普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

小沢さんが無罪の場合首相になれるか

2011-10-08 16:30:32 | 政策、社会情勢
人気ブログランキングへ
 昨日、小沢さんは検察に対して事実上の宣戦布告をしました。
 それに対してツィツターなどで、小沢さんを支持する多くの書き込みをしています。
 更に小沢さんの入院でさらに彼に対する同情が増えるでしょう。
 増して小沢・鳩山グループの中には、今回の裁判で小沢さんの無罪が確定すれば、次回の代表選勝利、首相の座に着く事は間違いないように思っているようです。
 確かに無罪になる可能性もあるし、もし彼が首相になれば今までの鳩山・菅・野田さんと違った大物の就任で、内閣の支持率は一気に上がるかも知れません。
 然し、外野から見れば、小沢さんが首相になれるチャンスは少ないか、殆どないような気がします。
 その理由は
・小沢さんの「政治と金」の問題で無罪になっても、昨日に書いたように彼の道義的責任は逃れず、国会の審議ではこのことが取り上げられ、国会の進行が殆ど止まってしまうこと
・小沢さんのマニフェスト回帰の政策やそれまでの小沢さんの言動がねじれ国会で受け入れられるか
です
[政治と金」の問題
・首相になれば必ず国会の質疑に立たねばならぬこと、20億に近い資金集めで仮に法の網をくぐり抜けても、法の精神に違反していること、もし秘書が有罪になれば私は知らないで通せないなどと言う道義的な責任が問うとして、野党が小沢さんの「政治と金」で手ぐすね引いてまっていること。
 陸山会関係以外の例では
・小沢さんが代表幹事を務めた新生党は新進党に移行する直前に、党本部と10支部に残った資金のほとんどに当たる9億2526万円余を、小沢氏が実質的に運営している政治団体「改革フォーラム21」に移した。党本部に限ると5億5948万円余のほぼ全額が同フォーラムに移され、この大半は国から支給された「立法事務費」だったと言われていること
・小沢さんが党首だった自由党と民主党の合併に伴い自由党が解党。同党に残った15億5715万円余(うち5億6096万円余は政党交付金)は、所属する議員らの35政治団体に各500万円が分配されたほか、13億6186万円余が同党の政治資金団体だった「改革国民会議」に移された。同会議は自由党解党後に一般の政治団体に変更され、小沢氏による若手政治家の育成事業「小沢一郎政治塾」の運営母体となった。
と言う話があります。
 この件に就いては鳩山政権時代に当時の藤井裕久官房副長官は衆院予算委員会で、小沢さんが代表を勤める自由党幹事長時代に政治資金収支報告書上、党の組織活動費の上記の15億の金が藤井さんあてに支出された問題について、藤井さんのサインや判子の証拠を突きつけられても、「その内容は存じません」、「署名した記憶はありません」と自民党の柴山昌彦氏の質問に答えました。
 私もその質疑を見ていましたが、藤井さんの憮然とした表情と、本音を隠したようなぶっきらぼうな返答で終わりましたが、自民党の真意は誰を追求したいのか、だれが見ても想像がつくことです。
 小沢さんがもし首相の立場にあれば、今までの様な再三の彼の喚問を拒否するわけにはいかず、自分で返答をするしかありません。
 小沢さんが首相となれば兼ねてからの政治と金の問題で喚問を要求している野党にとってはそれこそ絶好のチャンスです。
 それにの攻撃を小沢さんが心身とも耐え得るでしょうか?
 それで国会が順調に進むでしょうか?
 残る道は小沢さんが影に隠れて操り人形となる人を首相にたてるしかありませんが、いままでの自民党のやり方にうんざりして民主党を選んだ人達の期待に応えられるでしょうか。
[小沢さんの政策と今までの言動]
・小沢さんはマニフェスト回帰を唱えて菅さんなどを攻撃していました。
 そうは言っても、お人好しの私は、小沢さん程の人が民主党公約の原点復帰を固守するとは思いたくないのですが、もし彼が本気で公約固守をした場合を考えてみました。
 900兆円近くの赤字国債、5年で19兆以上の復興国債、毎年1兆円を越える福祉関係の費用の中で、所謂ばら蒔き4Kの財源はどのように捻りだすのか
・子ども手当て:今の時代に社会で育てる理念からと言う所得制限なしが通じるのか
・世界的な食料不足の増大の時代の一方では農家の高齢化が止まらない時に、農業の生産性向上の為の大型化の時代に、農地の貸し剥がしを促進する農家の個別所得保障制度が成立するのか
・社会福祉を充実するのか制限するのか否か、結局菅さんの福祉と税の一体改革を認め、増税時期をずるずる伸ばすのか
・増税は景気が良くなってからと言うが、中小企業救済一辺倒の経済政策、野党からは経済無策と言われている公約で経済が成長するか
・失敗に終わった天下り、公務員制度改革をどう建て直すか
・これもまた失敗に終わった行政主導の行政改革への対処は
・小沢流の官僚に民主党方針の従うという宣誓書を出させるなど、高圧的なやり方で官僚のモラルが向上するか
・尖閣諸島問題で緊張度が増している中国にまともに対応ができるのか。
 中国に大訪問団を送るのは良いとしても、その見返りに同国から同じ程度の訪問団の派遣も要請できず、同国の首相の来日に慣例を破って、天皇陛下との面会を宮内庁に強要するくらいしか出来ない小沢さんが中国に対してキッパリとした対応が出来るか。
・小沢さんが強腕と言われていますが、小沢さんの自民党離党→新生党→自由党→民主党の間の歴史はいずれも造っては壊す失敗の歴史で、民主党も鳩山さんから受け入れてもらっただけです。
・小沢さんは選挙の神様と言いますが、最近で言えば民主党代表選で鳩山さん勝利、衆院選大勝で政権奪回の2勝、菅さん、野田さんに敗退の2勝2敗です。
 その内の衆院選大勝は自民党のオウンゴールや、マスコミの反自民キャンペーンに助けられて面もあることも考えねば小沢さんの力の判断を間違えるような気がします。
 特に民主党内で最大多数を誇る小沢グループを持っていての2連敗は、見方によれば小沢さんの力の衰えか、彼のやり方が時代遅れになっているのかも知れません。
 これらの小沢さんの姿を真っ直ぐに見ると、小沢さん信者の人達も一歩退いて考える必要があるような気がします。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治・人気ブログランキングへ

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Milk)
2011-10-08 19:21:36
同意します。好き、嫌いの感情ではなく、小沢氏の政治家としての実績は何なのでしょうか。(政権交代を除いて)日本の社会保障、安全保障、成長などで彼の活動の何がどのように貢献したのでしょうか。古い政治家として資金を上手く利用した選挙手法には、実績があると思いますが、成長が望めない今の日本では、過去の成功体験に囚われた古い政治家が活躍できる時代は終わっていると思います。
返信する

コメントを投稿