長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

451. 2022年・美術学校のリモート授業が始まった。   

2022-05-31 20:01:43 | カルチャー・学校
今年も4/20より東京の美術専門学校、A美術学院で担当しているリモート授業が始まっている。実は今年こそ対面によるリアルでの授業が再開できると思っていたのだが…長引くコロナ禍の影響下での3年目のリモート授業と言うことになってしまった。

担当する実技実習は例年通り前半期は1年生の描写表現を重視した『変容・Metamorphosis』というテーマの実習である。「変容」とは西洋の15世紀マニエリスムの頃から美術の中で延々と繰り返されてきた表現である。
その現代的な応用はアニメやゲームの世界にも多くを見出すことが出来る。今日のアーティストやデザイナーを目指す若い学生たちにも違和感なくダイレクトに理解することができるテーマだと思っている。

テキストとしては、例年通り、15世紀マニエリスムの画家で今日では「変容」表現の代名詞ともなっている、ジョゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo 1527-1593)の絵画作品の画集からの画像を用い変容表現の参考としている。
実際の内容としては人間と動物、人間と植物、動物や鳥類、魚類、昆虫類、植物等自然物を資料を基にいくつか選択し、置き換えたり、組み合わせたりしながら「変容された新たな生物」を創造し、描写していくのである。

リモート授業は最初の年は混乱し、不安になったものだが、さすがに3年目に入ったことで学校側、指導する僕ら講師側の方は大分慣れて来た。 ただ、毎年新入生をノーパソの画面上で見て来て「こんな時期に学生生活が始まって、本当にたいへんだなぁ…」と思うのである。
毎年、この状況下の授業で学生たちに伝える言葉がある。 それは「このコロナ禍をネガティヴに捉えない、自分たちだけが苦境にいるわけではなく世界中がこの状況下にある。そしてこの特別な体験の中でしかできないことをポジティヴに考えて行こう」ということである。

パソコンの画面上だが明るく元気な若いアーティスト志望、デザイナー志望の学生たちの笑顔にはこちらが救われ、元気づけられている。これから7月迄、どんな変容表現による力作の絵画作品が生み出されて行くのか、今からワクワクと楽しみにしている。


               

449. 母校の美術学校の卒業制作展を観に行った。

2022-03-31 22:20:20 | カルチャー・学校
今月は季節の変わり目、年度の変わり目ということでバタバタとすることが多く、このブログの更新がとても遅くなってしまった。まぁ、毎年の事だけど…。
3月は全国区で卒業のシーズン。今月7日から開催されていた母校である創形美術学校の今年度の卒業制作展を観に行って来た。

母校は東京、池袋にある1969年創立の3年制の美術学校で、僕が学生だった1980年代半ばは東京の国立市にあり、その当時は絵画造形科と版画科の2つの科で、僕はその版画家に学んだ。 現在はファインアート科とビジュアルデザイン科の2科で、さらにその中で細かく専攻が分かれている。3年以上学びたい場合はそのうえに1年制の研究科がある。
現在、僕はこの美術学校に非常勤講師としてファインアート科・版画専攻の学生たちを対象として2つ(来年度より3つ)の版画技法の実習を担当している。

「卒展」を観に行くことにはいくつかの目的がある。

〇1つ目は実習の講師として現代の学生のテーマやスタイル等、作品傾向を把握しておきたいということ。

〇2つ目は卒業制作というものは3年間の制作活動の集積であり、短期間で特別な創作エネルギーが凝縮するものなので、その充実した完成度の高い内容と仕上がりを観ておきたいと言うことである。

〇3つ目は理屈抜きにアーティストやデザイナー志望の若い情熱的なパワー溢れる作品に触れ、こちらが刺激を受けたいということである。

昨年度に引き続き観に来たのだが、最上階の教室から順番に回って行って、まだまだ粗削りではあるが熱量を持った力作の数々にいつの間にかこちらも体の内側から熱くなって来て、最後の教室にたどり着いた時にはもう満腹状態となっていた。そして一瞬ではあるが、自分が学生だった頃に脳内がフィードバックしていた。
帰りがけに教官室に立ち寄りお茶をもらって、専任の講師の先生たちと様々な話をした後、何とも満たされた心地よい気分で帰路に着いたのだった。


                










431.●コロナ禍の中、美術学校のリモート授業が始まった。

2021-05-31 22:51:49 | カルチャー・学校
今年も先月後半より、東京の美術専門学校のA美術学院で講師として担当しているリモート授業がスタートした。昨年から続くコロナ禍の円強となって2年目の授業である。

担当するのは今春より入学した1年生の『描写表現実習』という科目の中の「変容・Metamorphoshis」というテーマによる実習である。「変容」とは西洋の15世紀、マニエリスムの頃から美術史の中で現代にいたるまで延々と続けられてきたきた表現方法なのである。その応用は現代のアニメーションやゲームの世界にも見出すことができる。坤為地のアートやデザインを専攻する美術学校の若い学生たちにもダイレクトに理解することができるテーマだとも思っている。

