ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

新年度に備えた美術室とそこから見える出雲の北山連山

2013-04-14 08:57:22 | 対話型鑑賞
新年度に備えた美術室とそこから見える出雲の北山連山


 新年度が始まりました。美術室を年度末に大掃除したので、掲示物も一新しました。
正面に2段の移動式黒板がありますが、あまりに遠くて一番後ろの生徒が字が読めないと訴えたことがかつてあったので、現在は使用していません。授業用の黒板は大型の移動式のホワイトボードにしました。そこで、今年はその黒板に大きく美術科の教科目標を掲示することにしました。
目標を決めるに当たっては、教科の観点別評価の4観点を踏まえたものにしようと考えました。

☆関心・意欲・態度・・・「よくみる眼」
 これは、授業前に描画力の向上をめざしてクロッキーに取り組ませていますが、そのクロッキーを描くときにもよく言っていることです。しっかり観察する気持ちでみて、構造を考えながら描くことが、もののかたちを正確に描写する基本になると思います。
よくみようとする姿勢があれば、それは美術への関心を強める態度を醸成すると思います。また、そのことが作品の制作にも意欲的に取り組むことに繋がっていくのではないかと考えました。

 ☆発想・構想の能力・・・「考える頭」
  これは、発想・構想を豊かにするためには、しっかりと考えなければならないと思うからです。考えるのは頭です。考えようとする姿勢と、頭を働かせてさまざまなアイディアを浮かべ、練ろうとする意欲があれば、よいよい構想が考えられると思います。
しっかり考えるということを意識してもらうために「頭」という身体の部位を挙げました。

 ☆創造的な技能・・・「創りだす手」
  思い浮かんだことを形にするのに使う身体の部位は「手」が基本だと思います。そこで、「手」を意識し、巧みに使うにはどうしたらよいのかも絶えず考えながら動かして欲しいと考えました。年間35時間しかない美術の時間の中でどれだけ技術的なことを身につけさせることができるのかが不安になる教科の現状ですが、意識させる中で向上を図りたいと考えています。

 ☆鑑賞の能力・・・「感じる心」
  鑑賞に限らず「感じる心」は大切です。しかし、鑑賞するときにこそしっかりと発揮して欲しいと思ったのでこれにしました。すべて身体の部位を盛り込もうと考えたので、締めくくりは「心」かな?とも思いました。

 そして、美術科の目標とはせず「求める姿勢」としました。美術室に掲示するので、美術科の目標であることは生徒にも言わなくてもわかると思ったので、このような姿勢で美術科の学習に臨んで欲しいという願望を示すことにしました。

 新入生には発達障害を抱えた生徒もいます。聴覚情報より視覚情報が有効であると研修で聞いたので、掲示物や板書に留意し、整った掲示や板書を心がけるためにも、教室正面の整頓に配慮しました。1年生の授業は来週からですが、年間45時間の授業が実り多いものになるように1時間1時間を大切に行っていきたいと考えます。

 さて、入学式を終えた今週の授業は3年生のみとなりました。3年生の最初の授業は「対話型鑑賞」を行いました。その実践については次のブログでUPしたいと思います。なかなか深い読み取りができるようになったと感じています。お楽しみに。
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