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編集委員 

2012-07-04 21:35:03 | インポート
 小沢一郎氏離党 有権者はもうだまされない 編集委員・安本寿久

 政治家・小沢一郎を考える時、いつもある光景を思い出す。19年前の夏、JR天王寺駅を出た特急くろしおの車中のことで、隣席に新生党党首になったばかりの羽田孜氏がいた。
 政治改革関連法案をめぐって自民党が分裂、突入した衆院選で羽田氏は全国遊説していた。注目の新党党首とあって、京都、大阪と続いた遊説には多数の報道陣が同行した。が、和歌山に向かうころにはその数が激減し、周囲が無人に近くなった。その機に、隣に座ったのである。
 「辛いよ、辛い。自民党時代に恩義のある人に離党の説明に回り、支持をお願いに行くんだから。僕も辛いが、向こうも辛い」
 駅で買ったばかりの柿の葉ずしをほおばりながら、羽田氏は言った。京都を出る際には、大盛りの天ざるを平らげていた。陽がまだ高い、暑い盛りである。旺盛な食欲に驚きながら、最も聞きたいことを質問した。新生党代表幹事の座に就いた小沢氏との関係についてである。
 両氏は自民党時代、竹下派7奉行として並び称された。しかし、剛腕幹事長として海部俊樹内閣を操った小沢氏にはより大きく、政治家としての重力感があった。小沢氏による二重権力支配ではないか。それが当時、お決まりの新生党批判だった。
 「今は彼が脚本を書き、僕が表舞台で踊る。それが役どころだ。そのうち交代する時もある」
 羽田氏はそう言ったが、その後の19年間、その時が来たことはないのではないか。例えば消費増税法案に反対した前日、小沢氏は民主党の代議士会を欠席した。その後の小沢グループの会合には出席して反対論をぶったにもかかわらず、である。なぜ公的な場で持論を述べないのか。とことん表舞台に立とうとしない人としか思えない。
  
◆  改革派を装う守旧派
 小沢氏のもう1つの特徴は改革派を装うことだ。今回の造反にあたっては、増税前にやるべきことがある、というのが小沢氏の主張である。
 やるべきことは確かにあった。既得権益にがんじがらめになった自民党にはできない歳出構造の抜本的な改革がそれである。少子高齢社会に対応した社会システムの構築と言ってもいい。それは民主党にもわかっていたからこそ、コンクリートから人へ、と打ち出し、予算の大幅組み換えと無駄の徹底排除を公約したのではないか。
 いずれもできなかったことは、90兆円を突破した今年度予算にも象徴される。歳出改革に失敗し、消費増税に突き進んだ民主党政権の3年間は、世紀の大失政と言っていい。
 問題は、その責めの多くを背負うべきなのが小沢氏だということだ。政権交代の1年目、小沢氏は党幹事長の要職にあった。その職にあって陳情を幹事長室に一元化し、補助金の箇所付けを一手に握った。狙ったのは政権党の強みを生かした支持団体の抱え込み、自民党支持基盤の切り崩しだが、それはしがらみの継承に他ならなかった。
 一例は、農家票を狙った戸別所得補償制度である。農地の集約と競争力強化を図らねばならない時代に、経済性に劣る農家の生き残りを助長した。民主党を自民党化し、歳出構造を変えられない政党にしたのは第一に、小沢流の政治手法なのである。
 若手議員を引き連れての中国詣でと胡錦濤主席との記念撮影、その代償としての習近平副主席来日時の天皇陛下への面会強要も忘れてはならない。いずれも次期総選挙をにらんだ姑息な対策で、国の構造を変えようとする改革派がやる仕事では、到底ない。
  
◆ 政治改革で私兵養う
 19年前の自民党分裂は、大派閥を維持するための無理な集金が政治腐敗を生むとの認識から始まった。小選挙区制度と政党交付金をセットにした政治改革は、政治家を無理な献金集めから解放し、政策本位の選挙になる、というのがうたい文句だった。その旗を先頭で振ったのが小沢氏である。
 政治改革は結果として、公認権と交付金の分配権を握る政党ポストの権力を生んだ。民主党内で選挙担当の代表代行や幹事長職に固執し、その権限をフル活用して、前回総選挙で新人を大量当選させたのも小沢氏である。彼らの多くが小沢グループを構成し、造反にあたって離党届まで小沢氏に預けた様は、公的な資金で私兵を養ったと言われても仕方あるまい。
 さらに言えば、控訴されている政治資金規正法違反事件では、国民の関心事は4億円の出どころである。最初の小沢氏の弁明では政治献金だった。それが親の遺産に変わり、自らのたんす預金となった。3年前に西松建設巨額献金事件で公設第1秘書が逮捕されたことと考え合わせると、違法献金ではないかというのが疑惑の本質である。献金に頼らない政治を先導した小沢氏なのだから、こんな疑惑を持たれるだけで政治家失格だろう。
 いわゆる夫人の「離縁状」で、放射能が怖くて地元を見捨てたことなどを指弾された姿にも失望する。古来、修身、斉家、治国、平天下という。その身も修まらず、家をととのえ治められない者にはとても、国を治めることは期待できない。
 今もまた、消費増税反対を訴えて改革派を装う小沢氏だが、有権者はもうだまされまい。小沢政治は古く、すでに日本の足かせになっている。

 編集委員・安本寿久氏よ、判り易く有難う。このような記事を有権者全員が読んで次の選挙では投票の判断にしてもらいたいものである。                        

 
 「ヒッグス粒子」私の頭脳では全く理解が出来ないまいった顔、それより絶対がんにならないという薬を開発して欲しいのだが 嬉しい顔 。医療費の抑制に欠かせないだろうが、がん患者がいなくなると病院が困るのか 嬉しい顔