NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

静かな森 (11月20日)

2010年11月24日 | 間伐
割り箸作りで御世話になった小栗さんの「まだ間伐したい所があるんだけれど」という言葉が気になっていたので、出掛けてみました。
朝から暖かく快晴で、天気は申し分なし。
こんな風にふと思いついて気楽に山に向う事が出来るのは、地元に住んでいる者ならこそですね。
今回の現場は、小栗さんの自宅から谷沿いに上り、大きな堰堤を越えて行きます。
堰堤を越えた直ぐは、足元がぬかるみミズゴケが生え倒木が苔むした手付かずの長い時間が流れてきた静かな森を行き、そこを過ぎ急な尾根に取り付いて20分程息を切らして今回の現場に到着です。

現場の森です。
20年ほど前に植林した場所ですが、ヒノキの勢いが天然木の勢いに押され気味です。
こうした状況では、ヒノキの勢いを盛り返すのか、天然林に戻すのかの判断が難しいところです。
結局半分はヒノキを優先し、半分は天然木を優先させました。


小栗さんが昼食で山を下りている間、私は現場から更に山頂近くにある林道まで上ってみました。
途中で見かけた森です。
あまりに細いので自重で曲がってしまったヒノキが見えます。
人工林がゆっくりと自らの死を選んでいるかのようです。


下る途中では、暗い林内からの外の明るさが際立っていました。


早々と作業が終わり、再び現場に上って来た小栗さんとおしゃべりをしていると、昔はこんな山でも必ず誰かに出会ったものだ、薪集めのおばさんや子供、山仕事の男たちと出会っておしゃべりをしたもんだ、今ではもう誰にも会わない静かな山になってしまったという話になりました。
山に人が通わぬようになり、人工林は、ある場所では自然林に覆われかけ、細く育ちすぎた木は曲がり折れて天然木に場所を譲り、まるで山全体が人の痕跡を消そうとしているかのようです。

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