当ブログも記念すべき100回目を迎えた。その100回目はやはり野鳥の話題。このところ仕事の関係でブログの更新が遅れている。ネタはそろっているのだが話題が少し前のことになってしまう。と、言うことで今回も先月の末の話。
地元、鳥仲間のS氏より連絡をいただいた。「今年も例の場所でアオバズクの雛が無事に巣立ったよ。」 さっそくカメラ片手に散歩がてら近くの場所に見に行って来た。『アオバズク』というのはフクロウ科のハトよりも少し小さい渡り鳥である。夏鳥で、ちょうど木々の青葉が繁る季節に東南アジアや中国東部から日本に渡って来るので、この名がつけられた。人里近くの平野部や低山の林で繁殖し、渡って来たばかりの頃は夕刻からホッホーッ、ホッホーッと繰り返しよく通る声で鳴いている。一般的にはこれをフクロウの声と思っている人が多いが、フクロウ科の『フクロウ』はホホッ、ゴロスク、ホホッともう少し野太い声で鳴き、途中にこのゴロスクが入るので区別することができる。大木のウロ(空洞)などで繁殖するので、街中の公園や神社などでもウロのある大木があれば観察することがある。主な餌は小さなネズミやヒミズなどの哺乳類や昆虫で、夜間巣の近くの街灯で明かりにやってくるガやカブトムシなどを狙って飛び回る姿を観察することもある。
この日、大木の下の小さな空き地にはギャラリー(野鳥観察者)が60人ほど詰めかけていた。携帯電話とインターネットの普及であっという間に情報が広がってしまう。人の数の多さにまず驚いた。雛は3羽が巣立ったようである。僕は2羽しか見つけることができなかった。雛のうち1羽は木の下の草むらに落ちていた。誰かが助けてここに移動したようだ。雛から少し離れた高い横枝に親鳥が2羽、心配そうに見守っていたのが印象的だった。近年、アオバズクやサンコウチョウ、ヒクイナなど平野部で繁殖する夏鳥の日本への渡来数が激減している。いつまでも、こうした野鳥が渡って来れるような環境が残されていってほしい。一フクロウファンの僕としても切に願う毎日である。画像はトップが巣立ちの時、地面に落ちてしまった幼鳥。下が渡って来た頃の成鳥と繁殖した巨木。