宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

浸食で作られた、火星の美しい流線形の島々

2014年04月17日 | 火星の探査
火星探査機の観測データから作られた画像に、
浸食で作られたとみられる流線形の中洲などがはっきりと浮かび上がったんですねー

オスガ渓谷の地形。白・赤が標高の高い場所、青・紫が低い場所を示す。

マリネリス渓谷の東の端に位置する地形“エオスカオス”。
この“エオスカオス”から南へ約170キロの距離に位置するのが、総延長164キロのオスガ渓谷です。

この渓谷の中央部分を、2013年12月7日にヨーロッパ宇宙機関の火星探査機“マーズ・エクスプレス”が観測。

観測で得られた画像に見られる景色の大部分は、
ランダムな方向へと深く浸食された領域で、ほとんど占められていて、美しい流線形の中州や狭い渓谷は、速い水の流れによって削りとられて作られたように見えるんですねー

その流れは、広大なマリナー渓谷の南東縁近くにある小さな高原領域を走っていたものだそうです。

その一例が、画像の一番下に見られる、深さ2.5キロのオスガ渓谷のくぼみになります。
オスガ渓谷とそこに見られる特徴は、
破壊的な洪水によって激しく浸食して作られたと考えられています。

いっぽう渓谷中の中洲の周りに見られる流線形は、水が北東へと流れたことを示していて、
河床に見られる幅の狭い平行な溝は、水が高速で流れていたことを示しているんですねー

オスガ渓谷を上空から斜めに見下ろした図

水の流れの方向に合わせた上の画像では、溝のある谷底の詳細と、渓谷がよりはっきりと中州になっているようすが分かります。

渓谷のもっとも北側に近い部分(1枚目画像の右端)には、2つの大きな不規則な角張った形をした領域があり、同領域も周囲の環境によって破壊されたように見えますが、削りとられて丸いカーブを描く中州と同じくらいの強い浸食は経験していないようです。

ただ、洪水の水が何処に行ったのか?

カオス地形の深いくぼみに流れ込んだはずですが、
他へ流れ出たのか、または一時的に湖を形成したかは、
まだ、はっきとりと分かっていないんですねー