初日のガイダンスでテキストとして紹介したのは15世紀マニエリスム絵画の画家で坤為地では「変容」表現の代名詞的存在ともなっているジョゼッペ・アルチンボルド・GIUSEPPE ARCIMBOLDO(1527-1593)の絵画作品の画集からの画像を参考として用いている。他にシュール・レアリズムの画家、ルネ・マグリットや日本の浮世絵師、歌川国芳から現代の美術家までの「変容」表現を紹介している。

リモート授業の方はと言うとコロナ禍の中で2年目となり、教える側である講師や助手は大分慣れて来たと思うのだが、学生たちは大変だろうと思う。高校を卒業して20歳前後の子たちが多いのだが、美術学校に夢を抱いて入学してきて、1番楽しみにしていたのは同じような目標を持つ仲間との出会いであろう。そしてこの時期に出会い交友を深めた友人と言うのは、その後の人生の中でも大切な存在となっていくはずである。それが、このコロナで思うように会ったり話したりすることもできないのである。

1年生はクラス平均が27-28人で全6クラスの構成である。まだ専攻を決めていないのでリアルではアトリエに大勢が集まらなければならない。つまり今問題となっている「密」になってしまうのである。なのでリモート授業のパソコン内でのコミュニケーションとなるのである。ただ、パソコンを通してだが、彼らが想像していたよりも元気で笑顔も多いことにこちらも救われているのだ。1クラスの授業が終了する直前にいつも伝える言葉がある。それは…。

・「このコロナ禍というものをネガティヴに捉えない」

・「自分たちだけが苦境に立たされているのではなく世界中がこの状況下にある」

・「この特別な体験の中でしかできないことを各自がポジティヴに考えていこう」

と、いうことを最後の結びの言葉にしている。

※画像はトップがリモート授業の様子。下が向かって左からリモート授業のようす3カット、テキストであるアルチンボルドの画集1カット、必ずリモート授業の邪魔をしてくる愛猫のチミヨ2カット。


                  






427.母校の美術学校の卒業・修了制作展を観る。

2021-03-09 18:05:28 | カルチャー・学校
昨日、コロナ禍で緊急事態宣言が発出されている東京に母校である美術学校の『2020年度 創形美術学校 卒業卒業・修了制作展』を観に行くために出かけた。

正午過ぎから千葉の工房を出発、久々の東京なので途中、買い物などを済ませながら母校のある東京池袋に到着したのは午後14:00過ぎだった。2階の受付カウンターに行くと「先生、観に来てくださったのですね!」と声をかけてくれたのは、この学校で担当している僕の銅版画の実習を受講したことがある中国からの留学生の女子だった。マスク越しに嬉しそうな表情が想像できる。少し話をしてサインを済ませると展覧会の図録を渡してくれた。「どうぞ、9階のフロアから観て降りて行ってください」。流暢な日本語でエスコートしてくれた。

指示に従いエレベーターで9階まで移動、縦に細長い校舎の展覧会会場を上から順番に観て行く。この美術学校は専門学校で本科が3年生、研究科が1年生となっていて、大きく分けてファイン・アート科(絵画・版画専攻)とビジュアル・デザイン科(イラストレーション・絵本・グラフィックデザイン・アニメーション&コミック専攻)とに専門が分かれている。
この日は雨天で午後遅い時間帯ということもあり会場に来場者は少なかった。最初の9階のフロアでまた女子学生に声をかけられた。今年卒業したが、コロナの影響でまだ就職が決まっていないと言っていた。母親と一緒に展覧会を観に来ていた。お母さんも心配そうである。

9階から5階ぐらいまでだったろうか?順番に学生たちが1年間、情熱を向けて制作した作品の数々を観て行った。大作、力作が多く、作品からは若いエネルギーをビンビンと感じ取ることができる。自分が実習を担当している版画作品も丁寧に観ていく。時間をかけて歩き回ったせいか心地よい疲れが出る。空いている会場で休憩用の椅子に座ってボ~ッと壁面の絵画を眺めていた時、37年前の3月の頃がおぼろげながら思い出されてきた。そお、自分の卒業制作展である。あの頃はがむしゃらに銅版画を制作していた。作品提出のギリギリまで無我夢中で銅板を削ったり引っかいたり、印刷用のインクで真っ黒にまみれてただひたすら、がむしゃらに制作した。当時、校外展は銀座の広いギャラリーを借りて開催されていて、自分と同級生の無事に額装され展示された作品が並んだ時には無性に嬉しかったことを思い出した。あれから随分時間が経ってしまったが、何か大切なことを忘れて来たような気持ちにもなった。年齢のせいなのかなぁ…。

