“日本最強の振り子特急”FURICO283。
キハ283系は当初、道東方面行きの「スーパーおおぞら」に運用投入されたが、近年では「スーパー北斗」にも使用される。
←2009-2010 冬の旅 4、北へ。ブルートレイン「日本海」からの続きです
ブルートレイン「日本海」は数年前までは青森から先、青函トンネルを越えて北海道の玄関口函館駅まで直通していたのだが、現在は北海道新幹線乗り入れ工事が行われている関係で青函トンネルの輸送力に余裕がないらしく、青森駅止まりとなっている。
さらに北を目指すべく、次の列車に乗り換える。
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特急「白鳥45」号。
青森と函館を結ぶ、かつての青函連絡船航路を引き継ぐ。
また、列車名の白鳥は平成13年まで、ブルートレイン「日本海」と同じ大阪から青森までの日本海縦貫線を千キロ以上に渡って昼行運転でロングラン走行していたことで名高い名列車の愛称を、翌年に復活させて引き継いだもの。
ブルートレイン「日本海」号から乗り継いで北を目指すのにふさわしい名を持つ列車である。
08:57、特急「白鳥45」号青森発車。
ちなみに今回の旅ではJRの周遊きっぷ「札幌・道南ゾーン」を使用しているのだが、ここ青森から先は特急列車の自由席が乗り放題の「周遊ゾーン」に入る。
青森を発車した「白鳥45」号は、途中で先程まで僕が乗っていたブルートレイン「日本海」号だった車庫行きの回送列車を追い越し、津軽海峡線に入って行く。
世界最長の青函トンネルを擁する、本州と北海道を直結する大動脈津軽海峡線…とは言え、実際には青森駅から先の暫くの区間は元来ローカル線だった津軽線を補強しただけのつなぎ区間。
列車はのどかな農村の雪景色の中をガタゴト進んで行く。
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しかし、JR東日本とJR北海道の境界駅となる中小国駅を過ぎると、突如列車は高規格の高架橋を走り始める。
ここから先は青函トンネルと同時に開業したJR海峡線、将来の新幹線乗り入れも考慮して当初から新幹線規格で建設された区間だ。
今までローカル線を走ってきた白鳥号は、新幹線の高架を高速運転で疾走し始める。
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そして、青函トンネルに突入!
雪の積もった津軽半島から年中気温や湿度の条件が変わらない超長大トンネルに入った列車の窓は瞬時に結露し、このトンネル内の異質な環境が実感される。
青函トンネル内では北海道新幹線の乗り入れ工事が行われている筈なのだが、高速で走行する白鳥号の車内からはトンネルの闇の中にそれらしき形跡を認めることは出来なかった。
海面下200メートル以上の大深度地下を白鳥号は轟音と共に駆け抜ける。そして…
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北海道上陸!
函館に近づくと、列車は元ローカル線の江差線を走る。
車窓には北海道の海が見えてきた。
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海の向こうに臥牛山こと函館山が見えてくると、終着駅の函館はもうすぐ。
10:49、特急「白鳥45」号は函館に到着。
ここでまた列車を乗り継ぎ、さらに北を目指す。
次に乗車するのは…
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白鳥号の到着したプラットホームの向かい側で待っていた、この列車。
編成を増結し長大な編成を組んで札幌を目指す、この列車は…
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特急「スーパー北斗7」号。
北海道を代表する特急列車の一つで、ディーゼル列車ながらも日本で初めて最高速度時速130キロでの営業運転を行った俊足ランナーである。
高水準の技術力を誇るJR北海道がエアラインからのシェア奪還を狙って開発投入した超高性能気動車特急キハ281系HEAT281及びその発展形である“日本最強のディーゼル特急”キハ283系FURICO283を使用し、表定速度時速100キロ以上の超高速運転を行う文字通りのスーパー特急である。
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「スーパー北斗7」号の札幌側先頭車として連結されたFURICO283の先頭部からの前面展望。
