長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

247. 里山からアオバズクがいなくなる時。

2016-05-27 20:54:18 | 野鳥・自然

このところ野鳥のネタが続いている。理由の一つとして、実は今年、僕が野鳥観察を始めてからちょうど40周年の節目の年なのである。版画制作を始めてから36年なので野鳥観察歴の方が古いということである。40周年のことは別の機会に更新するとして、このところ強く感じているのは「長く野鳥観察を続けてきた者の義務として伝えていかなければならないことがある」ということである。それにはSNSはちょうどいいメディアなのである。

今回の話は里山などに生息するフクロウ類のアオバズクのことである。工房のある、ここ千葉北東部では毎年4月の下旬になるとアオバズクが渡って来る。日没とともに、どこからともなく「ホッホー、ホッホー」と繰り返し、よく通る声で鳴きながら里山を巡回するようすは、この季節の里山の自然風物の一つである…というか、あったという方が正しいかもしれない。

アオバズクはフクロウ科のハトよりやや小さい野鳥で、インド、ヒマラヤ、東南アジア、中国東部、朝鮮半島、ウスリーに分布し北方のものは冬季は南下する。日本ではほぼ全国に分布し、九州以北では夏鳥として渡来し、南西諸島では留鳥である。平地から低山の林で繁殖する。同じ科のフクロウなどと同様大木の洞などに営巣する。青葉の季節に渡って来るので漢字名は「緑葉木菟」と書き、英語名はその濃褐色の羽色とタカに似た横顔から「Brown Hawk Owl」と呼ばれている。

アオバズクは以前ブログで紹介したタカの仲間のサシバやシギ・チドリ類などと同様、近年とても生息数が減少している種である。どうも越冬地に森林開発の進む東南アジア地域がからむ野鳥の個体数の減少が著しいようだ。この工房のある住宅地の周囲の里山には大木のある社寺林や雑木林などアオバズクが好む環境がそろっていて、少なくとも3~5ペアは観察していた。初夏の夕刻から夜にかけてよく見かけることがあり、テレビアンテナに止まって鳴く姿や公園などの街灯にやってくる好物のカブトムシやオオミズアオ(大型の蛾の1種)をブンブン飛び回って捕える姿も観察することができた。それが、30年近い年月の中で徐々に徐々に見かけなくなり、とうとうその声すらもなかなか聴くことができなくなっていった。今年は先月の25日の深夜に一度だけ声を聴いた。その後、聴いていないので通過個体なのだろうか。季節的には一番盛んに鳴いているはずなのだが。

あのクリクリとした坊主頭と黄色に輝く眼、そして長閑な気持ちにさせてくれる声が日常から失われてしまったのがとても寂しい。いつか環境が改善されて戻って来てはくれないだろうか。アオバズクを始め夏鳥たちのおかれている状況は、もはや我が国だけの環境改善の問題に収まらず国際的な保護対策が必要な時代に入ってきたのだと思う。

音もなく静かに絶滅していく野生生物たち。長い年月、野鳥観察を続けてきて、ふと気が付いたら周り中が絶滅危惧種か、その予備軍に指定されていた。人間の日常生活に直接関係していないので、多くの人々がこのことを知らない。そして近年、そのスピードに加速度がついてきているように感じている、いったいこのまま行くと地球環境はどうなっていくのだろうか?微々たる歩みではあるがSNSを通してこの事実を発信して行こうと思っている。

画像は過去の在庫から転載した。トップが日中青葉の繁る大木で休む成鳥。下が向って左から営巣していた洞のある大木、同じくアオバズク成鳥、巣立ち雛3カット、好物のオオミズアオ。

 

                

 


