宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

小惑星? それとも彗星?

2013年08月19日 | 宇宙 space
太陽系の小天体には、大きく分けて小惑星と彗星の2種類があります。

大雑把に言えば、火星軌道と木星軌道にはさまれた小惑星ベルトを中心とする、太陽系の内側のエリアに分布する岩石天体が小惑星。
そして、海王星よりも遠くから太陽に近づく軌道をもち、氷の揮発が見られるものが彗星と呼ばれます。
ケンタウルスはギリシャ神話に登場する半人半馬。彗星と小惑星の境界にあるような二面性から名付けられた。
ケンタウルスはギリシャ神話に登場する半人半馬。彗星と小惑星の境界にあるような二面性から名付けられた。
さらに、木星軌道と海王星軌道の間を公転する“ケンタウルス族”と呼ばれる、どっちつかずのような天体も存在するんですねー

これまで、いくつかのケンタウルス族天体で、放出されたダストが天体を球状に取り囲むコマが見られるなど、彗星の性質が観測されてきました。
でも、これらが“ケンタウルス族”の多数派を示すものかどうかは、明らかになっていませんでした。

NASAは赤外線天文衛星“WISE”を用いて、“ケンタウルス族”や海王星の重力で外側に弾かれた小天体“散乱円盤天体”の太陽光反射率を測定しています。

これらの天体には、人間の目で見た色がブルーグレーのものと、赤っぽいものがあるのですが、ブルーグレーのもののほとんどが暗い(反射率が低い)という結果がでたんですねー

彗星の氷の表面は、すすのようなコーティングがされているので、小惑星より暗いということがあります。

彗星と同様の性質ということは、元は太陽系外縁にまで達していた軌道が徐々に変化して、内側にやってきたのかもしれません。
彗星としての活動が、かつてはあった、あるいは今後あるのかもしれないんですねー

軌道が不安定なこれらの天体は、やがて巨大惑星の重力で現在の軌道から、さらに外れる運命にあります。

今回の研究では、“ケンタウルス族”のおよそ3分の2が、彗星と同じ太陽系外縁に起源を持つことが示されました。
でも、まだ明らかになっていないのが残りの3分の1について… 今後の調査が待たれますね。