けっこう丁寧に観て歩いたのでいつの間にか学校の終了時間となっていた。この後、もう一つ絵画実習の指導に行っているA美術学院でお世話になっている助手のK君が阿佐ヶ谷のギャラリーでちょうど個展を開いているので、そちらに移動した。場所はJR。阿佐ヶ谷駅の高架下にできたオシャレな商店街の中。閉廊近くに滑り込む。
たまたま本人もいて作品を前に話をすることができた。抽象的な絵画作品だが基底材にキャンバスの他、ビニールやアクリル板等に絵具で描かれている。そう言えば先ほど観てきた母校の絵画専攻の卒業制作作品にも同じような材質に描かれた抽象作品が何点か観られた。今の若い世代の共通な感覚なのだろうか?このことをK君に問いかけると「そーですか?特別意識はしていませんけど」という答えが返ってきた。同時代的な素材への感性であり同時発生的に無意識のうちに選んでいるのかも知れないと思った。

卒業制作と卒業したばかりの若いアーティストの作品に一日中触れたことで何とも形容することができない充実感が体中に蓄積された。小雨が降る中、体の中は少しほてりながら帰路に着いたのだった。


                            






424. 美術学校で生物細密画の実習を指導する。

2021-01-15 17:31:44 | カルチャー・学校
今月13日、コロナ禍の中、東京の美術学校・A美術学院で担当している「生物細密画」の実習の指導に行って来た。このブログでも何度か投稿している実習である。折しも7日に政府より東京都に「緊急事態宣言」の再発出があったばかりである。授業は午後からなのだが、何しろ千葉県の田舎から出て行くために午前中より電車に乗り継いで向かった。この非常時、コロナ禍での生活も長くなり「緊急事態宣言」も二度目とあって時間差出勤が徹底されてきたせいか電車はとても空いている。僕自身も東京に出るのは先月の5日以来となる。

途中、新宿で下車し「蜜」にならないスタンドで早めの昼食を済ませ学校に着いたのは12時を少し回っていた。専任教官のK先生に挨拶し「どうもコロナのほうが大変な状況になってきましたねぇ…」と話すと「えぇ、いつ出てもおかしくない状況になりつつあります」との答えが返ってきた。教官室の入り口には新たに「デジタル検温器」が設置されていた。

この授業、今年度、始まったのは11月の4日なのだが、12月が学校の諸事情で実習ができずに年を越すこととなった。教室(アトリエ)も「密」をさけて3つの教室に5-6人が分かれて制作している。「生物細密画」なので生物を細部まで観察して描く実習なのだが、学生たちへのミッションとしては「とにかく目に見えるものは全て描ききる気持ちで制作するべし」ということと「普通の人物デッサンや石膏デッサンとは違うので多少バランス、調子が崩れてもいいので細部を観察し描くべし」ということを強調している。モチーフは片手で持ってジックリ観察し、描いてほしいのでいろいろな種類の貝殻を用意している。そして今年から学校に頼んで「低倍率(2,5倍)のハンド・ルーペ」を1人1本、購入し配ってもらった。このルーペと正確な比率を測って描くための「製図用ディバイダー」が鉛筆や筆以外で重要な道具となっている。

今回、このハンド・ルーペを与えたというのが大正解だったと思っている。肉眼だけでなくルーペでモチーフをとことん観察して描くという行為はとても集中力が必要となり、結果、学生たちは例年よりもかなり集中して描く時間が持てているのだ。実習が始まって1時間も経つと彼らは「描写三昧・びょうしゃざんまい」の境地に入っていく。アトリエはシ~ンと静まり返り、時間と空間が凍り付いているかのようにも感じてくる。うかつに声をかけられないような状態である。たぶん、脳内に良い物質が出ているんだろうなぁ。コロナなど吹き飛ばしてほしい。

実習の合間の休憩時間に屋上に上がってみた。良く晴れている。ここからは新宿副都心が東側の正面に一望できる。高層ビル群のちょうど中央に東京都庁のツインビルが見えた。「今頃は小池都知事を中心に都議会議員の方々や都職員の方々が新型コロナ対策について喧々諤々と意見交換をしている最中なのかも知れない…」と、想像を膨らませた。

この実習も大詰めに入った。来週は講評会となる。さてルーペ片手に集中して観察・描写した結果、どんな細密画の力作が並ぶのか、今から楽しみにしている。


                  




420. 母校の美術学校で『銅版画直刻法実習』を指導する。

2020-12-07 18:26:00 | カルチャー・学校
コロナ禍の中、今年もあっという間に師走となった。先月の21日から今月の5日まで、東京池袋にある母校の創形美術学校で『銅版画直刻法実習』の指導に通っていた。この実習は僕が2002年ぐらいから続けてきた実習なのだが途中学校側の事情により6年間ブランクがあり、昨年よりまた復活した授業である。昨年より専任教官となったS先生が再びロートルの僕を呼んでくれたのである。

銅版画は大きく分けて腐食法(間接法)と直刻法(直接法)とに分けられる。そもそも銅版画というのは「技法の版画」と呼ばれるように腐食、直刻、共に技法が百花繚乱の版画なのである。腐食法はエッチング技法に代表されるように薬品によって間接的に版を腐食して彫っていくのだが、それに対して直刻法というのは版をさまざまな工具を使用してダイレクトに傷をつけて彫って行くのが特徴となっている。直刻法の代表的な技法は、エングレーヴィング、ドライポイント、メゾチント等が挙げられる。フ~ッ…版画の説明というのは何度しても七面倒くさい。このブログを読んでいただいている方々の中で版画についてあまり感心のない人ならば、ここまで僕の解説を読んでも、おそらく「なんのこっちゃあ!?」というのが正直な感想だろう。

