長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

344. 長島 充 新作絵画個展 『聖獣・幻鳥伝説』が始まります。

2018-09-28 18:23:25 | 個展・グループ展
以下、明日から始まる僕の新作絵画個展の御知らせです。


・展覧会名:長島充展『聖獣・幻鳥伝説』/ Mitsuru NAGASHIMA Exhibition " The Legend of the Holy Beasts and Phantom Birds "

・会期:2018年9月29日(土)~10月12日(金)/ 10月7日(日)休廊 平日 11:00~19:00 / 日祝 12:00~18:00 / 最終日17:00 迄

・会場:青木画廊 東京都中央区銀座3-5-16 島田ビル2F Tel 03-3535-6858 http://www.aokigallery.jp

・内容:西欧、中央アジア、インド、中国、日本等、東西世界に古より伝わる神話・伝説に登場するユニコーンや麒麟などの「聖獣」やフェニックスや白鷹などの「幻鳥」をモチーフ とした絵画」作品、21点を展示している。技法的には手漉きのネパール紙、和紙などに混合技法(水彩、アクリルetc.)によって描いた。

・入場:無料

・作家在廊予定日:9/29、10/1、10/3、10/5、10/8、10/11、10/12、の午後1時頃から在廊する予定です。会場でみつけたらお声をかけてください。

※初日、17:00頃~ささやかな酒宴などご用意しております。


全て未発表の新作絵画のみによる個展となります。幻想アートファン、絵画ファン、ファンタジーファンの方々、是非、この機会に銀座の散策を兼ねてご高覧ください。会場でたくさんの聖獣や幻鳥と共にお待ちしております。

画像はトップが出品絵画作品のうち、「麒麟図」。下が向かって左から「有翼の獅子」、「わし座」。



   
  

343. 新作絵画個展の制作もラスト・スパートとなった。

2018-09-08 20:21:17 | 絵画・素描
今月の29日から東京銀座の青木画廊で始まる絵画の新作個展の制作が大詰めとなってきた。

この夏は猛暑と言うこともあったが、秋の新作個展が控えていたのでほとんど工房に籠って絵画制作に集中していた。いや、まだ集中している。今回のテーマは『聖獣・幻鳥伝説』と題して東西世界に分布する神話や伝説の中に登場する動物や鳥をモチーフとした連作となる。例えば具体的にはスフィンクスやフェニックス、東洋ならば龍、麒麟、獅子といった空想上の生物が主人公である。画材としては手漉きの紙に水彩、アクリルその他の混合技法で描いている。使用した紙は前回の個展に引き続きネパールの手漉き紙とオーダーして漉いてもらった能登手漉き和紙の2種類。手漉きの紙はそれぞれクセがあり表現にも大きく関係してくる。

個展を観にきていただく人たちから「絵画と版画の両方を制作していて何に一番異なるものを感じていますか?」という内容の質問をよく受ける。作品を制作する、モノを作るという姿勢としてはどちらも変りはないのだが、しいて言えば「絵画は手離れが悪い」ということが言える。
版画は下絵を描いて、版を彫って、摺るというプロセスがはっきりとしていてあるところまで制作が進むと、「このあたりが潮時だな」というあきらめのようなものがつく。ところが絵画は描けばいくらでも、どこまでも描きたして行けるような性格があって、いつまでも抱えてしまうということがあるのだ。なので「絵画は手離れが悪い」のである。良い解釈をすれば「納得がいくまでとことん描いていられる」ということになろうか。

出品予定作品は全部で22点。9/20にはオーダー・メイドの額縁屋さんに作品を受け渡さなければならない。さすがにこの時期に来てまったく手を付けていないという作品はないが、あと4~5点の詰めがあまい。この暑さで描画のペースが落ちているということもあるが、もう少し気張らなければならない。

個展が近づくと必ずうなされる夢がある。それは個展の搬入日に仕上がった作品数が足らずに壁が一面ポッカリと空いてしまっているというものだ。今回も今月に入ってから3回ほど見た。画家の「業」と言えるのかも知れない。この数日、ようやく暑さも緩んできた感じがする。残された時間はマラソンで言えばラスト・スパートに入った。さぁ、悔いが残らないように納得が行くまで描き込んで行こう。

※展覧会の詳細に関しては開催日が近づいてから詳しくブログに投稿します。


画像はトップが制作中の水彩画と僕の左手。下が向かって左から描画に使用している固形不透明水彩絵の具、今回出品する作品の部分図3点。



         

342. 長島充 野鳥版画展 『日本の野鳥 in 駿河台』 終了いたしました。  

2018-09-01 18:23:56 | 個展・グループ展
7/17(火)から1カ月半強のロングラン開催となった東京、ECOM駿河台での「長島充 野鳥版画展・日本の野鳥 in 駿河台」が8/31(金)を持ちまして無事、盛会の中に終了した。

今年は梅雨明けが例年より早く、酷暑、猛暑の厳しい夏となった。個展会期の中心がちょうど一番暑い時期となったこと、それから今回の会場は一般のギャラリーとは異なり、環境問題に取り組む三井住友海上の「エコロジーコミュニケーション・スペース」という性格から土日が休館であり、ウィークデイも17:00までと言う限定された中での開催だったのだが、そうした条件の中で多くの方々に来場いただいた。
友人、知人、画家、版画家、アート・コレクター、野鳥関係者、自然保護関係者、生物研究者、美術館学芸員、出版関係の編集者、企業関係者等々…それから、今回SNSの世界で知りあい始めて僕の版画作品をリアルで見たと言う方々が多かったことも特筆できる。さすがにネット社会での情報伝達が進んできたということだろう。

そして、会場が都会のど真ん中にあって樹木、緑が多いスポットであり、作品が全て野性鳥類をモチーフとしていたことから「会場や周辺の環境とよく調和した展覧会になりましたね」という感想、ご意見も多数いただいた。個展を開催すると自分自身いろいろと見えてくることが多い。今、自分に足りないこと、次の作品制作へのヒント、今後の展開といつものことながらいろいろと実りのある夏となった。

こうしたロングランの個展は今回が初めてではない。だいたい序盤と終盤に来場者が集中し、真ん中あたりは少ないという傾向になる。特に最終日は作家自身が在廊ということもあり、切れることなく来場いただいた。終了時間をオーバーしてからも熱心に質問して頂く方や丁寧に観ている方もいらしてスタッフの方に言って少し延長していただくほどだった。

作品の取り外しと搬出の作業に入ってからスタッフの方に「作品がなくなると寂しい気持ちにもなります。また機会があたっら是非、展示してください」とお声をかけられて、ほっとした気持ちになった。会期中、ある公共美術館の学芸員の方がお見えになり来年の企画展のお話も決まった。「この「野鳥版画」のシリーズはできるだけ広い会場でアートファンにのみならず広く一般の方々に観てもらいコミュニケーションしたい」という僕自身がずっと描いている願いが少しづつ形になりつつある。

最後に今回、暑い夏にも関わらずご来場いただいた方々、貴重なご意見、感想をいただいた方々、作品をご購入いただいた方、そして良い機会をいただいたECOM駿河台スタッフの方々にこの場をお借りして御礼申し上げます。

画像はトップが会場内で脱帽しみなさんに御礼申し上げている僕。下が向かって左から最終日に駆けつけてくれたミラノから帰国中の友人画家とのスナップ、近くのビルで繁殖しているヒメアマツバメの剥製標本(会場内展示)、ECOM駿河台外観と展覧会場のようす。