宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

謎が多い天体、超新星残骸“G352”

2014年04月18日 | 宇宙 space
天の川銀河の中で2200年前に起こった超新星爆発。

この超新星爆発をNASAのX線天文衛星“チャンドラ”が観測したのですが、
爆発後にできたはずの中性子星が見当たらないんですねー
そして、主なX線源となる物質が通常と異なるんだとか…  謎が多い天体なんですねー

さそり座方向に約2万4000光年彼方の
超新星残骸“G352”。ピンクが電波像で青がX線像。
太陽よりはるかに重い恒星は、その一生の最期に大爆発(超新星爆発)を起こします。

膨大なエネルギーや物質を放出しながら、銀河そのものと同じくらいに明るく輝く超新星は、毎日のように発見されているのですが、
そのほとんどは遠方の銀河で発生したものになります。

天の川銀河内では、大体100年に2回ほど発生するようで、
画像は、天の川銀河で2200年前に爆発したとみられる超新星残骸“G352”。
少しつぶれた円形のような電波放射(ピンク)の中に、X線放射(青)が見えるという不思議な形をしているんですねー

不思議なのは形だけではなく、最近の研究からは、
このX線の主な源が3000万度という高温の爆発デブリだということが分かっています。

爆発からの時間が“G352”と同じくらい経った多くの超新星残骸の場合、
その主なX線源は、衝撃波とぶつかって押しのけられた周囲の物質とされているので、
“G352”は珍しい例ということになります。

しかも、“G352”の爆発によって押しのけられた周囲の物質は、
天の川銀河内の超新星残骸としては大量で、太陽の45個分もの量があるんだとか…
ひょっとすると、爆発前の星の周囲に大量の物質があったのかもしれません。

また、残骸の中心には中性子星が残るはずなんですが、全くそれらしいものが見当たらないんですねー
暗すぎて見えないのか? あるいは中性子星ではなくブラックホールができたのか?
とにかく、謎が多い天体なんですねー