要は単純に言って銅の板を直接彫っていく技法なのである。僕は毎回、この短期間の集中実習で学生たちに必ず伝えるキーワードがいくつかある。1つ目は銅版画の直刻法というのは「傷を付ければ版になる」ということ。銅版画は木版画とは逆で凹版であるので、何らかの傷、凹みをつければそこにインクが引っ掛かり版として成立するということである。なので専門的で高価な直刻法の工具以外にも金づちと釘、粗目のサンドペーパー、ワイヤブラシ、カッター等でテストプレートに製版して見せる。2つ目は「指触感覚を大事にせよ」ということ。銅版画に直接いろんな工具、道具で傷を付けて行くとザラザラ、トゲトゲ、ボツボツ、といろんな手触りの肌合いとなる。これを指先で触った感覚を覚えて彫り具合を確かめることが大切なのである。3つ目は銅版画というよりは版画全般に言えることなのだが「彫り、摺りを繰り返すことを絵画で言う描くという行為と同じく考えること」これは最も強調し、実習の期間中、何度も繰り返し伝えている重要なミッションである。つまりこれらの行為を単に作業として考えるな!ということである。版画は英語的には「Blind Work」と言う。これは「どんな版種でも製版をしている時は目を瞑って絵を描いているのと同じことだ」という意味。インクや絵の具を版に付けて摺ってみなければ絵の進み具合が解らないという意味なのである。

実習の対象はファイン・アート科2年生の版画専攻者。今年の学生も昨年同様に中国からの留学生が多かった。日本の子たちも中国の子たちも熱心に制作に励み、いつものことだが実習半ば第1回目の試し摺りをとって絵が見えてきたあたりからとても集中して版に向かうようになる。ちょっと声をかけられないぐらい集中していて版画工房がシ~ン、と静まり返るほど。最終日の講評会には昨年同様、熱い力作の数々が並んだのでした。


                      




418. 母校の美術学校で銅版画実習を指導する。 

2020-10-17 17:16:42 | カルチャー・学校
今月の1日から10日の期間、東京池袋にある『創形美術学校』に銅版画実習の講師として指導に通っていた。

創形美術学校は僕の母校である。1985年に13期生として卒業したのだから35年前ということになる。いやはや、時の経つのは本当に早いものだなぁ…。当時この学校は西東京の国立市にあった。造形科(絵画)と版画科の2つの専門課程に分かれていて僕は版画科に3年間在籍し、物足りなくてさらに1年間、研究科というコースに在籍した。合計4年間、さまざまな版画の技術と表現についてミッチリと学んだので充実した時間を過ごすことができた。現在この学校は絵画造形と版画以外にもデザイン科が20年程前に新設され現代の美術表現の多様性に対応してきている。

今回の実習で担当するのは1年生。1年生のこの時期は学生たちもまだ専攻するコースが決まっていない。なので銅版画は初めてという学生もいる。専任のS先生とも事前に打ち合わせをして「とにかく版画制作を体験し楽しんでもらえる実習にしよう」ということで意見が一致していた。技法も銅版画は「技法の版種」と呼ばれるように目移りするほどさまざまなテクニックがあるのだが、最初からいろいろ詰め込むと混乱しそうなのでシンプルに腐食を用いた線猫による「ライン・エッチング技法」とした。そして共通課題として出題したのは「自然物」。動物、植物、鳥類、魚類、あるいはイメージの中の生き物等。広い意味で捉えてもらい、その質感、立体感を描写していくという内容。実習のタイトルは「銅版画・基礎 -自然物の描写- 」。

初日のガイダンスからスタートし、銅版への液体グランド撒き~下絵の版へのトレース~ニードル(鉄筆)による描画~腐食液による腐食~プレス機を使った試し刷り。ここまでが一つの基本的な工程となる。さらに描き進めるために液体グランドを再び撒いてからまた同じ工程を最初から刷りまで繰り返す。そして作品の密度を徐々に上げていくのである。毎回、現代の若いアーティスト志望の学生たちに、この錬金術的というのかある種の忍耐を必要とする技法はどうだろうか?と思うのだが昨年と同様にとても集中して制作をしていた。特にニードルでの描画の時間帯は教室がシ~ンと静まり返りニードルで線をカリカリ、ガリガリと引っ掻く音や点をコンコン、コツコツと打つ音が響き渡っていた。B5判サイズぐらいの比較的小さな版だが緻密に描写すれば我々版画家でも仕上がりまで2-3週間は最低かかるだろう。若いというのは凄いことだ。それを10日足らずで本刷りまで持って行ってしまった。いつもながらこのエネルギーには脱帽である。

最終日、講評会兼採点の日。教室にはたくさんのモノクロームの労作、力作がズラリと並んだ。本来こうした制作には点数等付けようがない。採点にはいつも悩まされる。結果、あまり差のない点数が並ぶこととなった。

