生活習慣病を患っている方の睡眠時無呼吸との相関関係が高いということもあって、わが町の碧南市市民病院でも今年(?)に入って「耳鼻咽喉科外来」で、閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)の受診ができるようになったようだ。実際は以前から受診できるのだろうが目につくようになったのが今年からというところだろう。
会計番号の案内掲示板に合間に映し出される
以前にも書いたように「閉塞型睡眠時無呼吸の50%には高血圧があり、40%がやがて糖尿病になり、高血圧患者の30%・糖尿病患者の23%には閉塞型無呼吸患者とされている。」「OSAの肥満型は内臓脂肪蓄積型肥満との報告が多い」(陳教授の講義より) 閉塞型睡眠時無呼吸症候群はいまや「花形疾病」の感がある。
”大きないびき・起床時の眠気・熟睡感がない・日中の眠気”そんな方は受診しましょうと案内されている。かっては、「いびき」をかいて寝るのは男の勲章のように言う奥様方もいたが、最近では「いびき」は脳梗塞など脳疾患の原因へと進みやすいから「ほっとく訳にはいかない」ということだ。
日本人は、欧米人に比べ「いびき」をかきやすい体質体型だといわれている。
理由としては、①もともと日本人は気道が狭い(顎が小さい)②仰向けで寝ることが多い③枕の高さが高い為、顎を必要以上に引いた状態になってしまう。・・・「長寿三寸楽四寸」といって9㎝~12㎝の高さが昔(多分江戸時代のことではないかと思う)の枕の高さの基準値であった。(と言ってもこの数値にはからくりがあるようです。 詳しい話は後日また・・・)
俗説だが、美食な方は「舌が肥えてる」といいますが「実際、舌も太る」ということらしいです。江戸時代の人がどの程度「いびき」をかいていたかは知らない。が、現在人よりは「いびき」をかく人は少なかったと推測します。その最大の理由は「肥満」です。
つまり、肥満によって、睡眠時に気道を塞ぎ易くなり「いびき」をかく結果になるようです。昔は肥満の人がいなかった訳ではないが、現在に比べれば非常に少なかったと考えられます。「閉塞型睡眠時無呼吸症候群は最近50年間で認識された最も重要な病態の一つ」(滋賀医大睡眠学講座資料より) と言われ、生活習慣病と高い相関関係をもつという研究などが発表されるようになったのは、ごく最近のことです。
もちろん、そこには現代人の「食生活」が大いに関係していることだと思います。
寝具店の睡眠学は現場から生まれる。の続きと思ってお読みください。
「いびき」は狭くなった気道を空気が流れる時に出る「音」です。正しい枕を使用することによって、少しでも気道を広げる・確保することができれば「いびき」は軽減されると言うことは十分考えられますね。
正しい枕・・・すなわち、正しい高さの枕を知ることから「いびき」の軽減を可能にできるかも知れません。正しい枕の高さを計測する(ネットではできない点)ことができる、そして販売する。・・・寝具店の役目、Watakeiの役目であると爺は思っている。
昨日も高校生がオーダー枕を作りに来て下さいました。痩せて(BMI18)いましたが、いびきが大きいとお母さんは心配でした。
測定してみると、意外なことが判りました。姿勢が悪いのです。少し猫背ぎみで、首が前に出たようになり、教科書的な正しい寝姿勢になるように枕を作ると喉がつっかえた(詰まった)みたいだと言われました。(図1)
図1 教科書通りに作ると首に大きな「しわ」ができました。
そこで、コンピュータの指示以上に頚椎部(首元)の高さをあげました。
図2
ほとんどの寝具店では、顎上がりの枕は間違っていると言われるでしょう。だが、ある寝具店の社長さん(爺より若く優秀)は「呼吸が楽にできるか否か」が良い寝具の基準の一つだと言われたそうです(直接お話しを伺った訳ではありません。その意味が少し判ったような気がしますが、機会がありましたら彼の理論を是非直接拝聴したいと思います。)
眠りは一人一人違います。寝具も一人一人違うのは当然です。理論通りには全ていきません。「1億人の眠り」は、現場でしか分からない「1億通りの眠り」があると思います。
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