普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

G20の野田首相

2011-11-05 12:05:40 | 外交・安全保障
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 皆さんもお気づきの方がおられると思いますが、G20の場で他の国の首脳人達が歓談しているときに、所在なさそうに何となく微笑しながら立っていた野田さんの姿に気付きました。
 これは大きな国際的の会議で、一部の人を除いて今までの日本の首相と同じ姿です。
 これを見る度に、私の惨めな経験を思いだします。
 私の現役のころと海外の様子はだいぶ変わっているかも知りませんか、こんなことまあるかと思って聞いて下さい。
・欧米式の立食パーティーと日本人
 外国では日本のように、幹事の指示で所定の食事の席につき、その挨拶で食事が始まるのと違って、立食のパーティーも良く行われるようです。
 日本では私のように無口なものでも、皆に併せて食事をしたり、酒を注ぎ合ったりして、その内に良い気分になって、少しは口も滑らかになるので何となく間が持てていました。
 然し立食のパーティーではそう言う訳には行きません。
 海外に出張してすぐに気づいたのですが、私たち日本人技術者グループが自然に固まってしまうのです。
 と言うのは技術一本やりの日本人達と土地の人達の話題が違うからです。
 そしてその日本人のグループの中でも私は「壁の花」状態で人の話しを聞くだけという恥ずかしい思いをすることが度々でした。
 何しろ私の経験のない、ゴルフと麻雀の話しばりですから。
 国連に出張して、女性関係の仕事に従事していた日本人の話を聞いたことがあります。
 彼は仕事の関係で女性中心のパーティーに出席したそうです。
 所が話題は猫や犬などペットの話ばかりで、彼も私のように完全に「壁の花」状態だったそうで、彼の秘書からどんな詰まらぬ話でも話題に入らねばと叱られたそうです。
 私は長期の海外出張の帰途の飛行機の中で、外国人と付き合うには英語だけでなく、話の種を豊富に持つべきだと、反省を何時もするのですが、帰ったら仕事にかまけて忘れて仕舞い、また次の出張でまた惨めな思いを繰り返していました。
 そして今は、そんな反省から、国は今や半公用語となった英語教育の推進するのは良いが、外国で良く訊かれやすい日本の歴史、伝統、年中行事などの教育も行うべきだと書いてきました。
・責任者が一言も話さないとして大きな仕事を失った話
 この会話の内容の充実に就いてはさらに厳しい現実を聞いたことがあります。
 私がブラジルに出張中に、大きな石油化学のコンビナート建設が始まり、その設備保全の仕事に、日本では有数の重工業の会社が参加を検討していることを聞きました。
 重工業と言っても、製作や現場工事は専門でも、設備のメンテナンスは殆ど経験が無いために、私の元の会社と援助契約を結ばれ、私の同僚も現地に入って来ました。
 そして結果は失敗に終わりました。
 噂話が好きなブラジルの人達ですから、その理由が私の耳にも入って来ました。
 その理由の一つに、「現地事務所に予定されている所長が、先方との会議に一言も意見が出なかった、それは彼が全く設備保全の仕事を知らないからだ。」と言うのです。
 勿論、私の同僚も会議の席にいたと思うのですが、英語が不得手なことと、(日頃無口でも言うときは言う私と違って)控えめな性格から、所長に代っての会議での発言に気後れしはたのかも知れませんが、この失敗の理由を本人に訊く訳にいかずそのままにしています。
 勿論、噂ですから面白おかしく伝えられているとは思うのですが、「ものを言わないのは知らないからだ」と言う理屈は、私が退職後、海外技術者の技術援助に参加したとき、欧米の技術者が人の主張を押し退けてでも、自分の主張を固守するのからみて、海外では案外通用しているのかも知れません。
・G20と野田首相
 野田さんは日本人らしく控えめな気持ちで、人の会話に割り込むのを遠慮していたのが、最初に書いたように独りポツンとしているテレビの影像となったのでしょう。
 然し彼は会議でどれだけ主張したのでしょう。
 報道によれば、消費税値上げの約束をしたそうで、早速、野党や民主党内野党から批判が出ているようです。
 その他ヨーロッパの金融危機について、条件付きで協力する意向を強調したそうですが、各国の関心はギリシャ情勢に集中し、野田首相が「どこからも反応がなかった」と苦笑していたと報道されています。
 私は欧米に比べて、安定している日本の金融事情を説明して各国もそれを参考にするよう、各国の政府のコントロールの範囲外に飛び出ようとしている投機資金の管理強化くらい訴えても良かったと思うのですが。
 その成否はともかく、言わねば外国の人達は日本や日本の首相がが何を考えているか判らないのですから。

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