です。
多くの既存の森林関係の組織もこんなものでしょうか。
もう少しこの組織の観察を、これからもゆっくり続けて行こうと思います。

さて、馬禿からは御嶽山方面の眺望が格段に開けました。
これも山の手入れの一つですね。
皆さん鍋山に上られた際には、一度馬禿からの新しい眺望を楽しんでみて下さい。

追伸
朝林道を現場に向って走っていると、カモシカの子供が道の真ん中に立ち止まっているのに出会いました。
このカモシカは以前出合ったカモシカの様な気がしましたが。
でも身体の大きさがちょっと違うかな。
以前出逢ったのが親で、今度のはその子供でしょうか。
どこをねぐらにしているのでしょうか。
この辺りには食べ物の豊富な広葉樹林はほとんど無いのに。
気になるなあ。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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現場から (村上誠治)
2010-10-21 11:53:01
枝打ち機がそんなに稼働範囲が狭いものだとは思いませんでした。
映画の科白ではありませんが「事件は現場で起きている」ですよね。
何ごとも、それぞれの現場の声を基にして
現場に即した方法ですすめないとうまくいかないし、長続きしないと思います。、
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書と会議を捨てよ、森に入ろう (てつ)
2010-10-21 15:08:42
森林に関する会議や学習は、森の中でするべきですね。
技術屋さんにそっと教えます。
森で使う道具なら、これからは森を荒らす大規模、集約化林業用の大型機械ではなく、森にやさしい高性能な小型機械の開発が必要とされるでしょう。
トヨタさん、きっとこれはニッチで有望な市場ですよ。
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