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旅立ちの時、迫る~ブルートレイン「はやぶさ」ファイナルラン前夜~

2009-03-12 | 鉄道
遂に、明日。「はやぶさ」が羽ばたき、飛び去ります。

既に、熊本駅からも東京駅からも、発車する「はやぶさ」はあと1本を残すのみ。
明日、ファイナルラン。

僕も明日、熊本駅から最後の「はやぶさ」9042列車に乗車します。

最後の前の晩に、ちょっと想い出に浸ってみましょうか。
暫しお付き合い下さい。


九州内で「はやぶさ」を牽く機関車ED76には、前後に「はやぶさ」のヘッドマークが掲出されていたので車内からもそれを眺めることが出来た。
ブルートレインの誇り、そして九州の鉄道の誇りである手作りの「砲弾型ヘッドマーク」が赤い機関車の顔に輝く。



夕闇迫る九州最後の停車駅・門司で発車を待つ。
先頭に立つ機関車は交直流用機関車EF81-400。総延長千キロを超える「はやぶさ」の旅路で、関門トンネルを越える僅か1駅間のみ登場する異色の機関車にはヘッドマークすら掲出されないが、
九州と本州の電化方式の違いを繋ぎ、尚且つ、老朽化し海水が容赦なく滴る過酷な海底トンネル区間を乗り越えるという重責を担う。
交直双方の電装を強固な耐塩塗装で固めたこの機関車無くして「はやぶさ」は熊本―東京間を走破することは出来ない。



「はやぶさ」は門司駅で大分からやって来る僚友「富士」の到着を待ち、連結され1つの列車となり東京を目指す。
「富士」を連結するための門司駅での30分間の大休止、乗客は特例で駅の改札を出ることが許されるので、寝台車での夜に備えキオスクやコンビニで食糧や酒を買い込んだり或いは駅周辺を散歩したりと思い思いに過ごす。
「富士」の連結も完了し、信号が変われば本州へと出発だ。



東京駅発の下り「はやぶさ」は、夏の頃は瀬戸内海で朝を迎える。
波静かな夏の朝の海は、早起きの乗客の特権だ。



寝台車のドアが開き、乗客を旅へと誘う。

でもこの時、僕たちはまだ知らなかったんだ、ブルートレインに乗って旅に出ることが適わなくなる日がやがて来ることを、
「はやぶさ」が想い出のかなたに消える日が来ることを…



さよなら、僕のブルートレイン。
さよなら、僕の「はやぶさ」。

僕はまた旅に出るよ。僕に旅の素晴らしさを教えてくれたのは、ブルートレイン「はやぶさ」なのだから。


画像提供:JAXA/ISAS

…そして、僕はいつか「はやぶさ」と再会するような気がしてならないんだ。
そう、例えば…宇宙の彼方の、「星の王子さま」の棲んでいそうな小さな星とかで、ね。
その時、「はやぶさ」は宇宙を旅する小さな船の姿をしているんだ。