今月、20日からプロ野球の『日本生命セ・パ交流戦』が開幕した。これから約1か月間、12球団が熱戦を繰り広げていくのだが、普段リーグ戦では対戦することがないチームやなかなかお目にかかれないスター選手との対戦が見れるのでプロ野球ファンとしては毎年、楽しみな期間となっている。
僕が応援している地元パリーグの『千葉ロッテマリーンズ』は,リーグ戦開幕前の関係者筋のゲバ評では「2位以上」という予想が出ていたのだが、初戦からいきなり出端4連敗をくらい、厳しいゲームが続いていた。ここまでの対戦成績は17勝19敗1引き分け、パリーグ4位。ファンとしては期待を膨らませていただけに「あれあれあれ…!?」というところである。まぁ、勝って、負けて、また勝ってを繰り返すのが勝負の世界。ここは監督や選手だけではなく、ファンも辛抱しなければならない。
という流れの中、20日のQVCマリンスタジアムで開催された交流戦初戦の対ヤクルト戦に参加してきた。先発投手はロッテが今期からFAで西武から移籍してきた沢村賞受賞の大物投手、涌井秀章。ヤクルトが打たせて取る右腕、古野正人。打線の方はロッテはここまで中軸に快音が聞かれず、あまり調子が良くない。対するヤクルトは3割打者がゾロゾロとならびセリーグで6連勝中と好調。昨年の交流戦での対戦成績は1勝3敗とこれもロッテが分が悪い。つまり、ヤクルトはロッテというチームを得意としているというわけだ。家を出る時から、いやな予感がする。
予想は外れて、両チームの打線が火を吹いた。取っては取り返し、また取るという打ち合い。9回裏まで来て5-6と1点差。「このまま逃げ切られて負けるのかぁ…」 ロッテの攻撃、さらに2人の打者が倒れ、3人目はベテランスラッガーの井口資仁。今夜は大入り、球場中のロッテファンの視線が井口のバットに集中する場面。さらに2ストライクと追い込まれる。ところがここで目を覚ますような同点のホームランが出たっ!!ベテランの意地の一発である。 6-6とゲームはまた振出。試合は延長戦に突入する。「長い試合になったなぁ」家に帰宅が遅くなるメールを打つ。10回表はロッテの救援投手がヤクルト打線をなんとか0点で抑える。裏の攻撃、さらにさらに期待がかかる回。ランナーが2人出たところで不調の打線の中で元気な若手の外野手、加藤翔平の登場。球場内は「翔平!翔平!」の大声援となった。ファンの誰もが期待している場面。甘く入った高めの球を赤いバットがきれいに捉えた。カーンッ!ヤクルトファンでいっぱいのレフトの応援席に打球は真っ直ぐに吸い込まれて行った。「やったーっ、見事な3ランホーマー!!!」 9-6でロッテが交流戦初戦に劇的な勝利をした。球場中のロッテファンはお祭り騒ぎとなった。僕も周囲の人たちとハイタッチの嵐、手のひらが真っ赤になっていた。
こんなにいい試合はそう見られるものではない。球場に通い出してからのベスト3に入る好試合だった。千葉ロッテマリーンズ、この勢いに乗り交流戦を制覇してください。1ファンとして陰ながら応援しています。画像はトップがバックネット裏のこの日のスコアボード。下が左からこの日のロッテ先発、涌井秀章、ベテラン内野手の井口資仁と球場風景。