246. 『佐倉モノづくりFesta 2016』で消しゴム版画のワークショップを開催する。

2016-05-17 19:31:14 | イベント・ワークショップ

5/14(土)、5/15(日)の2日間にわたって開催された『佐倉モノづくりFesta 2016』の会場で今年も消しゴム版画のワークショップを開催した。当工房は初回から今回で5年目の出演である。このフェスは市の産業振興課が主催するものだが、市内の一般企業、商店、飲食店、博物館、個人の工芸作家などが参加する。このイベントも5年目ということで広く近隣の住民の方々に浸透し連日、多くの来場者で賑わっていた。

消しゴム版画を使ったワークショップを始めて今年で8年目になる。きっかけは、それまで公共施設や美術館で銅版画や木版画のワークショップを依頼され開いていたのだが、好評をいただいていて「来場者の流れる場所やテントブースなどでも教えてもらえないか」という要望が増えてきた。さすがにテントの下などに銅版画のプレス機などは持ち込めないし雨風のことも考えると紙やインクも扱いずらい。困っていたところ、たまたま東京で開催されていた「スタンプ・カーニヴァル」というゴム製の版や消しゴム版により制作されたクラフトアート作品の展示会場を見に行ったところ、それまでの版画技法にはない新鮮な刺激を受けた。これならばできるのでは…と、試してみたところがイベントにうまくはまったので続けて来たのである。正直なところ「苦肉の策」というところでもある。この9年間、野鳥系のネイチャーセンター、植物園、美術館、博物館、自然系のフェスティバル会場、など多くの場所でこの消しゴム版画によるワークショップを開催してきた。その地域も地元の千葉県内を中心に東京、新潟、山梨など広域にわたっている。まさに「消しゴム巡業」と言っていいかもしれない。たかだか消しゴム、されど消しゴムなのである。

今はこのゴム版や消しゴムを使用したクラフト作品が、出会った当時よりもさらにさかんになり日本だけでなく海外にも専門のアーティストが増えている。紙のカードなどに擦り取るだけでなく、特殊なインクで布や皮、石材など、さまざまな素材にも印刷されたりしている。一般には「スタンプアート」や「消しゴムはんこ」などと呼ばれているが、僕は版画家なので「消しゴム版画」と呼んで彫刻刀を使い版画的に制作してもらうことにこだわっている。版画制作者の意地かもしれない。

2日間、共通で午前1回、午後1回、各回1時間半の内容、会場では制作も見せるのが趣旨なので僕が目の前で1点、彫って摺って見せている。割合としては過半数が親子連れだが、中には中高年の大人の方もいる。こちらがあらかじめ用意した下絵から選んで彫ってハガキに擦ってもらうのだがモチーフとしては市内で観察できる植物、野鳥、動物、昆虫などが中心で作りながら野生生物に親しんでもらうという、もう一つの狙いもある。5回目となると中にはリピーターとなっている親子もいて「3回目だね。手慣れたもんだねぇ」などと挨拶を交わすのも嬉しい。何はともあれ子どもたちを中心に楽しんでもらうのが一番なのだが家族で参加して熱中してくると、お父さんが夢中になってしまうのも毎年のことである。多忙な仕事の合間に参加され、頭の中で子供の頃の図画工作の授業が蘇っているのかもしれない。2日間、天候に恵まれたせいか参加者も多く、事前に用意していたセットもすべて完売してしまい嬉しい悲鳴となった。

今年もたくさんのカラフルで楽しい「いきものカード」が生まれた。今回も楽しいイベントにお誘いいただいた佐倉市産業振興課の方々、設営などでお世話になった会場担当スタッフの方々、活動を取材してくださった地元テレビの方々、そして素敵なカードを制作した多くの参加者のみなさん、ありがとうございました。感謝いたします。画像はトップが消しゴムの版の彫り方の実演、下が向って左からワークショップ会場のようす6点、イベント会場のようす2点、以前の参加者が制作したカード作品1点。

 

                 

 


