カラカラ帝の実践から
3年生の対話型鑑賞の実践レポートをUPすると予告しながら、UPできずにいました。文字おこしをして、様子をつかめてから報告しようと思っていたけれど、録音を聴くこともできずに日々が過ぎて行っています。このままGWに突入してはまずいと思い、生徒のワークシートを読みながら、記憶にあることを綴ってみようと思います。
今回の実践も、情報を機に応じて与えるというやり方で進めました。作品は「カラカラ帝」です。この作品はもちろん実物は彫刻です。その作品を正面からモノクロで捉えた画像を使用しました。今年の3年生はこの対話型鑑賞を1年生の時から回数を重ねてきているので、みせられている作品画像が彫刻であることに結構早くに気づく生徒がいます。
石膏でできた彫刻作品という発言があったので、石膏ではなくて大理石で作られている彫刻作品であるという情報を与えました。
また、作られた時代も、像の様子から、ギリシャ・ローマの時代ではないかという意見が出たので、ローマ時代であることも伝えました。石像がローマ時代に作られたものであるという事実がわかると、3年生ですから、一般常識を駆使してその像についての見解を導き出そうとします。像が造られて残っているくらいだから、有名な人物である。とか、権力を持っていた人であるとか、王様である。といった意見が多く出ます。そうすると目線が上向きであることについて、にらんでいるという意見が、国の将来を思案しているのではないかといった意見に変化していきます。また、どのくらいの年齢かという問いかけには、王になるくらいだから、歳なのではないか?しかし、法令線やしわの深さから、あまり歳には見えないなどという矛盾が生じ、若干の戸惑いの空気が流れます。そこで、その頃のカラカラ帝の年齢を告げると、一同に驚きの声が上がります。そして、さらに、作品に現われていることを読み取ろうとする姿勢が生まれました。
京都造形芸術大学の対話型鑑賞の指導者である福のり子教授は、VTSでは情報は与えないというスタンスで実践を行っているが、時として情報を与えた方が作品に対する読み取りが深まるとおっしゃっていますが、まさにその通りだと、実践を通じて実感します。今回のカラカラ帝の生徒のワークシートもかなり深いところまで読み取れていると記述を読んで思いました。
授業で鑑賞活動を行うのだからねらいに迫る必要があると言われますが、適宜情報を提供しながら進めれば、作品の内包する価値に迫っていけるのではないかと感じました。今後は、同じ作品を情報を提示する方法で進めていったときとそうでないときの比較を通して、情報提示の意味について考えながら実践を進めていきたいと思います。
3年生の対話型鑑賞の実践レポートをUPすると予告しながら、UPできずにいました。文字おこしをして、様子をつかめてから報告しようと思っていたけれど、録音を聴くこともできずに日々が過ぎて行っています。このままGWに突入してはまずいと思い、生徒のワークシートを読みながら、記憶にあることを綴ってみようと思います。
今回の実践も、情報を機に応じて与えるというやり方で進めました。作品は「カラカラ帝」です。この作品はもちろん実物は彫刻です。その作品を正面からモノクロで捉えた画像を使用しました。今年の3年生はこの対話型鑑賞を1年生の時から回数を重ねてきているので、みせられている作品画像が彫刻であることに結構早くに気づく生徒がいます。
石膏でできた彫刻作品という発言があったので、石膏ではなくて大理石で作られている彫刻作品であるという情報を与えました。
また、作られた時代も、像の様子から、ギリシャ・ローマの時代ではないかという意見が出たので、ローマ時代であることも伝えました。石像がローマ時代に作られたものであるという事実がわかると、3年生ですから、一般常識を駆使してその像についての見解を導き出そうとします。像が造られて残っているくらいだから、有名な人物である。とか、権力を持っていた人であるとか、王様である。といった意見が多く出ます。そうすると目線が上向きであることについて、にらんでいるという意見が、国の将来を思案しているのではないかといった意見に変化していきます。また、どのくらいの年齢かという問いかけには、王になるくらいだから、歳なのではないか?しかし、法令線やしわの深さから、あまり歳には見えないなどという矛盾が生じ、若干の戸惑いの空気が流れます。そこで、その頃のカラカラ帝の年齢を告げると、一同に驚きの声が上がります。そして、さらに、作品に現われていることを読み取ろうとする姿勢が生まれました。
京都造形芸術大学の対話型鑑賞の指導者である福のり子教授は、VTSでは情報は与えないというスタンスで実践を行っているが、時として情報を与えた方が作品に対する読み取りが深まるとおっしゃっていますが、まさにその通りだと、実践を通じて実感します。今回のカラカラ帝の生徒のワークシートもかなり深いところまで読み取れていると記述を読んで思いました。
授業で鑑賞活動を行うのだからねらいに迫る必要があると言われますが、適宜情報を提供しながら進めれば、作品の内包する価値に迫っていけるのではないかと感じました。今後は、同じ作品を情報を提示する方法で進めていったときとそうでないときの比較を通して、情報提示の意味について考えながら実践を進めていきたいと思います。