短期間の実習の中、集中力を見せ力作を制作してくれた若い学生さんたちに、そして昨年より講師として招いてくださったS先生とサポートしてくれた助手さん、版画工房の担当者にこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

※画像はトップが学校内版画工房での刷りの実習風景。下が向かって左から学校内風景、版画工房風景、銅版画実習風景や道具、講評会後の教室風景等。


                    






410. 美術学校のリモート授業も終盤となる。

2020-07-20 16:43:12 | カルチャー・学校
なかなかコロナ禍が粘っこく続き、収束する様子が見えない昨今である。ニュースでは東京などの大都市圏で増加する感染者数が毎日発表される。

このコロナ禍の中、5月末から始まった非常勤講師を勤める東京のA美術学院のリモート授業も今月末で終盤を迎える。ここまでで5クラス110名以上の学生に指導してきた。これから行う最後の1クラスを含めると130名以上ということになる。始めた頃は学校も講師も学生も初めてのリモート体験だったので、果たしてキチンと授業になるかどうか、それぞれの立場で不安であったが、どうにかここまでたどり着いた。為せば成るものである。

僕がこの期間に心がけたのは、とにかく特別な状況、特別な場とせずに、リモートであってもリアルと同じ気持ちで学生に接し、同じ内容で授業を行うということだった。それはただでさえこの状況下で不安を抱える若者たちに少しでも安心できる時間を持ってほしかったからである。朝一番の挨拶から休憩時間、個別の呼びかけ等もリアルと同じように行い、ジョークもリアルと同じように意識的に取り入れた。そして何よりこの状況下に負けないように励まし、このことをネガティヴに捉えずにポジティヴに捕らえ、前を見て進んで行くようにということを強調した。作品の出来不出来などは二の次である。とにかく安まずにこの授業に参加してほしかった。

5クラス分を終了してみて、やはりどうしてもやりずらい点も出てきた。リアルでは普通にできるその時の機微、機微にアドバイスができないということ、学生同士が隣人の作品を観ることができず刺激が少ないということ、その結果、どうしても制作のペースが全体的に遅くなってしまったということだった。まぁ、仕方がないと言えば仕方がないが、さらにこの状況が続き、リモート授業が続くならば、課題として考えていかなければならない。大学の語学など学科のリモート授業と異なり実技制作が主体の美術学校では指導方法も言葉にできない微妙な内容があるのである。こちらとしてもかなり考えさせられることも多く勉強になった。

とりあえず、今年度前期の僕のリモート授業は今月で終了する。夏休みを挟みコロナ禍が収束へと向かい後期からの授業は学生たちの顔を見てリアルで行えるようにと祈っている。

※今回使用した画像は全て実際のリモート授業中のものではなく準備,調整中に撮影されたものとなっている。



      

407. カルチャー教室が今月から再開となった。

2020-06-07 17:05:15 | カルチャー・学校
今月に入り僕が講師を勤める地元のカルチャーセンターが再開することとなった。新型コロナウィルスの影響で長い期間、講座内容によっては休講となっていた。特に政府より『非常事態宣言』が発出されてからは全教室を休講に踏み切っていた。
まぁ、習い事というものも「三密」に反するわけなのであるから仕方がないことなのだが。

受け持ちの講座の1つである「色鉛筆画教室」は2/18以来なので4か月弱の休講、もう1つの「木版画教室」は4/3以来なので、まる2か月の休講ということになっていた。もちろんこんな事態は僕個人としても16年間続けてきて初めての経験だった。最も心配したのは長い間の「自粛」により生活パターンが変わることで、再び戻って来れない生徒さんたちが出るのではないということだった。特にカルチャー教室に習いに来る方々は年配の方が多いので気がかりだった。

先月25日に『非常事態宣言』が全面的に解除になると、すぐにカルチャーセンター事務所から連絡が入った。「6月1日より教室を全面的に再開しますのでよろしくお願いします」ということだった。講師の承諾の返事の後、センター事務所から受講生全員に連絡が回ることとなった。そして「色鉛筆画教室」が今月2日から、「木版画教室」が5日からそれぞれ再開された。

再開当日、僕の心配とは裏腹に多くの方々が教室に復帰し、今月は一先ず見合わせて、来月から復帰するという方々も含めると、ほぼ全員が揃うことになった。それから最も心配していた体調も崩されている方は居らず、まずは安心して再スタートの運びとなったのである。もちろん開講にあたってはマスクの着用や入室にあたり手の消毒をする、お互いにソーシャル・ディスタンスを守る、必要以上の会話を避ける等といった制約がある。

何より、長く継続されて通われている生徒さんたちの元気な顔と声を久々に確認できたことが嬉しかった。今後、夏から秋へと向かってコロナが収束していき以前と同じように安心して、教えたり教わったりができる日が来ることを願っている。



             

406. 美術学校のリモート授業が始まった。

2020-05-30 18:18:16 | カルチャー・学校
相変わらず工房での自粛生活が続いている。今年3月からの個展やグループ展、イベントなどが全て中止や延期となってしまったので制作の記事を中心としているこのブログにも投稿することがあまりなく月ごとの回数もめっきり減ってしまった。5月はこれが2回目の投稿となる。