245. 沈黙の春 2 ~シギ・チドリが干潟から減少する時~

2016-05-12 19:56:22 | 野鳥・自然

前回に引き続き「春の渡り」のシギ・チドリの話題である。ゴールデン・ウィーク中にもう1か所、鳥見に出かける場所がある。それは千葉県習志野市にある谷津干潟国設鳥獣保護区である。ここは埋め立てによってわずかに残された干潟で現在も2本の水路により東京湾とつながっており、潮の干満がある。干潮時には干潟が広がり、この季節には渡り途中のシギ・チドリが観察される貴重な場所となっている。

5日の子どもの日。いつものように望遠鏡やカメラを入れたザックを背中にしょって電車に乗って訪れた。京成谷津駅を降りてテクテク歩いて行くと周囲は住宅地やマンション高速道路などで囲まれているのだが干潟からは風に乗ってツーンと潮の香りがしてくる。心地よい瞬間でもある。干潟の端に着くと潮が引いていてチラホラと野鳥の姿が観られた。近くにいた1羽を胸にぶら下げた双眼鏡で確認するとチドリ科のダイゼンが忙しく歩き回ってはゴカイなどの餌を捕えていた。今日の潮の状態は「中潮」と呼ばれ、ここでは正午頃、干潮となり17時過ぎに満潮となる。干潟の野鳥を観察するには、そこそこ良い「潮回り」となっている。時計回りに遊歩道を歩いて行くと東側に大勢の人たちが集まっている。ここは全国でも有名なシギ・チドリの渡来地で連休ということもあり、さまざまな団体による「探鳥会」が開催されている。そしてこの時期、普段なかなか会えない鳥仲間に再会することができるのも楽しみの一つだ。今日は千葉で長年野鳥保護に関わってきたH.T氏、児童文学者で鳥の本も多く執筆しているT.Kさん、水鳥の図鑑を執筆しているベテラン・バーダーのM.K氏、東京湾近郊の野鳥写真を撮影しているA氏などと挨拶をかわしシギ・チドリの情報交換をした。

南側にたどり着き、いつもの屋根つきのパーゴラで大休止。ザックから望遠鏡とカメラを取り出して腰を据え観察し始めた。潮の引いた干潟面や水路にはダイゼン、メダイチドリ、トウネン、ハマシギ、キョウジョシギ、オバシギ、オオソリハシシギなど種によって数に多い少ないがあるものの春の渡りの常連のシギ・チドリ類を観察することができた。しばらくすると、ここで40年以上、野鳥のカウント調査をしているI氏とそのグループに遭遇した。3日に工房近くの水田にシギ・チドリを観察に行った時、あまりの少なさに愕然としたことを話し、気になっていた干潟のシギ・チドリの生息状況について伺う。すると「ここでも同じだよぉ。ハマシギは最盛期の半数以下、メダイチドリは三分の一、トウネンなど普通に来ていたけど今日は10羽くらいしか観ていないよ。全国的な現象なんじゃないのかなぁ」という答えが返ってきた。そしてここでも越冬地、中継地、繁殖地それぞれの状態が悪化している話題が出るのだった。

鳥談議に夢中になっていた時、干潟の中央に集まっていた数種類のシギ・チドリの混群がいっせいに飛び立った。パーゴラで観察していたバーダーが、こちらもいっせいに上空を見上げた。「ハヤブサだっ!」誰かが叫ぶと恰好の良い猛禽類のハヤブサが上空から干潟面を獲物をめがけ急降下してくる。上がってはまた急降下を何度か繰り返すとハマシギ、オオソリハシシギ、ダイゼンを中心とした群れがパラパラッと飛び上がったかと思うと東京湾方面に出て行ってしまった。ほんとにパラパラッとだった。「これが15年ぐらい前の同じ時期だったら、ザーッという大きな羽音をさせて今の何倍もの数のシギ・チドリが飛び立ったんだが…、本当に少なくなってしまったんだなぁ」 ”キリッ、キリッ”聞き慣れた声がしたかと思うと、ここで最近めっきり数が減少しているカモメの仲間のコアジサシが3羽、水路から干潟に入ってきた。

