このことに合わせて僕も昨年末より新作の絵画作品として妖怪「アマビエ」を描いた。アマビエは、1846年(弘化3年4月)に現在の熊本県にあたる肥後の国の海上に出現したとされる日本の疫病封じの妖怪である。
「え、今頃!?」と言われるアート関係者も多いと思うが、そう今頃。このタイミングなのである。一昨年、2020年夏季半期頃からギャラリー企画で「○○アマビエ展」と称した展覧会がいったいどれくらい開催されたか分からない。本来、こうしたモチーフ、作風には縁のないアーティストの人たちまで描かされていた…。
僕は普段から「神話・伝説」をテーマとした幻想的な作風の絵画作品を描いているので、いつか描こうとは思っていたのだが、あまりSNS上やギャラリーで数多く目にしたので気後れしてしまっていた。それから流行に便乗するのは昔から好きではないのである。
昨年、秋に参加した銀座の画廊での企画展に、こちらも「疫病退散」の幻鳥として知られている「ヨゲンノトリ」を出品したところ自分でも予想外の反響・共感をいただいた。ちょうどこの鳥を描いていた夏の頃はコロナの感染者が増えている最中だったが、完成してグループ展に出品した時には東京でも感染者が一桁台まで下がっていた。
まぁ、偶然と言えばそれまでだが、今回は意識して「弦を担いだ」という訳である。
世界中の誰だってもうこんな自由を奪われた生活はうんざりなのである。毎日、アマビエ作品を描く前に手を合わせ「どうか、一日も早くコロナ禍が収束へと向かい世界中の人々に自由な生活が戻ってきますように!」と、呟いてから絵筆を握る毎日だった。
今更アマビエ、されどアマビエ。
オミクロン退散!!
新型コロナ・ウィルス収束祈念!!