そんな中、僕が非常勤講師としていくつかの実習を担当している東京のA美術学院がとうとう今月から「リモート授業に踏み切った」。A美術学院は東京でも3番目ぐらいに新型コロナウィルスの感染者数が多い地区に在るため、4月からの授業開始日を数回に亘って延期したりしてこの問題に対応してきたが、なかなか収束の見込みが立たず、そうこうしているうちに政府から『非常事態宣言』が発令されたりして常勤の先生方も会議を重ねる中で頭を悩まされてきた。
そんな中、多くの教育機関が取り入れ始めたデジタル機器による「リモート授業」を採用し、授業開始に踏み切ったのである。

今更だが「リモート授業」とは、例えば学校関係以外でもこのコロナウィルス発症から多くのジャンルでコミュニケーション・ツールとして取り入れられてきたのだが、具体的な例を挙げれば「Meet」などというツールを使用して音楽関係の「リモートライヴ・コンサート」、アート関係で言えば「リモート個展・グループ展」、それから若い年齢層が行っている「リモートコンパ(飲み会)」等、見たり、聞いたりしたことがある人は多いだろう。またコロナ以前にも中学・高校の英会話授業などにも取り入れていた学校もあった。有名なところでは我が国の首相が行った「リモートライヴ」で自粛生活を促すものはたいへん話題にもなったので覚えていることだろう。

つまり授業となるとどのようになるかというと予め美術学校からプログラミングされたパソコンが講師に送られてきて他の講師や学校スタッフによって数回のレクチャーと練習を行う。あとは実際に授業の日に「クラスルーム」や「Meet」を使用してリアルの授業と同じように講師と学生たちの顔合わせや出席をとるところからスタートし、パソコン画面上にあがった多くの学生の顔を観ながら授業を進めて行くのである。美術学校の実技実習なのでどうだろう?と不安に思っていたが、ラフスケッチや絵の途中経過の画像を個人個人がスマホのカメラで撮影し、パソコン内のボックスに送信してくる。これを観ながらチエックし指導すればリアルでのものと変わらずに進められるというものだ。僕も学生も自室に居ながらにして行えるのである。

もちろん、僕は初めての経験であり不慣れなことでもあるのだが、学校側も初めて、学生も初めてということなのである。まぁ、このパンデミック自体が世界中の人間が初めての経験なのであるからどのようなことが起こるかは予想もできないということである。

授業内容は以前にもこのブログでご紹介したが『変容』というタイトルで西洋マニエリスムの画家、ジョゼッペ・アルチンボルトの表現を例題としながら、さまざまな生物を組み合わせて新たな生物を創造してみるというものである。とりあえず先週1クラス目の授業が途中システム上のトラブル等が少しあったが、なんとか終了した。7月の末まで、あと5クラスの授業がある。その頃にはコロナが収束していき、リアルで学生たちの元気な表情を見ながら指導できる日が来ることを願っている。

※今回使用した画像は全て実際の授業中のものではなく準備、調整中のものとなっている。


        

392. 美術学校で『生物細密画』の実習を指導する。

2019-12-15 17:42:13 | カルチャー・学校
先月末から東京の杉並区にあるA美術学院に『生物細密画』の実習指導に行っている。対象となるのは絵画を専攻する2年生と3年生。

もう、4年目になっただろうか。そもそもこの授業、本来美術大学などではデザイン科のグラフィックデザイン専攻の学生等が学ぶ内容なのかもしれない。ただ美術大学でこのような実習を行っているということは聞かない。
A美術学院では5年前に前任のH先生より「今まで自然物描写」という実習を1年生では行ってきたのだけれど、2年生に、もう少し踏み込んだ形で生物の細密画の実習を教えてほしいという内容でオファーが来た。
さらに「絵画を専攻する学生に卒業後、例えば印刷媒体の「図鑑画」であるとか博物館関係の「細密画」といった仕事に繋がる絵の体験をさせたい」。それからもう1つは「具象絵画の制作の中で生物を細密に描く表現も必要だろう」という指導方針を伝えられた。

最初の年は、生物ならば、何でもありといった設定でスターとしたのだが、やはり本物を手に取って細部まで描写する体験をしてほしいということになり、2年目からは貝殻をモチーフとして与え、正確な計測用にディヴァイダーを1本わたして、とことん対象とニラメッコをしながら制作に取り組んでもらっている。初めのうちは今の学生には、このような「行」のような実習はどうかと思ったが毎年集中して制作している姿を見ると、結構向いているのかもとも思っている。

師走に入り寒さも続く中、学生たちはこちらも目を見張る様な集中力で細密画に取り組んでいる姿は清々しい。この授業が始まるとこちらも今年一年がもうすぐ終わるのだという気持ちになってくる。実習はあと新年に4回ある。今年も、上手いとか下手とかではなくとにかく目に見えた細部をとことん観察し、描写しきった作品が最終日に並ぶのを楽しみにしている。



         