さらに、観察と撮影を続けていると待ち合わせをしていた家内と次女がやって来た。I氏のグループと別れて観察センター内で開催中の知人でプロ・カメラマン、T.K氏の「野鳥写真展」で日本の美しい風景の中に生きる野鳥たちの姿を堪能してからレストランに移動しコーヒーとケーキで休憩。窓から見える淡水池にはエレガントなセイタカシギの番(つがい)が長いピンクの脚でゆったりと歩きながら移動していた。環境省編の「Red Data Book(日本の絶滅のおそれのある野生生物)」という冊子が出ている。この本は鳥類を始め哺乳類、魚類、昆虫類など日本に生息する絶滅のおそれのある生物が網羅されたリストなのだが、その危険度に応じて「絶滅危惧Ⅰ類」、「絶滅危惧Ⅱ類」などと分類されている。さきほど、干潟で観察したオオソリハシシギやコアジサシ、そして目の前にいるセイタカシギなどはこの中で「絶滅危惧Ⅱ類」に分類されてる。解説に「現在の状態をもたらして圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来『絶滅危惧Ⅰ類』のカテゴリーに移行することが確実と考えられるもの」とある。そしてこのⅠ類はというと「…野生での存続が困難なもの」とあるのでかなり危険な状況に置かれているということである。

平野部の水田や低湿地、そしてこの干潟などに生息する鳥類の未来を想う時、溜め息ばかりが出るこの頃である。目の前で池のセイタカシギを観ている二人に向って呟くように「日本産鳥類図鑑からシギ・チドリの姿が消える日がくるのも大袈裟ではなく、そう遠くはないかもしれないよ」と言ってみるのだった。

画像はトップが絶滅の危機に瀕している夏羽のオオソリハシシギ。下が向かって左からこの日の谷津干潟の風景、チドリ科のメダイチドリ、ダイゼン、シギ科のハマシギの群れ、キアシシギ、チュウシャクシギ、ハヤブサの登場に飛び立つシギ・チドリ混群、淡水池のセイタカシギ。

 

                                                      

 

 


244. 沈黙の春 1 ~シギ・チドリが水田から姿を消す時~

2016-05-04 19:09:15 | 野鳥・自然

工房のある住宅地の北側をしばらく行くと広大な水田地帯に出る。ここは千葉県で最も大きな内陸水面である西印旛沼と北印旛沼に挟まれた一帯である。中央に農業用の水路が蛇行して走る。江戸時代に田沼意次が始めた一大干拓事業から現在に至るまで幾度も繰り返された干拓によりできた広い水田地帯である。この水田に毎年ゴールデンウィークの頃になると渡り鳥のシギ・チドリの仲間が渡って来る…いや、来ていたと書いた方が正しいかもしれない。そして毎年の儀式として、この場所をマウンテンバイクで巡回しながら観察、カウントするのが恒例となっていた。

日本列島の水辺に飛来するシギ・チドリ類は旅鳥と呼ばれ、越冬地である東南アジアやオーストラリアなどから春、4月~5月に北上、日本の干潟、水田、河川の岸辺などの水辺で数週間を過ごす。この間、彼等は餌を採り続け、エネルギー補給を充分してから繁殖地であるユーラシア大陸の北極圏やシベリアなどの湿原に渡っていく(春の渡り)。たんへん長い旅をするのである。そして繁殖を済ませると8月~10月に上記の越冬地へと帰って行く(秋の渡り)のである。このことから「旅鳥」と呼ばれているのだ。

工房近くの干拓地に渡って来る種はチドリ科ではムナグロが最も多く、シギ科ではチュウシャクシギ、キアシシギ、キョウジョシギなどが個体数が多い。他に数は少ないがメダイチドリ、ツルシギ、アオアシシギ、タカブシギ、ウズラシギなども観察された。ここに転居してもうすぐ30年になるが引っ越して来た頃はほんとうに賑やかで春に水田に行くと頭上を鳴き交わしながら多くの混群が"ザーッ”という羽音をたてて飛んで行ったのを思い出す。とても心地のよい時間を持つことができた。

