品川区にも区民農園がある。練馬区や世田谷区は、昔ながらの農家が残っており、そこに区民農園があるが、品川区の場合は、国道沿いの小さな公園に無理やり土を入れて、猫の額ほどの区民農園を30区画ほど設けている。
しかし、安心安全な食を求めるからか、農のある暮らしへのあこがれからか、かなり倍率は高いようで、自分も応募したことはあるが、当った試しがない。
今年はハナから諦めて応募しなかったが、近所の友人が当選(それも「繰り上げ当選」らしいが)したので、先日その畑のお手伝いに行った。
寒冷紗(虫よけ・日よけ・保温を兼ねたネット)をめくると、種をまいて3週間ほどたった畑は、小松菜、大根、水菜などが元気よく顔を出していて、狭い空間ながらも緑色の生命力を感じる。
この区民農園、5㎡ほどの大きさで、使用料が年間3万円くらいするので、冷静に考えると、素人がやっても、狭い場所でそんなにたくさん収穫できるわけではないし、種を買って、蒔いて、耕して、収穫して、泥を落として・・・という作業の手間を考えると、同じ野菜を食べるなら「買った方が安い」ことは容易に想像できる。
しかし、敢えて、都会の真ん中で、自分で野菜を育てる、植物の生命力を間近に感じる、というところに意味があるのだと思う。
実際に土と緑の臭いを嗅いで、その感覚を思い出した。