390. 美術学校で『銅版画・直刻法』の実習を行う。

2019-11-23 17:55:28 | カルチャー・学校
今月21日から東京池袋にある僕の母校、創形美術学校に銅版画の直刻法の実技実習の指導に行っている。このブログの388回で投稿した銅版画実習の続きであるが、前回がまだ専攻を決めていない1年生の『銅版画・基礎(エッチング)』の実技実習であったのに対して今回は2年生の版画専攻の学生たちが対象となっている。つまり今月は銅版画の「集中実技実習月間」となっているのである。

『銅版画・直刻法』とは、エッチングのように薬品などの腐食によって銅板を彫って行くのではなく、専門的な工具を使用してダイレクトに彫って行くさまざまな技法をさす版画専門用語である。その代表的な技法には、エングレーヴィング(ビュラン)、ドライポイント、メゾチント、ルーレット等があげられる。

今回の課題テーマは『人間像』。友人、知人、家族や恋人の肖像、著名人の肖像、街を行きかう人々の群像、自分のイメージの中の人等々といった様々なヒトの姿から下絵を描き、版に転写して彫り込んで行くと言う内容。但し「自画像」は人物画の中でも特別な意味、性格を持ってしまうので不可とした。それから上記、工具の他に文具のカッター、釘、サンドペーパーなどによる彫り?の実演も行い「銅版画は版に傷を付けてインクが引っかかれば版になる」という趣旨を強調して伝え、その道具の中から3種類以上を使用して1点のモノクローム作品を制作するというミッションも同時に与えた。それから2年生も1年生同様に中国からの留学生が多く、参加学生14名中、約半数をしめている。彼らは日本語が上手く日本人の学生に混じってワイワイと楽し気で集中するときには驚くほど静かに制作している。

昨日、プレス機を使用した印刷の実演も行った。あとは学生たちの彫っては試し刷り、彫っては試し刷りの繰り返しである。銅版画の直刻法というのは数多くの現代版画技法の中でも彫刻刀で彫る木版画と並び最もシンプルでダイレクトな表現ができるテクニックである。これから来週末の講評会までにどんな瑞々しい力作が完成するのか今から楽しみにしている。


画像はトップが実習で使用した彫りのテスト・プレートと各種彫版道具。下が向かって左から銅版と専用工具、エッチング・プレス機、実習の内容を説明したホワイト・ボード、制作中の学生(2カット)、卒業生のドライポイント作品(部分)、銅版画の巨匠、長谷川潔のドライポイントによる風景作品(画集より部分転載)。



                     




388. 母校の美術学校で銅版画の実習が始まる。

2019-11-11 18:51:52 | カルチャー・学校
10/31から、東京池袋にある美術の専門学校、創形美術学校に銅版画実習の指導に行っている。この学校は今から36年前に僕が卒業した母校である。7年前まで13年間銅版画の指導を行っていたが、学校側の諸事情によりいったん終了したのだが、昨年度末に改めてお話がありお引き受けした。こちらの年齢も上がってしまったので、長い付き合いになる専任のS氏に「僕のようなロートル投手でいいの?」と電話をして聞いたのだが「いいんです。今こそベテランの力をお借りしたいので」と答えが返ってきた。お互いプロ野球好きなので軽い冗談も含まれているのだが。

と、言う訳でひさびさのホームグランドで投げることになった?…いや母校で実習を担当することになった。この学校は版画科の歴史が古く、特に版画工房の設備が美術大学並に充実している。僕が今回担当するのは1年生の『銅版画・基礎』と名付けられた腐食銅版画(エッチング)の入門的な実習。版画が初めてという1年生に『自然物』というテーマで小さな銅板に向かってモノクロ1版の銅版画を制作してもらうというもの。1年生の版画実習はこの銅版画とシルクスクリーンの2版種からの選択になっている。この学校は現在、2年次から版画専攻意外に絵画造形専攻、グラフィックデザイン専攻などいくつかの専門コースに分かれている。つまり、まだ専攻が決まっていない1年生に版画を指導するというわけである。

7年ぶりに学校に行ってまず驚いたのは各学年に中国からの留学生の割合が多い事だった。7年前の時点では韓国と台湾の留学生が多かったのだが、状況が変わったようである。なので、学校中の至る所で中国語の会話が飛び交っていた。そして彼らは日本語もとても上手い。普通に会話ができる。留学生に尋ねると来日するとまず日本語学校に入学し、猛特訓を受けるのだそうだ。そして実技も集中力があり、とても真剣に取り組んでいる。

先週末、銅版へのニードルでの描画も進み、ほぼ全員が1回は試し刷りを終えた。今週からはいよいよ作品の完成に向けて集中力をさらに上げて行くところである。こちらも久々の広い版画工房でのインクや機械油の懐かく心地よい臭いに浸っている。さぁ、初々しい1年生がインクまみれになりながら、どんな力作を完成させるのか今から楽しみにしている。



                        




