・原発事故に比べれば津波の災害など大したことはないとも取れるテレ朝コメンターの発言
今朝のテレ朝の「モーニングバード」で元共同通信社のジヤーナリストの青木 理(おさむ)さんの引っかかる発言がありましたので取り上げて見ました。
東北震災から2年になることでアンカーの羽鳥慎一さんが
リアス式海岸の湾の奥に位置し、幾度も津波の被害を受けているため、総延長2.5kmにも及ぶ高さ10mの防潮堤を建設するなど、津波に対して強い街づくりを進めていたが、2011年東北地方太平洋沖地震ではその防潮堤を越える津波が発生し、多くの被害が出た (以上Wikipediaより)岩手県の田老町の震災状況の放送の後、青木さんが「岩手県や宮城県のそれぞれ5~6万近くの批難者が帰れないでいるが、福島県の帰れない批難者は約15万近くになる。これは原発の事故と大きく関連しており、今後の原発をどうするかが問題だ。」と言った趣旨のコメントをしていました。 (数字は私のうろ覚えです。)
悪くとれば3月11日のこの日に原発の事故に比べれば津波の事故など大したことはないと言わんばかりの心ない発言です。
青木さんは避難者のことだけ取り上げていますが、津波による死者約1万5千人、行方不明者約4500人が出たのに対して、原発事故の二次的原因で死亡した人は千人たらずなことを言っていません。
それと福島第一の事故は下記にしめすように殆ど100%が人災によるものですが、津波による事故は田老町の対策や一部の避難の遅れなどがが示すように、人災と言えるものがマスコミの報道から大目に見ても20~30%に過ぎないような気がします。
100%が人災とすれば対策の取りようもありますが、20~30%の人災の津波の災害は、「ヒト」としてやれるだけの対策をして、何時もは優しいが時には厳しい大自然とどう付き合って行くかという大きな問題なのです。
・福島第一の事故が100%人災だとする理由
・同じ地域にあり同じ震災にあった福島第二、女川原発が無事停止した。
他の原発でやれることを福島第一でもやろうと思えばやれた筈だ。
・貞観津波の情報が東電にも入っていたが結局有耶無耶になった。
・福島第二で緊急電源装置を耐水性のある原子炉建屋に入れたとき、それが耐水性のな いタービン建屋にある第一の現場の人達が黙って見過ごす筈はない
・福島第一でTPMという一種の改善活動が行われていたので、上記のこともシステムとして取り上げられなかった筈はない。
・福島第一の事故で貴重な情報が入って来ました。
当然それを活かさない手はないし、原子力規制委員会がその情報を元にして安全基準を作っています。 (私個人は政府・国会の事故調査委員会の報告や規制委員会の進め方に批判はありますが。)
それに従えば災害にも耐えてきた福島第二も女川原発もより強化される筈ですし、その他の原発も今まで以上に故障に対して強いものになる筈です。
津波より遥かに被害の少ない原発の災害、人知で何とかなる原発事故の防止、太平洋沿岸へのに人口集中など、人知では今すぐにはどうにもならない津波を考えると、どちらが大変か言わずとも知れています。
マスコミは自社の主張はともかくとして、読者や視聴者に公平でバランスの取れた報道をすべきです。
私は「その場限りの政治」シリーズで平成6年から8年にかけて、石化燃料の涸渇や日本の工業地域が太平洋沿岸の地震地帯に集中している問題(結果として同地域ですが、その時は津波のことは考えませんでしたが)を取り上げ、長期的な視野で基本的な対策を考えるべきだと書いて来ました。
マスコミ、経済専門家、ジャーナリストも、当時でも私のようなずぶの素人でも判る基本的な問題を取り上げるべきだと思うのですが。
今回の青木さんも目先の問題ばかり取り揚げす、長期的な視野に立った議論を展開して貰いたいものです。
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