酒田東高校の大先輩で西早稲田に老舗古書店を持つ五十嵐智さん。彼が若い時分に書かれた10年分の日記が、一冊の本となりました。
事務所が近いこともあり、とても親しくさせて頂いてますが、この日記は非常に面白かったです。
昭和28年酒田東高を卒業して上京、家計が許さず大学進学を諦めて神田の古書店で働き始めた五十嵐さん。
その、苦労と苦悩と成長の日々がつぶさに記されています。
自分の将来はもちろん、家族のこと、店のこと、友人のこと、そして戦後社会の様々なこと、すべてに真摯に向かいあい、懸命に生きる姿に、気持ちが新たになる気がしました。
古書店の歴史を知る上でも貴重な資料ですが、私にとっては、存じ上げている大先輩たちのお名前がたくさん出てきて、興味深いものでした。
また、五十嵐さんは、忙しい中でも仕事の後によく映画館に足を運ばれていて、本当にたくさんの映画をご覧になっています。私も良く知る名作から、DVD化もされていない作品まで。その題名や感想を拾いながら楽しく拝読しました。
現在は早稲田通り沿いにキレイなビルを建て「五十嵐書店」を営んでおられます。
このビルも、偶然ですが、酒田東高の大先輩伊藤正次郎さんが設計なさったものです。
縁とは不思議。
ディスプレイも素敵です。ぜひ足を運んでみてください。
五十嵐さんと、日記によく書かれていた奥様すみ子さんが、笑顔で迎えてくださいます。
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