長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

347. 公立美術館に個展の打ち合わせに行く。 

2018-10-26 18:15:47 | 個展・グループ展
10/25。千葉県市川市にある市川市立『芳澤ガーデンギャラリー』に来春の個展の打ち合わせに行ってきた。

市川市は僕の生まれ故郷である。途中、下宿などもしたが実家に28才まで暮した想い出深い町だ。今年の年頭に担当学芸員のT女史から個展開催のオファーをいただいたのだが、画廊や他の公共施設などを除けば故郷の美術館での人生初の展覧会となるので、もちろん二つ返事で引き受けた。

故郷と大げさに言っても現在の住まいから京成という千葉と東京を結ぶ私鉄電車に乗り1時間弱で行くことができる。市川の町にはこれまでも時々は同級生や友人に会いに行くことがあるのだが、今回、久々なので帰りに「町ウォーク」も兼ねて仕事のサポーターでもある連れ合いと打ち合わせに行くことにした。

京成電鉄の市川真間駅を下車、少し早く着いたので途中「手児奈霊神堂」という小さな伝説の池がある名所のお堂をお参りし、境内で休憩してから美術館入りした。ゆっくり歩いて15分程度だったろうか。約束時間を少し過ぎた頃、受付で声をかけると担当学芸員のT女史がすぐに出てきてくれた。

事前にメールのやり取りである程度は内容を把握はしていたので、さっそく展覧会の具体的な打ち合わせに入る。今回はここ数年間連続で開催されている「市川市ゆかりの作家たち展」という企画の一環として女流洋画家の方と会場を二分しての展示となる。
まずは展示スペースの説明から始まり、今までの展覧会の例や個展までのザックリとしたスケジュールなどの話へと続いた。そして僕の個展内容の話に振られた時に「せっかく美術館という広い空間で展示していただけるのですから普段画廊等での展示ではできないことをやりたい…」と切り出し「現在、絵画では神話や伝説を主題とした幻想的な作風の作品を、版画では写実的な描写の野鳥の作品を制作していますが、この車で言えば両輪の表現を一つの空間で展示したい」とこの日まで考えていた構想をお話しした。反応を窺っていると、この希望に関してS女史からは「作家の意志で自由に展示していただきたい…その展示は是非観てみたい」との答えが返ってきた。まずは1つクリアー。

次に「この展覧会中に講演かワークショップを開いてほしい」という希望がS女史から出た。これにはお互いさまざまなアイディアが出たのだが、「ワークショップという方向で、一般の方々が目で見て版画の魅力がわかるように銅版画と木口木版画の摺りの実演をやってみてはどうだろうか?」という所に落ち着いた。その名も「ライブ・プリンティング」。これは他のイベント出演の時に「ライブ・ペインティング(ライブで即興で絵画を描くこと)」に対して苦し紛れに僕が名づけたものである。展示作品、ワークショップなどの内容がほぼ固まったので、学芸室から展示空間に場所を移しての下見会。現在はしない在住のキルト作家の展覧会が開催されていた。

13:00から始めて15:00を過ぎた。お言葉に甘えて大分ゆっくりしてしまったが、そろそろ帰りの時間。美術館敷地内で採れて乾燥させたという「銀杏」までお土産にいただいてしまった。

S女史と門で別れ、ここから先は徒歩で市川の故郷をゆっくり散策した。子供の頃に遊んだ神社や寺院は今も健在だった。実家があった場所まで行って観たが別の新しい家が建っていた。ここから真間川と言う川沿いに京成電鉄の「京成八幡」駅まで歩いたが、このコースは現在、首都高につながる外環道路を建設中で、。その周囲の風景は子供の頃とはすっかり変貌してしまっていた。

美術館での展示はどんな風になるんだろう。そしてまた新たな来場者との出会いとコミュニケーションが待っているのである。とても楽しみになってきた。まだ予定ではあるが以下が展覧会名と会期となる。詳細はまた時期が近づいてきた頃に御知らせ、投稿することにしよう。

市川市ゆかりの作家たち展『 長島 充 - 幻想と現実の狭間で -(仮称)』 2019年 4月12日(金)~5月6日(月・祝)市川市芳澤ガーデンギャラリー

画像はトップが芳澤ガーデンギャラリーの内部ホーール。下が向かって左から近くの手児奈霊神堂、美術館内と庭園のようす。



                   