FURICOの愛称の通り大傾斜角のデジタル制御振り子装置と自己操舵(セルフステアリングシステム)台車を備えた、北海道の過酷な自然環境やカーブ区間が連続する線形をものともせず高速で駆け抜けるために生まれた最強の怪物マシン…それがFURICO283である。
11:00、函館発車。車内は、近年北海道旅行ブームが加熱しているという台湾や中国からの観光旅行の団体で大賑わい。
函館市街を離れた列車は、大出力ディーゼルエンジンを唸らせ振り子装置で身をくねらせながらJ函館本線をどんどん加速していく。
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車窓には駒ヶ岳の姿が。
函館本線も2手に分かれて勾配を避け迂回する山岳区間を乗り越えると、内浦湾(噴火湾)沿いを走る。
搭載する振り子装置を活かして、海岸沿いに敷かれた線路を車体を傾斜させながら迫力ある速度で一気に突っ走り、途中の長万部駅で室蘭本線に乗り入れ、
13:01東室蘭駅に到着。
ここで「スーパー北斗7」号から下車。
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東室蘭で、13:41発の室蘭行き普通列車4474Dに乗り換え。
東室蘭―室蘭間は歴(れっき)とした室蘭本線の一部なのだが、室蘭の市街地が半島の先に位置している関係でこの区間は分岐して支線となっており、函館と札幌方面を結ぶ列車とは東室蘭駅で支線の列車と接続するダイヤになっている。
しかし、室蘭駅への支線区間はまるでローカル線のような佇まいで、この室蘭行き普通列車も電化区間であるにも関わらず1両単行の気動車キハ40形式でワンマン運転される。
長大編成を組み時速130キロ走行する「スーパー北斗」とは何とも対照的な小さなディーゼルカーで、霙がそぼ降る室蘭の町をのんびり走ること暫し。
13:54、室蘭駅に到着。東室蘭から13分、僅か7キロの支線の旅だった。
さあ、この旅の最初の目的地である室蘭に着いた。
列車を降りて手荷物を駅のコインロッカーに押し込んで身軽になったら、鉛色の雲が垂れ込め冷たい海からの風が吹き抜ける街へと歩き出す。
目指すは…博物館とプラネタリウム!
ここまでの鉄旅データ
走行区間:青森駅→室蘭駅(津軽海峡線/津軽線・海峡線・江差線・函館本線・室蘭本線経由)
走行距離:356.9キロ(JR営業キロで算出)
→2009-2010 冬の旅 6、室蘭市青少年科学館 北の街のプラネタリウムに続きます
キハ283系は当初、道東方面行きの「スーパーおおぞら」に運用投入されたが、近年では「スーパー北斗」にも使用される。
←2009-2010 冬の旅 4、北へ。ブルートレイン「日本海」からの続きです
ブルートレイン「日本海」は数年前までは青森から先、青函トンネルを越えて北海道の玄関口函館駅まで直通していたのだが、現在は北海道新幹線乗り入れ工事が行われている関係で青函トンネルの輸送力に余裕がないらしく、青森駅止まりとなっている。
さらに北を目指すべく、次の列車に乗り換える。
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特急「白鳥45」号。
青森と函館を結ぶ、かつての青函連絡船航路を引き継ぐ。
また、列車名の白鳥は平成13年まで、ブルートレイン「日本海」と同じ大阪から青森までの日本海縦貫線を千キロ以上に渡って昼行運転でロングラン走行していたことで名高い名列車の愛称を、翌年に復活させて引き継いだもの。
ブルートレイン「日本海」号から乗り継いで北を目指すのにふさわしい名を持つ列車である。
08:57、特急「白鳥45」号青森発車。
ちなみに今回の旅ではJRの周遊きっぷ「札幌・道南ゾーン」を使用しているのだが、ここ青森から先は特急列車の自由席が乗り放題の「周遊ゾーン」に入る。
青森を発車した「白鳥45」号は、途中で先程まで僕が乗っていたブルートレイン「日本海」号だった車庫行きの回送列車を追い越し、津軽海峡線に入って行く。
世界最長の青函トンネルを擁する、本州と北海道を直結する大動脈津軽海峡線…とは言え、実際には青森駅から先の暫くの区間は元来ローカル線だった津軽線を補強しただけのつなぎ区間。
列車はのどかな農村の雪景色の中をガタゴト進んで行く。
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しかし、JR東日本とJR北海道の境界駅となる中小国駅を過ぎると、突如列車は高規格の高架橋を走り始める。
ここから先は青函トンネルと同時に開業したJR海峡線、将来の新幹線乗り入れも考慮して当初から新幹線規格で建設された区間だ。
今までローカル線を走ってきた白鳥号は、新幹線の高架を高速運転で疾走し始める。
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そして、青函トンネルに突入!
