長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

167. 長島充 版画展 『日本の野鳥-The Birds of Japan-』 in 本郷 

2014-11-29 20:33:15 | 個展・グループ展

12月の版画個展のご案内です。

・展覧会名/ 長島充 版画展 『日本の野鳥-The Birds of Japan-』 in 本郷

・日程/ 2014年 12月4日(木)~12月13日(土) 12:00~20:00 (7日休廊、6日は18:00まで、13日は17:00まで)

・作家在廊日/ 12/4(木)、6(土)、8(月)、10(水)、11(木)、13(土)の14時過ぎより会場におります(但し10日は18時~)。

・内容/ バーダー(野鳥観察者)で版画家の作者がライフワークとして制作を続けている日本に生息する野鳥をテーマとした版画作品『日本の野鳥シリーズ』の新作・近作の展示。板目木版画、木口木版画、銅版画などさまざまな技法による版画作品約20点。

・場所/ ギャラリー愚怜 東京都文京区本郷5-28-1 地下鉄丸ノ内線、大江戸線、本郷三丁目下車徒歩5分。 Tel 03-5800-0806 http://gallerygray.aikotoba.jp 

・掲載誌/ 『野鳥』誌 12月号、『BIRDER』誌 12月号のインフォメーションページ、読売新聞12/2(火)夕刊 シティライフ展覧会案内(掲載予定)に作品画像と共に紹介されています。

道路を隔てて東大赤門斜め前にある、茶室のような落ち着いた雰囲気の画廊です。野鳥ファン、版画ファンのみなさん、この機会にぜひご来場ください。お待ちしております。トップ画像は今回のDM裏表。下は自分で制作した宣伝用のチラシ。

 

     

 


166.世界一美しい野鳥、ケツァールを描く。

2014-11-14 21:12:31 | 絵画・素描

今月、前半は中南米の神話に登場する鳥、ケツァールの水彩画を制作した。

ケツァールはメキシコ南部からパナマにかけての山岳地帯に生息しているキヌバネドリ科の鳥類で、その名の由来は古代アステカのナワトル語で『大きく輝いた尾羽』という意味を持つ。その名のように♂は長い飾り羽を持ち、これを含めると全長は90~120㎝にもなる。頭から背にかけて光沢のあるエメラルドグリーンで、、腹部がルビーのような深紅である。この派手な色彩から『世界一美しい鳥』の異名を持つ。現在、グァテマラの国鳥に指定されていて国旗の中央にも描かれている。日本では手塚治虫の漫画「火の鳥(不死鳥)」の主人公である伝説の鳥のモデルとなったことでも知られている。近年、我が国のバードウオッチャーが海外ツアーを組んでコスタリカの森林までこの鳥を見に出かける。それほど美しい姿なのである。

神話・伝説の世界では古代マヤ、アステカ・インディアンはケツァールを「大気の神」として崇拝し、その飾り羽は高貴な人しか身につけることができず、王族や聖職者が神聖な儀式の際にその羽毛を身に着けていたという。また自由を奪われると死ぬという伝説のために自由の象徴ともなってきた。1524年スペイン軍と闘って破れ、火あぶりにされたグァテマラの勇士テクン・ウマンの胸が血に染まった時、一羽のケツァールがその胸をかすめて飛び去り、それ以来ケツァールの胸が赤くなったという言い伝えもある。

神話・伝説とは裏腹にその美しさ故に、欲深く心無い人間の密猟の対象とされてきた長い歴史もある。現在では生息地に保護区がもうけられ法的に国際保護鳥として守られているが、現在深刻なのはこの鳥の生息地となる熱帯林の減少、環境破壊であるという。

ネット検索で動画などを見てみると、その長く美しい尾羽をヒラヒラとたなびかせて飛翔する姿は理屈抜きで素晴らしい。古代の人々が神の化身として崇めていたことがうなずけるのである。「ケツァールよ、高く深い密林の上をいつまでもその高貴な姿で飛翔し続けてほしい」そんな願いを込めて絵筆をとった。画像はトップが制作中の水彩画(部分)、下が向って左から19世紀のイギリスの鳥類学者ジョン・グールドの原画をもとに制作された石版画(部分)、古代南米の石板レリーフ(部分)、今回の制作で仕上げに使用したアクリル絵の具。

 

      

 

 

 

 


165. 『吾輩も猫である』

2014-11-03 09:49:37 | 日記・日常

吾輩も猫である。名前はタマオと呼ばれている。♂で年齢は12歳ぐらいと言われている。人間様で言えば50代半ばというところだろうか。♂盛りである。純和製で体色はクロトラである。自分でいうのもなんだが、近所の♀にはこれでけっこうモテるのである。

今のご主人の家に拾われてきてから早いもので9年経った。この家の三番目の御嬢さんが、まだ幼かった時に近所の公園で昼寝をしていた吾輩を強引に拾ってきてくれたのである。この時、家族の評価はまずまずで審査にパスし、そのまんま居ついているのである。得意なことは、どこでも寝られることと、野鳥を捕ることである。今までにスズメ、メジロ、珍しいところでは冬鳥のジョウビタキといろいろ捕った。野鳥以外にもカナヘビ、カヤネズミとなんでもござれである。別に食べるわけではないので、捕って来ては自慢するためにリビングに置いておく。ただし、野鳥だけは特別不評である。なぜかというと、ここのご主人夫妻は『日本野鳥の会会員』とやらで、置いておいた戦利品を涙して見ているのである。世話になっているご主人夫妻を悲しませたくないのと、餌の量に影響するので今後、これだけは控えなければならない。

ご主人はエカキという職業らしく、家にいて仕事をしていることが多い。ただしカルチャーいうところに教えに行く日は外出する。ある年の夏のことだが、肩を落として帰ってきたことがあった。なんでもカルチャーというところのセイトさんという人たちに吾輩がモデルとなった絵をもっていって見せたところ、その中の一人から「なんか、ノラネコみたいな猫ですなぁ」と言われたらしい。さらに話に耳を傾けていると、その人は「アメショ」という綺麗な模様の猫を飼っているのだそうだ。聴いたことがない種類である。吾輩に言わせれば、クロトラはチャトラやミケよりも原種に近くヤマネコっぽいかっこ良さがあると思うのだが…。

まあ、いろいろ日常のできごとを話せばきりがないのだが、取りあえず朝起きて真っ赤な口をあけ「ニャー、ニャー」と猫をかぶって繰り返し鳴けば、几帳面なご主人がドライフーズと水を欠かさず与えてくれるので、不自由はなく暮らしている毎日だ。おっと、奥様が買い物から帰ってきた。このブログの続きはまた夫妻が留守の時にでも更新するとしよう。