今年の夏はほんとに暑かった。特に梅雨明けからお盆ぐらいまでは酷暑で仕事に集中できず、すっかりまいってしまった。そんな中、日課の愛犬との散歩もとても朝昼には出られず日が暮れてからのナイト・ウォーキングとしていた。今回の事件はこのことが原因でおこった。
愛犬のサチヲ(雑種、11才♀)との出会いは11年前、娘たちがカヌーを習っていた頃、近所の川のカヌー練習場に兄弟たちといっしょに捨てられているのを見つけたことから始まった。柴犬を飼っていたので反対したのだが娘たちの「絶対飼ってほしいっ!!」の連打に根負けして飼う羽目になった。だが、しばらく経つと案の定、犬の世話はせず散歩などはこちらがすることとなった。猟犬の血が混じっているようで小さなころから動く生きものには過剰反応する。夏の夜散歩のときなどはアブラゼミをジャンピング・キャッチする芸当を見せたりしてくれる。
さて、梅雨が明け猛烈な暑さが始まった頃、絵の仕事が一段落して、いつものように連れ合いとサチヲの夜散歩に出かけた。コースは住宅地内から里山の水田地帯を30-40分程ぐるっと周る。水田きわの車道にさしかかった時、サチヲが道の端の暗い草薮に何かを発見したらしく前足で猛烈にアタックしている。「どうせ、場所からしてカエルかキリギリスだろう」と思っていた。ところが2回アタックしてしばらく歩き始めると尾を下げてビッコを引き始めた。どうしたんだろう?あれこれ想像していると連れ合いが「もしかしたらマムシに咬まれたんじゃないの!?」と言い出した。家まではすぐそこだったので一旦帰ってサチヲをつなぎ、急いで懐中電灯を持って現場に確かめにいった。先ほどの草薮辺りを探していると「いたいた、マムシ!!」体に銭型斑点(ぜにがたはんてん)と呼ばれる独特のもようの蛇がニョロニョロと移動していた。僕は今までにこの周辺で何度も遭遇しているのでその場で種を判断することができた。
この近くはマムシが多く「マムシ谷」などと名づけられた場所もあり、知人がキノコ採りの時に咬まれて大変なことになったこともある。急いでお世話になっている動物病院に連絡をとり、車にサチヲを乗せて向った。病院に着き事情を話して応急処置をしてもらいながら先生と話していると「人間の場合は免疫がないので血清の投与などが必要となるが犬は犬種に限らず、マムシの毒への免疫があるので、それほど心配することはない」とのことで、一先ず安心した。しかし、そうは言っても咬まれた方の脚がかなりパンパンに腫れてきていてうまく歩けなくなっている。治療後、抗生物質(飲み薬)と傷口への塗り薬をもらい、首には傷口を舐めたり噛んだりしないように「エリザベス・カラー」というプラスチックの襟巻をつけてもらった。
最初の2週間ぐらいは足の腫れがひかなかったが、抗生物質の投与と傷薬を塗り続けているうちに腫れも引き、それ以前よりも元気に歩けるようになった。「この犬は捨てられて生き残っていた経験があるので丈夫である」 ただ、途中、エリザベス・カラーの長さが短く、傷口を舐めてしまったので、カラーを段ボールで継ぎ足して長くされ画像のように不便そうな状態となっている。ここまで快復するのに一か月近くかかっている。愛犬をお持ちのブロガーのみなさん、マムシに咬まれたら慌てずに迅速な対応と処置を!画像はカラーのせいで小屋に入れず玄関につながれるサチヲ。下が画面向かって左から同じく玄関から出たサチヲ、ようやく良くなってきた傷口。