お客様の中には、低反発・高反発って何の事?と聞かれる方もあり、中には誤解してるのではと思われる方もいらっしゃいます。また、いきなり低反発と高反発とではどちらが良いのですか、と質問される方も・・・。
低反発・高反発・正反発
ウレタンマットには大きく分けて低反発と高反発とがあります。本来ウレタンマットにはかって「○反発」などという言葉は無かった。 【正反発という言葉は、ラテックス(天然ゴム)マットを販売する会社のやはり造語であろう。】
宇宙には空気が無い。だから太陽の光を浴びるとメチャ暑い(200℃以上)。そして日陰に入ると零下(-100℃以下)の世界だそうだ。宇宙船内や宇宙服の中は、人が快適に過ごせる環境をということで「温度:18.3~26.7度,湿度:25~70%」(実際はほぼ21~25℃:40~60%の範囲内)の範囲内になるようにコンピュータで管理されているそうです。こんな快適な気候(時間)は日本国内で且つ就寝時に得られる事はまずあり得ないでしょう。宇宙船内では、日本人の体質からは、やや涼しく乾燥した状態です。体の大きい(外国の)宇宙飛行士ならいざ知らず、日本人女性宇宙飛行士・山崎さんにとっては少し涼しいかも知れませんね。山崎さんは船内で着るカーディガンを持参したというのは有名な話ですね。
そんな室温・湿度が安定し、且つ無重力の宇宙船の中では、今までのウレタンでは反発が強すぎる事になり、特に発射時や大気圏再突入時に飛行士にかかる体圧を分散するのを目指して開発されたのが低反発ウレタンという訳です。
温度・湿度のほぼ一定の宇宙船の中では最高のウレタンですが、地上、特に日本では問題があります。つまり、日本の気候に合う時がほとんど無いのです。①低反発ウレタンは室温によって固さが変化します。季節・温度による硬度変化が大きく、更に②吸湿発散は不得意で、湿度の高い(特に夏)日本の気候には、はっきり言って「合いません!」 熱伝導率からいえば、暖かく感じるだろうし、吸湿性が悪いから「蒸れ」が生じるだろう。少し蒸れると人は暖かいと錯覚する。人によっては冬向きの素材かもしれない。
実際の地上・日本ではどうだろう。 例えば大阪の平均気候は次のようです。
大寒の頃平均最低気温1.9℃・平均最高気温8.7℃、春のお彼岸(春分の日)の平均最低気温5.7℃・平均最高気温13.9℃、大暑の頃25.7℃・平均最高気温33.7℃秋のお彼岸(秋分の日)の平均最低気温20.2℃・平均最高気温27.7℃となってます。24時間エアコンの効いた家庭やホテルなら別ですが、宇宙船の環境とほぼ似た環境の日が365日のうち何日有るでしょうか・・・。【子供のころ、動かない時計を手にして「俺の時計は一日に2回だけ正しい時がある」と言って遊んだ御仁もいるのでは・・・。分かる人だけ分かる話】
人も自然の中に生きる動物、そこには「夏のからだ・冬のからだ」があって「暑さ寒さも彼岸まで」と言うように、快適と感ずる体感には大きな差があります。 さらに、活動している日中と、就寝中の快適寝床内気候(33℃±1℃:湿度50%±5%)とを比べても、大きな差があります。無防備な就寝中の身体を守るのが寝具です。
低反発ウレタンには一つだけ長所があります。何と言っても「体圧分散」に優れているところです。最近は、体圧分散に於いても低反発に引けを取らない商品が出てきています。例えば、ラテックスマットの評判はとても良いようです。高反発ウレタンであっても低反発ウレタンと変わらぬ体圧分散を可能としたマットも発売されているようです。(その話は次回)
痩せた方などには、体圧分散という観点からすれば良い商品です。また、今お使いの敷き(ベッド)が固過ぎる方にとっても、プラスしてご使用になられるには良いでしょう。でも、低反発ウレタンの特性上、寿命は高反発ウレタンの半分から1/3。粗悪な低反発になると1~2年で効果が無くなるもの(戻る力が無くなってしまう・・・無反発)もあります。
低反発ウレタンはもともと宇宙船の中で使う商品です。室温・湿度に大きな変化がないお部屋ならともかく、庶民の部屋には四季があります。あえて「体圧分散」の良さを味わいたい方は、暑い寒いのデメリットを承知の上で、重力によって寝返りがし辛いというデメリットも承知で、低反発をお楽しみください。
綿桂さんのチラシを十分以上に参考にさせて頂き作ったものです。何よりブログ「上手に眠れば…」はワタクシのバイブルでございます。
今後とも勉強させて下さい。宜しくお願い致します♪