雪の積もった津軽半島から年中気温や湿度の条件が変わらない超長大トンネルに入った列車の窓は瞬時に結露し、このトンネル内の異質な環境が実感される。
青函トンネル内では北海道新幹線の乗り入れ工事が行われている筈なのだが、高速で走行する白鳥号の車内からはトンネルの闇の中にそれらしき形跡を認めることは出来なかった。
海面下200メートル以上の大深度地下を白鳥号は轟音と共に駆け抜ける。そして…
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北海道上陸!
函館に近づくと、列車は元ローカル線の江差線を走る。
車窓には北海道の海が見えてきた。
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海の向こうに臥牛山こと函館山が見えてくると、終着駅の函館はもうすぐ。
10:49、特急「白鳥45」号は函館に到着。
ここでまた列車を乗り継ぎ、さらに北を目指す。
次に乗車するのは…
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白鳥号の到着したプラットホームの向かい側で待っていた、この列車。
編成を増結し長大な編成を組んで札幌を目指す、この列車は…
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特急「スーパー北斗7」号。
北海道を代表する特急列車の一つで、ディーゼル列車ながらも日本で初めて最高速度時速130キロでの営業運転を行った俊足ランナーである。
高水準の技術力を誇るJR北海道がエアラインからのシェア奪還を狙って開発投入した超高性能気動車特急キハ281系HEAT281及びその発展形である“日本最強のディーゼル特急”キハ283系FURICO283を使用し、表定速度時速100キロ以上の超高速運転を行う文字通りのスーパー特急である。
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「スーパー北斗7」号の札幌側先頭車として連結されたFURICO283の先頭部からの前面展望。
FURICOの愛称の通り大傾斜角のデジタル制御振り子装置と自己操舵(セルフステアリングシステム)台車を備えた、北海道の過酷な自然環境やカーブ区間が連続する線形をものともせず高速で駆け抜けるために生まれた最強の怪物マシン…それがFURICO283である。
11:00、函館発車。車内は、近年北海道旅行ブームが加熱しているという台湾や中国からの観光旅行の団体で大賑わい。
函館市街を離れた列車は、大出力ディーゼルエンジンを唸らせ振り子装置で身をくねらせながらJ函館本線をどんどん加速していく。
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車窓には駒ヶ岳の姿が。
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搭載する振り子装置を活かして、海岸沿いに敷かれた線路を車体を傾斜させながら迫力ある速度で一気に突っ走り、途中の長万部駅で室蘭本線に乗り入れ、
13:01東室蘭駅に到着。
ここで「スーパー北斗7」号から下車。
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東室蘭で、13:41発の室蘭行き普通列車4474Dに乗り換え。
東室蘭―室蘭間は歴(れっき)とした室蘭本線の一部なのだが、室蘭の市街地が半島の先に位置している関係でこの区間は分岐して支線となっており、函館と札幌方面を結ぶ列車とは東室蘭駅で支線の列車と接続するダイヤになっている。
しかし、室蘭駅への支線区間はまるでローカル線のような佇まいで、この室蘭行き普通列車も電化区間であるにも関わらず1両単行の気動車キハ40形式でワンマン運転される。
長大編成を組み時速130キロ走行する「スーパー北斗」とは何とも対照的な小さなディーゼルカーで、霙がそぼ降る室蘭の町をのんびり走ること暫し。
13:54、室蘭駅に到着。東室蘭から13分、僅か7キロの支線の旅だった。
さあ、この旅の最初の目的地である室蘭に着いた。
列車を降りて手荷物を駅のコインロッカーに押し込んで身軽になったら、鉛色の雲が垂れ込め冷たい海からの風が吹き抜ける街へと歩き出す。
目指すは…博物館とプラネタリウム!
ここまでの鉄旅データ
走行区間:青森駅→室蘭駅(津軽海峡線/津軽線・海峡線・江差線・函館本線・室蘭本線経由)
走行距離:356.9キロ(JR営業キロで算出)
→2009-2010 冬の旅 6、室蘭市青少年科学館 北の街のプラネタリウムに続きます