384. 『ユーカリが丘産経学園』が オープンする。

2019-10-07 17:22:27 | カルチャー・学校
今月1日。千葉県佐倉市ユーカリが丘にカルチャー教室『ユーカリが丘産経学園』がオープンした。産経学園は㈱カルチャーと共同事業で全国展開しているカルチャー教室で、産経学園自体は日本で1番歴史のあるカルチャー教室である。僕はここで『初歩からの木版画』という木版画の教室と『色鉛筆画入門』という水彩色鉛筆の教室、2クラスを担当する。

と、いうよりは実は僕にとっては移転なのである。同じユーカリが丘に25年間続いていた『NHKカルチャー・ユーカリが丘教室』が先月末をもって閉講となった。大きな理由は地元で街づくりを行うY社との共同経営が25年を持って満期終了という形になったからだ。僕の担当する教室もここで15年間続けてきた。
閉講の知らせを担当者から受けたのは8月であり突然のことだった。ここまで続けて来ていただいた生徒さんがいることなので、今後の動きをNHKカルチャーの支社長に相談していたのだがいくつか選択肢のあった中でちょうどすぐ近くのビルに移転してくる『ユーカリが丘産経学園』が相応しいだろうということで先方に打診していただき、割合スンナリと2教室をスライドすることができた。運がついていたということと、とてもありがたいことだった。

と、いう訳でここ2カ月ぐらいは生徒さんたちへの説明や新たな教室への移転通知、NHKカルチャーからの荷物の引越しなどで何かとバタバタしていた。

ようやく今月に入って開講できたので、ほっと一息という所である。9/20にオープニングのレセプションがあり、講師作品展の作品展示もしていただいた。10/1と10/4に2つの教室の初日も無事行った。学園のフロアー自体はまだできたてのホヤホヤで教室内もピカピカである。まだ、なんとなく僕も生徒さんたちも落ち着かないのである。まぁ、徐々に時間が経つうちには自分たちや画材の臭いが教室の壁や床に沁み込んで行き使いやすくなってくるのだと思う。

今回の移転に伴い、いろいろとアドバイスをしていただいたNHKカルチャーの支社長始めスタッフの方々、そして快く引き受けていただいた産経学園の担当者の方々、本当にありがとうごございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

新教室の詳細、連絡先は以下の通りとなります。このブログを見た方でご興味を持たれた方はお気軽にご連絡、ご見学に来てください。どうぞよろしくお願いいたします。


『ユーカリが丘産経学園』

〒255-0858 千葉県佐倉市ユーカリが丘 4-1-4 ユーカリプラザ3階 (京成電鉄 ユーカリが丘駅下車1分)
Tel:043-464-1955 Fax:043-464-1956 / https://www.sankeigakuen.co.jp/

長島充 担当講座

『初歩からの木版画』 第1・第3 金曜日(月2回)10:15~12:15

『色鉛筆画入門(水彩色鉛筆)』 第1・第3 火曜日(月2回)13:00~15:00

内容の詳細についてのご質問等は上記、ユーカリが丘産経学園までご連絡ください。 



                 


330. 『第7回 ユーカリ版の会』展

2018-04-16 18:44:21 | カルチャー・学校
今日から始まったグループ展のご案内です。

・展覧会名:第7回ユーカリ版の会展 - The 7th Exhibition of the Eucalyptus Woodcut Club -

・会期:2018年 4/16(月)~4/29(日)10:00~17:00(最終日は16:00まで)会期中無休

・会場:千葉県佐倉市ユーカリが丘 ユーカリプラザ 3階イベントホール 京成線ユーカリが丘駅北口下車徒歩3分(ウィシュトンホテルユーカリ向かい)

・内容:NHK文化センターユーカリが丘教室「初歩からの木版画」講座で日本版画協会会員、画家・版画家の長島充に木版画を学ぶ(あるいは学んだ)メンバーで構成するグループによる木版画作品45点に講師賛助出品2点の作品展示です。それぞれがテーマに基づき自由な発送で制作した作品群となっています。

・入場料:無料

・共催:NHK文化センターユーカリが丘教室

・協力:山万株式会社

・その他:長島は29日午後、会場におります。

今年も恒例となった『ユーカリ版の会』によるグループ展です。僕が2004年から開講、現在まで指導を続けているカルチャーの木版画教室、2クラスのみなさんによる作品展示となっています。教室を始めて14年になります。2012年に作品がまとまってきた頃に「そろそろみなさんでグループ展を開いてみたらいかがでしょうか」と進めてみたところ「では、やりましょう」ということで始めました。その展示も7年目。みなさん、仕事のリタイア組が多いのですが木版画への情熱を持って制作されています。開講当初からの生徒さんもいます。ベテラン組は今まで習得したさまざまな版画技法を駆使し制作、初心者組は白黒1版でシンプルな彫り主体の作品を制作しています。

千葉県内にお住まいで木版画に興味をお持ちの方々、是非この機会に足を運ばれご高覧ください。どうぞよろしくお願いします。


画像はトップが昨日の展覧会場での展示作業風景。下が向かって左から山万さんが制作した今展のポスタ-2カットとユーカリプラザ入り口、展示作業風景2カット、作品展示画像2画像、教室での制作状況パネル。