346. 長島 充 展 『 聖獣・幻鳥伝説 』 盛会の内、終了しました。 

2018-10-14 17:35:33 | 個展・グループ展
先月、9/29~10/12まで、東京銀座の青木画廊で開催していました僕の新作絵画個展『聖獣・幻鳥伝説』も無事盛会の内に終了いたしました。

展覧会の序盤は台風が接近してきたり、その影響で鉄道の塩性火災事故なども起こり、なかなかハードなスタートとなりましたが二週目からは天候も安定していたので来場者も方々も多くお見えになりました。
久々の絵画新作個展ということで可能な限り会場に詰めるようにしまししたが、今回の大きな特色としてはSNSでお知り合いとなった方々が多くご来場されたことでした。初めてリアルで作品をご覧いただく方、初めてリアルでお話した方もいらっしゃいます。在廊日に必ず数人はSNS関係の方がご来場されていました。新聞や雑誌など紙媒体に掲載されそれを見て来たという方よりも割合としてはとても多く隔世の感を抱いています。そのおかげか作品や作家に関しての質問や感想を数多くいただき、今までにないフレッシュなコミュニケーションの時間が持てました。そして、ありがたいことに最終日の終了時間ギリギリまで訪れる方々の流れは途絶えることがありませんでした。

青木画廊とは1999年からのお付き合いでもうすぐ20年となりますが、社長である青木氏からも「今回の作品は今までのあなたの作品の中で一番完成度が高かった…年を重ねるごとにステップアップしてきているよ」という嬉しいお言葉もいただきました。

今現在はまだ会場での熱が冷めないでおりますが、この緩やかな興奮状態から不時着するために、ボチボチまた新しい作品の制作を始めようかと思っています。

今回、会場にご来場いただいた方、作品をご購入いただいた方、そして企画をしていただいた青木画廊の青木夫妻、素敵なDMデザインを手掛けていただいたY.S氏、特別な額縁を制作していただいたS氏、その他、展覧会開催までにいろいろな面でお世話になった多くの方々に深く感謝いたします。ありがとうございました。

画像はトップが最終日の個展会場風景。下が今回の個展会場の展示のようす4カット。



          

345. 長島充 新作絵画個展 『聖獣・幻鳥伝説』も折り返し地点となりました。

2018-10-06 18:27:07 | 個展・グループ展
9/29からスタートした新作絵画個展、長島 充 展『 聖獣・幻鳥伝説』もちょうど今週末で折り返し地点となった。

今回、久々の新作絵画個展ということで、なるべく在廊できる日は会場に足を運ぶようにしているのだが、途中、カルチャー教室の指導なども入るので一日おきぐらいだろうか。一応自分が在画廊できない日は画廊の方に状況を伺うのだが、毎日、絶えることなく多くの方々にご来場いただいているようである。
今回特筆すべきはフェイス・ブックなどSNS上で知りあいになった始めてリアルでお逢いする方々である。みなさん口々に「是非一度、リアルで拝見したいと思っていました」とか「実物を拝見するとぜんぜん雰囲気や質感が違います」という感想を話される。そう言われる理由として前回の個展からなのだが絵を描く基底材にネパールと日本の手漉き紙を使用していて描画材も顔料や墨など微妙なニュアンスが出せるものをふんだんに使用しているからだと思う。

テーマについてもよく質問を受ける。「よくこんなにイメージが次々に浮かんできますね。どういうところから持ってこられるんですか?」という質問が最も多いだろうか。それについては「シルクロード文化圏に伝承される神話・伝説からヒントを得ていて、偏ることなく世界中、様々な地域のものからインスピレーションを得ている」と答えている。

そんな熱心な来場者との毎日を過ごしているうちに個展も折り返し地点を迎えた。作品制作をしている期間はとても長いのだが、いざ展覧会に入るとあっと言う間に時間が過ぎて行く。展覧会は明日10/7(日)のみが休廊で10/12(金)までである。 まだご来場いただいていないアートファンの方々、こうした内容の絵画にご興味のある方々、是非、この機会に会場に足を運ばれリアルで「長島ワールド」をご高覧ください。会場では21点の聖獣と幻鳥たちがお待ちしています。

青木画廊:東京都中央区銀座3-5-16 島田ビル2F tel:03-3535-6858 http://aokigallery.jp 

画像はトップが個展会場風景。下が向かって左から同じく会場風景3カットと個展の看板。