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遠くを探さなくても近くにあった! 天の川銀河を公転する宇宙最古の銀河

2018年09月07日 | 宇宙のはじまり?
天の川銀河には30個ほどの小さな銀河が付随しています。
この銀河は“衛星銀河”といい、天の川銀河の周りを公転しているんですねー

今回明らかになったのは、その“衛星銀河”が生まれた時期でした。
なんと一部の“衛星銀河”は、宇宙がわずか1億歳だったころに形成されたそうです。

このことが本当なら、私たちの天の川銀河の周囲に宇宙最古の銀河が存在することになりますね。


宇宙の暗黒時代に作られた銀河

ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究チームにより、天の川銀河の周囲を公転する小さい衛星銀河のうちいくつかは、宇宙の歴史の中で最も初期のころに形成された、宇宙最古の銀河であることが分かってきました。

研究チームは以前の研究から銀河形成をモデル化。
すると、“宇宙の再電離”と呼ばれる物理過程の影響が、矮小銀河の“光度関数”に現れることに気付きます。
  “光度関数”は、どの明るさの銀河がどれだけの頻度で存在するかを表す関数。

  初検出! 宇宙最初の星が残した痕跡
    

そして明らかになったのが、この光度関数の形が、谷で区切られた非常に暗い矮小銀河の山と、明るい矮小銀河の山のようになることでした。
○○○
コンピュータ・シミュレーションで再現された衛星銀河の分布。
青い円内は明るめの銀河、白い円内は超低光度の銀河。
このモデルの予測と、天の川銀河などの衛星銀河の観測から得られた光度関数とは、よく一致していたんですねー

この理論通りに矮小銀河の形成が起こったとすると、非常に暗い矮小銀河は“宇宙の暗黒時代”の終わりごろ、宇宙誕生から1億年後くらいにあたる時期に作られたと考えられ、それよりは明るい矮小銀河はさらに数億年後の時期に作られたものと考えられます。

  生まれたばかりの宇宙は、
  電子や陽子、ニュートリノが密集して飛び交う高温のスープのような場所で、
  電離した状態にありました。
  でも、宇宙が膨張し冷えるにしたがって、
  電子と陽子は結びつき電気的に中性な水素が作られます。
  この時代には、光を放つ天体はまだ生まれていなかったので“宇宙の暗黒時代”と呼ばれています。
  その後、宇宙で初めて生まれた星や銀河が放つ紫外線により、水素が再び電離されることに…
  この現象を“宇宙の再電離”といいます。
  宇宙に広がっていた中性水素の“霧”が電離されて晴れたことにより、
  空間を通り抜けられるようになった“宇宙最初の光”が、
  現在の空に広がる“宇宙マイクロ波背景放射”として観測されています。


天の川銀河の衛星銀河だと、“Segue-1”、“うしかい座矮小銀河”、“きょしちょう座矮小銀河II”、“おおぐま座矮小銀河”といった矮小銀河が非常に暗いので、先の年代に作られたことになります。

つまり、天の川銀河のすぐそばに、宇宙の歴史の中で最初期に作られた矮小銀河が存在しているということになるんですねー

っと言うことは、天の川銀河の周りに存在する最小クラスの矮小銀河を観測すれば、初期宇宙の理解に役立つことになりますね。


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