akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

松井久子監督囲んで

2012-01-25 | バリアフリー映画、福祉
松井久子監督の映画『折り梅』に出会い、感動したのはもう7年も前でしょうか…

バリアフリー映画に携わるようになってから、ずっと『折り梅』もバリアフリー上映ができたらと願ってきましたが、ついに、2月3日に滋賀で初上映となりました。

松井監督の『ユキエ』『折り梅』のバリアフリー版をBmapで作らせていただくことになり、昨年11月から、二チームを編成し、音声台本を制作してきました。
叩き台を何度も練り直し、話し合い、読み稽古をし、今日は2作品を監督と、監督に繋いで下さった斎藤弘美さんにモニターしていただきました。

まずは監督に、「ここまでの完成度にして下さって感心しています」と認めていただきほっととしました。

私は監修演出の立場で、明らかにおかしい、流れが悪いところは手を入れますが、個性は残したいほうなので、Bmapの中でも、『折り梅』と『ユキエ』のガイドの付け方はそれぞれのチームの色が出て、多少違います。
台詞が少なく映像と音楽で見せていくシーンが多ければ、ガイドはゆったりと入りますが、台詞の多い作品はそれだけガイドを入れる間が少ないわけで、無理やり説明を入れた感じも出てきてしまいます。
そこをどう取捨選択するか、また言葉の選択も、監督の意向を伺うことは非常にメンバー全員にとって、非常にいい経験となりました。

音声ガイドは、よく「客観的に、修飾語や主観を入れず」と言われてきましたが、監督は自分の作品にト書き的で詳細な映像説明がつくことで自然なストーリーの流れが崩れてしまうのを懸念していました。
一方で、その説明が視覚障害者にとって必要、有用ということならば、当事者の要望を優先して下さいというご発言も印象的でした。

私たちは常にその間にあって、一番皆さんが楽しめる形を模索しているわけですが、
監督に制作に携わっていただくことでシーンの的確な意図を知ることができ、それをガイドに反映させることができるのは、障害のあるなしにかかわらず、ガイド付き映画を観る大きな付加価値となります。

これからもできる限り、制作者に関わっていただきながら、バリアフリー映画の普及を目指していきたいと思います。『折り梅』は滋賀でデビューですが、『ユキエ』も監督と相談しながら、ぜひ今年、何らかの上映会を行いたいものです。

『ユキエ』はアメリカが舞台で台詞の半分以上が英語なので、メンバー初の吹替え(実際はヴォイスオーバーですが)挑戦でしたが、皆さんの稽古の甲斐あってなかなかのパフォーマンスでした。12月にはこれはとても監督に聞かせられない…と思ったのですが、皆さん、今日はそれぞれの声が活きて声優さんのよう?でした。少しずつ全体のパフォーマンスの質が上がっているのを嬉しく思います。

夜遅くまで、メンバーとの交流会にお付き合いいただいた松井監督と斎藤弘美さんに感謝です。メンバーには長年の松井監督ファンもいて、たいへん楽しい刺激的な一日となりました。

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