ところが15年ほど前から野鳥研究者やバーダーの間でシギ・チドリ類の渡来数が減少していることが話題になり始めた。特にこの5-6年は激減しているとのことである。広域に調査したところ、主な原因として、一つには彼等が繁殖する北極圏などの湿地帯が地球の温暖化により北極の氷が解け水位が上昇、水浸しとなってしまったこと。このことで繁殖地を追われてしまった。二番目は越冬地である東南アジアの熱帯雨林の大規模な伐採と開発。三番目は中継地である日本の広域水田の農薬使用による餌の小動物の減少などが挙げられている。渡り鳥の保護の難しさはここである。シギ・チドリ類など長距離の渡りをする種類は繁殖地、中継地、越冬地と、どこが欠けても生きられないのだが、追い打ちをかけるように、どこもかしこも厳しい状況になったのだからたまらない。

では、どれほど減少したのだろうか。百聞は一見にしかず。何年かぶりで、いつもの観察コースを巡回してみることにした。3日の午後、いつものように双眼鏡、カメラ、カウンターなどの調査・観察用具をザックに背負い、田植えの始まった広い水田地帯をマウンテンバイクでゆっくりと移動しながら丁寧に探して行った。水を張った鏡のような水田に青空と雲が映り込んで美しい。最も数の多いムナグロで7年以上前のカウント記録では同じ時期の同じコースで平均500羽前後が見られ、MAXの年では700羽以上をカウントしていた。走り出して30分、このぐらい走るともう100羽近くは見られていたはずだった…「いない!?」 行けども行けどもシギ・チドリの姿が見つからない。ようやくタシギが1羽飛び立った。さらに進んでカウント調査の終着地点までたどり着く。ここはかつて数百派の混群が観察されていた場所である。マウンテンバイクを降りて干拓地の真ん中の農道から双眼鏡をかまえて360°グルリと丁寧に探していると畦にムナグロの小群が休んでいるのを発見。カウンターを使用するまでもない。「1羽、2羽、…たったの11羽かぁ」双眼鏡を覗いたまま思わず呟いてしまった。最大710羽を数えた場所でわずかに11羽である。70分の1!! かなり寒くなる心の動揺を抑えられずに帰りはずっとブツブツと独り言をいいながら強風だということもあり疲労困憊し家までたどり着いた。

この状態、何かの本で読んだことがある。そうだ、まさに1962年にアメリカの生物学者、レイチェル・カーソン女史が発表した『沈黙の春(Silent Spring)』の内容そのままである。DDTを始めとする当時の農薬の大量空中散布による化学物質の危険性を「野鳥たちが鳴かなくなった春」という出来事を通し訴えた有名な作品である。

そして、工房の床に寝転がりながら頭の中では妄想が膨らみ始め、ある強烈な映像が浮かんできた。『ウオーターワールド』。1995年のケヴィン・レイノルズ監督によるアメリカのSF映画。未来の地球は、温暖化の進行により北極・南極の氷が解けて海面が上昇した結果、海だけが広がる海洋惑星となった。その中で人類が人工的な浮遊島を建造し生き残っていくという旧約聖書の「ノアの方舟」のような物語である。実際に北極の氷が解けて生息地を追われているシギ・チドリのような生物がいるのだから、その延長線上にないとは限らない。今日のトリの姿は明日のヒトの姿そのものなのである。

地球上の生命の中のほんのわずかな存在であるシギ・チドリ類。彼等のこの厳しい生息状況は人類に何を暗示しているのだろうか。もちろん地球環境破壊の氷山の一角である。そして温暖化の影響や熱帯雨林の開発に我が先進資本主義国の日本が結構な割合で関わっていることも忘れてはならない。

画像はトップが水田に渡って来る代表的な大型チドリのムナグロ。下が向かって左から水を張ったばかりの干拓地風景、シギの仲間のキョウジョシギ、チュウシャクシギ。