ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

石見美術館で2回目の「みるみると見てみる」を開催しました

2014-03-04 20:38:27 | 対話型鑑賞
石見美術館で2回目の「みるみると見てみる」を開催しました


3月2日に石見美術館での「みるみると見てみる」の2回目を行いました。ナビゲーターは小川さんでした。レポートが小川さんから近々届くと思いますので、当日の様子を簡単に報告します。

この日は浜田第一中学校美術部と浜田第三中学校美術部の生徒も来館しており、同校の美術部顧問でみるみるの会員の正田さんと上坂さんが中学生対象の対話型鑑賞についてはナビゲーターを務めました。画像に中学生の活動の様子が写っているのはそのためです。
一般の参加者は男性ばかりで10名ほど、前回から引き続いての参加の方々もおられて、語る気満々な空気が漲っていました。中学生で美術部の子どもさんと一緒に浜田の活動に参加して興味を持たれたお父さんも参加しておられたので、みんなこの活動をよく知っている方たちばかりの会となりました。

 作品は「多賀朝湖流される」というタイトルの2双屏風です。中央に立看板が描かれており、よく見ると「流罪」の文字が見えるので、「流罪になった人を見送る場面かな?」という想像のできる作品です。
みることから始まるこの活動の趣旨をよく理解している方たちばかりなのでたくさん手が挙がり、ナビは次々に語られることを受け止めていくだけでも手一杯な感じでした。
 最初に立看板の文字に「流罪」があることが語られたために、何のために描かれた作品なのかという謎解きから始まりました。その謎を自分なりに解き明かすために絵に描かれているものをみるような方向にちょっと進みすぎたかな?という気がしました。そして、見つけたことを誰もが言いたくて、指名を待たずに発言するような場面もありました。
 ここでナビゲートをする上での注意事項が改めて重要であることに気付かされます。
☆いくら回数を積んだ方々の参加でも「静かにみる」「手を挙げて指名されて話す」「人が話しているときは聴く」というルールを毎回確認することを怠ってはいけないこと。
☆一人がどんどん話しすぎてしまうときは、他の方に発言の機会を与えるような促しをする。
☆内輪での話し合いになることのないように、全員が発言者の意見を聞くよう促す。
今回の作品は2双屏風で横に長く、参加者が広がってみていたために、発言が聞き取りにくかったことや作品がガラスケースの中に入っていたのでポインティングしにくかったことも会話をコントロールしにくかった要因ではないかと考えられました。また、中学生の活動と重なったので、狭い会場で同時に3つの対話型鑑賞が実践されていたことも影響を受けたのではないかという指摘もありました。
 しかし参加者は皆さん満足されていて、アンケートの結果も概ね好評でした。話したいことが話せたという満足感が溢れていたようです。ただ、満足していただければそれでよかったのか?というところで、ナビゲーターは「もっとできたことはないのか?」を問い、ナビゲートのスキルアップに努める必要があるのではないかと話し合いました。

 以上の振り返りを踏まえて次回(16日)の会がさらに充実したものになるように取り組みたいと思います。次回のナビゲーターは房野さんです。
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