この週末は両日共に五月日和に恵まれ市内の広い特設会場にはとても多くの市民が集まった。当工房が参加したのは「モノづくりワークショップ」という体験型ワークショップで、日本に生息する動植物や市内に咲く花などをモチーフに小さな消しゴム版画をその場で制作したり、参加者にも1点制作してもらうという内容となっている。2日間とも午前2回、午後2回と人数を制限してのワークショップだったが、毎回満員御礼でうれしい悲鳴となった。
手順としては入場した参加者に消しゴム、カッター、ハガキなどの道具を渡し、こちらであらかじめ用意した動植物の下絵の中から好きなものを一枚選んでもらう。そして講師が見本の消しゴム版画を彫って見せながら参加者に制作方法を憶えてもらい、後はそれぞれ自分のテーブルに戻って、ひたすら彫ってもらう。版の彫りが完成したらスタンプ専用のインクを使っていろいろな摺り方を説明。時間いっぱい自分で彫り上げたゴム版を3枚のハガキに摺ってもらう。この野外のテントでも可能な版画のワークショップを各地で始めて5年ほどになるが、親子連れの参加者が最も多い。始めは子供たちが集中して彫っているのだが、おもしろいことにそのうち手助けしていた親たちが夢中になってしまう。摺りの段階になると子供よりも大人の方が真顔ではまっていたりする。きっと子どもの頃体験した工作の楽しさが蘇ってきているんだろう。頭の中では瞬間的に少年少女時代にフィードバックしているんだろうなぁ。
たかだか消しゴム版画、されど消しゴム版画。今回も色とりどりの楽しい動植物の作品がたくさん並んだ。一番うれしいのは帰りしな子供たちが幸せそうな笑顔で「ありがとうございました。楽しかったです!」と言ってペコリと小さな頭を下げてくれる時。2日間の疲れも一気に吹き飛んでしまう。少しは地域に日頃のご恩返しができただろうか。画像はトップが参加者に自分のゴム版を彫って説明しているところ。下は彫りの作業に入った参加者と施設の二階から見たステージイベント会場の風景。